音楽

ツィメルマン 武蔵野市民文化会館電話予約

うっかりしていたら予約開始から既に1時間半も過ぎていた。「完売しました。」と言われるかもと思いながら何度かコールすると10分ほどで繋がり、なんとか席を確保。

いつもこの会場はチケット料金が安いのは有難いけれど、チケットの発売時期がものすごく早くて、しかも人気のあるコンサートはあっと言う間に売り切れる。予約開始日は電話による受付のみだから公平ではあるけれど、お勤めの人にはなかなか取りにくいだろう。

2010年初夏 ツィメルマン来日公演-Chopin Piano Sonata #2&3-はやはり三鷹で始まり所沢で終わるのね。後から地方公演が追加になるかどうかわからないけれど、全国14公演。その中では今回三鷹(武蔵野市民文化会館 大ホール 1350席)は小さいほうかな。

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シンシナティ交響楽団:パーヴォ・ヤルヴィ、Pf:クリスティアン・ツィメルマン

2009年10月27日 於:東京文化会館

曲目
バーンスタイン ディヴェルティメント
ガーシュウィン ラプソディ・イン・ブルー
ラフマニノフ 交響曲第2番 ホ短調 作品27
アンコール
シベリウス 悲しいワルツ
ブラームス ハンガリー舞曲第6番

アメリカにゆかりのある作曲家を新しいほうから時代を遡るプログラムで、アンコールはパーヴォ・ヤルヴィの母国エストニアの親戚のような国フィンランドの作曲家シベリウス、そして最後はドイツ系移民が多いというシンシナティにとってはなじみ深いであろうブラームスの曲と、自分たちの国を代表する作曲家の作品を並べてきた。

バーンスタインのディヴェルティメントは8曲が全体としてはアメリカの美質を表現している感じのもの。木管が力強くて、ビオラが綺麗だった。金管ではホルンが木管楽器寄りの(本来そういうものなのだろうけれど)柔らかな音。視覚的には弱音器の付け外しを繰り返すチューバの姿が目立ったが、響きの中で金管楽器はバランス良くおさまっていた。

ラプソディ・イン・ブルー。コンサートマスターがチューニングでAを叩く。あら、ツィメルマンのピアノがあんな普通の音出すのかしらと意外。私が弾いても同じだわ、なんて不遜なことを思ったのは私だけか?演奏はクラリネットのグリッサンドがきまり快調に始まる。オーケストラは適度にアメリカらしいクラシックの音。ピアノが入ってくるとオーケストラよりテンポを落としてさらにクラシカルなアプローチでなるほどと思う。色彩感のある音に変化しているが、いつものツィメルマン特有のキラキラとまばゆいばかりの透明感のある音ではなくて少し野性的。このあたりバーンスタインへのオマージュか。後半のカデンツァではかなりテンポを上げて、緩急をつけていたけれど、テンポを上げて演奏自体がハードになると逆にピアノの音色からは野性味が薄れ透明感が上がってくる不思議さ。オーケストラは一貫して適度に洗練された音で力強い演奏。バンジョーなどのスパイスも利いていた。時々リハーサル不足なのか、ピアノとオーケストラ(特に弦楽器)とのタイミングが合っていない部分があったが、この後共演を重ねればもっとスリリングな演奏になるかな。私の席が悪かったのか(1階中央左端)ピアノの音量が小さいのが残念だった。一般発売日の10時に都民劇場に電話してとれたS席がここだった。今度ピアノの演奏で文化会館に席をとるときには別のゾーンのほうがいいな。(って、どこがいいのだろう。いまさら遅いがバレエでは文化会館大ホールによく来るけど、コンサートではめったに来ていないことに気付いた。)

さて後半、ラフマニノフ交響曲第2番。静かに憂鬱な顔をして現れるナルシスと私は思っているけど、ここが意外にCD(同じ指揮者とオケのもの)よりもスマートに出現。今日はこてこてロシア路線ではないとわかる。ここでも走り気味の第1ヴァイオリンをビオラとチェロで落ち着かせる。第2ヴァイオリンが主旋律を奏でる部分もあることを発見。(この曲を生で聴くのは初めて。)第2、第3楽章は存分に歌って聴かせる。この曲はとにかく長いし、次から次へと(メロディの)プレゼント攻撃されると疲れてしまうので、時々休憩をはさんで自然に次の驚き(主に管楽器と打楽器担当)を待つそんな流れだった。「ただ単に優れた演奏を聴かせるのではなく、どこか官能性すら秘め持つオーケストラに育っていく、それが理想」と語るヤルヴィの言葉が確かに感じられる好演だった。

アンコールがいずれも弦楽器主体の曲だったのは管楽器が疲れたあとだったからだろう。シベリウスもブラームスも良かった。結果から言うと、前半アメリカ人作曲家の曲よりも後半のほうが、ラフマニノフが苦手な私にも、魅力的だった。アンコールのあとも拍手で呼び戻され、パーヴォ・ヤルヴィは手のひらを前にして4本指を折り曲げる形でバイバイ。

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ラフマニノフ交響曲第2番

第2、第3楽章のメロディアスな部分は映画音楽のようだけれども、大地の底から響いてくる民謡的なところもあり、旧ソ連あるいはロシア系の指揮者による演奏が圧倒的に多い。ラフマニノフはチャイコフスキー同様どちらかというと苦手な作曲家のため、演奏によってはまったく頭も心も素通りする危険大の曲。

プレヴィン+ロンドン交響楽団(1975)
他のものに比べて特にテンポが速いということもないのに、スリリングな演奏。プレヴィンが得意にしているだけのことはある。美しい音を奏でることに比重が置かれすぎずに、音楽が作り出す宇宙なり心情世界に軸足があるのかな。

マゼール+ベルリンフィル(1982)
上記プレヴィンの演奏と何が違うのだろうか。音の美しさだったらこちらのほうが上だ。ドラマの組み立てもうまいと思う。でもわくわくするような何かが足りない。

テミルカノフ+サンクトペテルブルク・フィル(1991)
いかにもロシアらしい音作りと歌わせ方で、私は苦手だが、ロシアらしい響きが好きな人にはどっぷりと浸れる演奏ではないかと。

プレトニョフ+ロシア・ナショナル管弦楽団(1993)
プレトニョフの描くロマンティシズムはロシア的な土臭さとか暑苦しさがなくて、一見スタイリッシュなのに、実はグラマーなツンデレの女の子のようだ。

アシュケナージ+ロイヤルコンセルトヘボウ(1998)
映画音楽に聞こえる、典型的演奏。

パーヴォ・ヤルヴィ+シンシナティ交響楽団(2007)
メリハリが利いていながら大仰すぎないので素直に聴ける。
ヤルヴィの出身地のエストニア語はフィンランド語同様ウラル語族で、ロシア文化には親近感と同時に一定の距離感があるのか、または米国で生活しているので客観視できるのかもしれない。
来週の演奏会が楽しみだな。

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ガーシュウィン「ラプソディ・イン・ブル-」

気付けば、来週はもうシンシナティ交響楽団のコンサート。いくらポピュラーな曲とはいえ、演奏によってかなり雰囲気の異なるこの曲をもう一度聴いておこうと思う。
ガーシュウィンがロシアから米国に移民したユダヤ人だからか、米国籍の音楽家全体に占めるロシア系ユダヤ人の割合が高いせいか、かつては米国籍のユダヤ人音楽家の演奏が多かったが、現在では様々な出自の演奏者がいてそれぞれの個性が出ていて面白い。

プレヴィン+ロンドン交響楽団(1971)
私にとってのスタンダード。プレヴィンは指揮者でもあり、ジャズピアニストでもあるけど、クラシックピアニストとしての演奏のほうがモーツアルトでもメンデルスゾーンでもブラームスでも好き。これもクラシックよりの演奏。プレヴィンのCD(LP)ジャケット写真はガーシュウィンにしてもラフマニノフにしてもスタイリッシュで、プログレみたい。たぶん当時そういう層に売り込んだのだろうな。ずいぶん太ったけど、今なおおしゃれ。

バーンスタイン+ロス・アンジェルス・フィル(1982)
作曲家、指揮者としてのバーンスタインは好きだけれど、ピアニストとしては面白くない。

マイケル・ティルソン・トーマス+ロス・アンジェルス・フィル(1985)
これは面白かった。プレヴィンがクラシックとして演奏しているのに対して、こちらはかなりジャズより。クレジットによると、祖父と父はガーシュウィンにピアノを習い、叔父はガーシュウィンの親友だったとか。ガーシュウィン本人が演奏したピアノロールというのをまだ聴いていないが、聴いてみたくなった。

山下洋輔(1986)
昨年聴いた生演奏に比べるとおとなしいけれど、それでも充分面白い。アルバムに入っている他の曲もバッハのチェロ組曲とかショパンのノクターンとか遊び心がいっぱいで、でも原曲に対する尊敬の気持ちはきちんと表現されていて、とても楽しい。自作のピアノクインテット2番はジャズというより寧ろ現代音楽として聴ける。ジャンル分けすること自体に意味がないのだというような作品。

レヴァイン+シカゴ響(1990)
ピアノは上手い、けれども、圧倒的にオーケストラの華やかな音色が勝ってる気がする。ピアノがオーケストラの伴奏をしているような、珍しい演奏。全体としては、いかにもアメリカらしい出来上がり。

パスカル・ロジェ+ウィーン放送響(2008)
洗練されていて、耳に心地よい仕上がり。ただこれがガーシュウィンらしい気はしない。ガーシュウィンがラヴェルに憧れて渡仏し、「管弦楽法を教えてほしい」と頼んだ時のラヴェルの返答「君は一流のガーシュウィンじゃないか、二流のラヴェルになることはない。」と書かれていたことがそのままあてはまるような。。。

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クリスティアン・テツラフ、ジョナサン・ノット:バンベルク交響楽団 演奏会

2009年10月19日 於:サントリーホール

ブラームス 悲劇的序曲

ブラームス ヴァイオリン協奏曲

アンコール
バッハ BWV1006 パルティータ3番よりガヴォット
バッハ BWV1005 ソナタ3番よりアレグロ・アッサイ

ブラームス 交響曲第2番

アンコール
ブラームス ハンガリー舞曲2番
ブラームス ハンガリー舞曲10番

久しぶりに、ヴァイオリンが気持ちよく歌い、鳴り響くのを聴いた気がする。一つ一つの音が明晰に弾き分けられ、音色に濁りがない。もともと明るい気分の横溢がある曲だけれども、さらに情熱的で若々しいブラームスだったと思う。第3楽章で音がすべったところがあって心配したが、そのあとすぐ演奏に集中できてほっとした。
テツラフは動きが激しくてあちらこちらがひねりを入れた屈伸運動をするので視覚的にも楽しませてもらった。
深々とお辞儀をする姿は礼儀正しく慎ましい印象だったが、アンコールはバッハのパルティータ3番ガヴォットとソロソナタ3番アレグロ・アッサイで、適度に抑制されたロマンティシズムがホール中に響き渡ったガヴォットが絶品だった。そのあとのアレグロ・アッサイは文字通り速いのに荒れることなく丁寧な演奏でこの人の美質を表現していたと思う。やはり、録音ではわからない(うちの再生装置が悪いのかもしれないけれど)ことがたくさんあって、生の演奏はいいなと再認識した。

交響曲第2番はオーボエの第1奏者が交代し、ホルンやヴィオラ、コントラバスが増えた。ジョナサン・ノットは大仰な表現はせず、堅実な演奏でオーケストラは比較的地味だったが、その分家庭的な優しさがあったように思った。

今回は何といっても、クリスティアン・テツラフの演奏が傑出していた。2階席だったので休憩時間に2階ホワイエに展示してある写真をみて歩いた。今年5月のポリーニ、ツィメルマンの写真が並んでいて、あの感動を思い出したりして、楽しい一夜だった。

10/22追記
Tetzlaffjpg 会場でCD販売をしていたが、私が見たときには、テツラフのブラームス ヴァイオリン協奏曲はなかった。この日の演奏とは、印象が異なるけれど、一応CDケースを開いたところをアップ。
あのバッハを聴いたら無伴奏ヴァイオリンソナタとパルティータのCDも欲しくなった。これもライヴとは異なる演奏かなぁ。バルトーク(ヴァイオリン・ソナタも弦楽四重奏も好き)はあの音に向いている気がする。シベリウスはどうかな、むろんテクニックは問題ないだろうけど。

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ブラームス 交響曲第2番

来週聴きに行く、ジョナサン・ノット+バンベルク響のもう一つの演奏曲、交響曲第2番は、心弾む明るさがあり、作曲された時期がヴァイオリン協奏曲と近いので、この二つを組ませたプログラムは構えずに聴けると思う。(Violin Concertoはopus77、ちなみに78はViolin Sonata Nr.1雨の歌、79はピアノのための2つのラプソディ、80は大学祝典序曲、81は悲劇的序曲、82はピアノ協奏曲第2番とこの時期名曲が次々と書かれる。)

 Brahms Symphonie Nr.2 D-dur opus73

フルトヴェングラー+ウィーン・フィル(1945)
この演奏はクレジットによるとフルトヴェングラーが終戦を間際に控えてスイスへ亡命する前夜に行われた演奏会のライヴ録音とのことで、ウィーン・フィルが鞭打たれて軋みながら悲鳴をあげて突っ走るような演奏で、聴いているのが苦痛になる。スイスへ亡命する話で映画「サウンド・オブ・ミュージック」を思い出した。

トスカニーニ+NBC管(1952)
録音状態が良いとは言えないが、野性的で野太い金管の音に驚くが、全体的にはロマンティックで優しくなおかつ雄大さもある。比較的早いテンポで快活な演奏。実際カーネギーホールで聴いたらどんな音だったのか想像しながら聴くと楽しい。

ベーム+ウィーン・フィル(1975)
普段聴いているのがこれ。派手さはないけれど、豊かな響きで心が和む演奏。ベームの指揮というとまずオペラが浮かぶように、オーケストラ全体が自然に歌っているように聴こえる。ブラームスはオペラを書いていないけれど、作品に占める歌曲の割合が高く、このあたりもウィーン・フィルやベームが得意にした要因の一つかもしれない。(もちろん、歴史的なつながりは大きいだろうけれど。)

カラヤン+ベルリン・フィル(1986)
楽器の華やかな鳴りは楽しめるけれど、意外なところで「あらっ」な部分もあり、細部を気にしなければ全体はスムーズに流れて映画音楽のように聴ける。(カラヤンとベルリン・フィルに辛口なのは、相性の問題かなぁ。)

ハイティンク+ボストン響(1990)
ゆったりとしたテンポで雄大なイメージ。ホルンのソロがきれいに響いて、ブラームスが滞在していたベルチャッハののどかな様子が浮かぶところは良いのだが、時としてあげる金管やコントラバスの野太い咆哮と高音になると弦楽器がヒステリックになるのが気になる。

マゼール+バイエルン放送交響楽団(1993)
マリアンネ・フォン・ヴァイツゼッカー基金設立記念コンサートのライヴ録音・録画DVD。前半はフランク・ペーター・ツィンマーマンのチャイコフスキー・ヴァイオリンコンチェルトで、ツィンマーマンの美音とオーケストラの安定した音が融和して、私がチャイコフスキーを苦手にしていても、Bravo!と拍手したくなる演奏。そして交響曲第2番。優美でありながらどこか開放的な明るさがあり、それがブラームスの2番という曲想にあっていた。こちらも、レヴェルの高い演奏だったが、ちょっと、若いツィンマーマンに持っていかれた感あり。

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ブラームス ヴァイオリン協奏曲

10/7 グリュミオーとテツラフとラクリンを追記
10/13 クレーメル+カラヤンとオイストラフ+クレンペラーを追記
10/18 クレーメル+アーノンクール+ロイヤルコンセルトヘボウを追記

このところ体調不良で癒されたい(そういえば少し前にはロ短調に嵌っていたな)気持ちが強くて、桂米朝・枝雀の上方落語とモーツァルトを聴いていることが多くて、ブラームスの予習を怠っていたことに気付いた。
今月ジョナサン・ノット+バンベルク響+クリスティアン・テツラフのブラームスを聴きに行くのだった。ブラームスのヴァイオリン協奏曲はもともと好きな曲だけれど、一度にあれこれ聴き比べたことはなかったので、これを良い機会に改めて聴いてみた。

 Brahms Violin Concerto 

ハイフェッツ+フリッツ・ライナー+シカゴ響(1955)
これは1950年代の録音にしてはきれいだし、ハイフェッツの演奏が技巧に走ったものではなく楽器が存分に鳴り、歌い、意外にもカデンツァ以外はスタンダードなブラームスを聴かせてくれる。せっかくハイフェッツを聴いているのにある意味そこが面白くないと言えるかもしれないが。スピード感があって私は好きな演奏の一つ。

コーガン+コンドラシン+フィルハーモニア管(1959)
音色は豊かでオーケストラもロシアのオーケストラかと思うような大仰さをもっていてヴァイオリンとのバランスも悪くない。重音の響かせ方や第3楽章のリズム感など面白みに欠ける。

オイストラフ+クレンペラー+フランス国立放送局管(1960)
悪くなかったような気がするのだが、眠くなってしまった。全体的には美しい音色なのだが、高音の速いパッセージは音の輪郭がぼやけるのと音程が不安定になるのが気になる。もっと若い時の演奏を聴かないと公平じゃないのかもしれない。

オイストラフ+コンドラシン+モスクワ・フィル(1963)
巨匠らしい泰然とした艶やかな演奏なのだが、時々音が外れるのが気になるのと、第3楽章のリズム感が重く感じられる。

グリュミオー+コリン・デイヴィス+ニュー・フィルハーモニア管(1971)
一つ一つの音を慈しむかのような演奏で、まるで母や祖母から受け継いだ宝石箱を覗き込んでいるような気持ちにさせられる。ブラームスの音楽のそしてヴァイオリンという楽器の美しい部分を表現するとこうなるのだというお手本。オーケストラは表に出て主張することなくあくまでグリュミオーを引き立てている。カデンツァはヨアヒム作をほとんど変えずそのまま弾いていると解説されているが、こんな美しいカデンツァを聴いたことがない。

クレーメル+カラヤン+ベルリン・フィル(1976)
クレーメルらしくたいへん繊細な響きの高音で、オイストラフの高音部分とは音程が異なるのではないかと思う。カデンツァはクライスラーのもの。ベルリン・フィルのキラキラと輝くような音色との相性は悪くない。1、2楽章のリズム感とテンポはカラヤン色が強いように思うが、3楽章はクレーメルがオーケストラを牽引していこうとして、思わず音を外すところもあって逆に楽しくなってしまった。

スターン+メータ+ニューヨークフィル(1978)
アイザック・スターンもズビン・メータも嫌いではない。でもこの演奏には色気がなさすぎる気がする。ブラームスの曲はテンポを揺らして演奏されることが多いが、テンポを揺らした時に音程が上ずってしまうと興ざめしてしまう。スターンは若い時はもっとカッチとした演奏をしていたように思う。ヴァイオリンという楽器は本当に難しいのだと思う。自分が弾けないのでその難しさがどんなものかが理解できないのが残念だけれど。

ムター+カラヤン+ベルリン・フィル(1981)
ムター17、8歳の演奏。精巧なテクニックはもちろんだけれども、豊かな情感と鋭利な突っ込みとの鮮やかな切り替えは老獪ささえ感じさせる。五嶋みどりがヴァイオリンの音を聴くと男女の区別もおおよその年齢も生まれ育った文化圏まで分かると書いていたが、私にはそこまではわからない。でもこの演奏は女であることを主張しているように思う。カラヤンがあまり得意でない私にはオーケストラ、特に弦楽器がヒステリックに聴こえるが、好き嫌いを超えてムターの演奏にはとにかく舌を巻く。

クレーメル+バーンスタイン+ウィーン・フィル(1982)
一般的でないとは思うけれど、この演奏が私にとってのベスト。曲者どうしの組み合わせがたまらないのだ。基本的にクレーメルの奏でる音が好きなことに加えて、マックス・レーガーのフーガをカデンツァにしているのがクレーメルらしい。ヴァイオリン・コンチェルトの場合、オーケストラには大勢のヴァイオリン奏者がいてその代表であるコンサートマスターとソリストはいわばライヴァルなわけで、ヘッツェルとクレーメルとの駆け引きが(もちろんバーンスタインが仕掛けている)引き締まった演奏にしていると思われる。また、オーボエとチェロの音が柔らかく美しいのも気に入っているところ。

ジュシュア・ベル+ドホナーニ+クリーヴランド管(1994)
ベルの演奏は奇をてらったところがなく、淀みなく美しいメロディを奏でていく。ベルが若いせいか、屈折していない、清々しい演奏でユダヤ人らしくなく男臭さがない、ロマンティックなブラームスである。カデンツァはベルのオリジナルで面白い。

竹澤恭子+コリン・デイヴィス+バイエルン放送響(1995)
全体のテンポ設定が遅く、重々しいオーケストラはドイツらしい。竹澤のヴァイオリンも重厚な音色で奏でられる。たいへん気真面目な演奏のため少し息苦しい。今回聴いたカデンツァでヨアヒムのものの中では最も個性的でかつ美しい。(グリュミオーを聴いてしまったので、一番の座を譲ってしまった。)

クレーメル+アーノンクール+コンセルト・ヘボウ(1996)
自然に溶け込んでいるカデンツァはエネスコ作。全体的に室内楽のような雰囲気の仕上がり。このCDは、クレメンス・ハーゲンとのドッペル、ヴァイオリンとチェロのための協奏曲イ短調のほうが聴き逃せない。ヴァイオリン協奏曲よりもさらに室内楽的性格の強いこの曲が大変美しい。アーノンクールの妻との思い出が語られるまでもなく、本来この曲が生まれるきっかけになったブラームスとヨアヒムとの和解が、ヴァイオリンとチェロ、オーケストラとの対話に感じられる。

ヒラリー・ハーン+マリナー+アカデミー室内管(2001)
21歳と若いハーンが美音を響かせ、きっちりと音程を崩さずに、スケールの大きな演奏を聴かせてくれる。真面目なせいか少し面白みに欠ける。

テツラフ+ダウスゴー+デンマーク国立響(2006)
演奏は情熱的だが、音が硬いに膨らみが足りないのは、使用している楽器がモダン楽器だということもあるかもしれないが、弓がカーボンのせいではないかと思う。彼がカーボン弓を使うのは、普通の弓だと切れてしまうからだと聞いたが、この楽器で独自の境地を切り開いていくのを楽しみにしたいと思う。
この演奏にカップリングされているのがヨアヒム・ヴァイオリン協奏曲第2番。はじめて聴く曲なのになぜか親しみを感じるのは、ベートーヴェンやブラームスのカデンツァで聴いている節回しが同じだからか?

ラクリン+マリス・ヤンソンス+コンセルト・ヘボウ(2008)
昨年NHK音楽祭の時の録画。
ジュリアン・ラクリンの音は陰影が濃くて特に低音は深く豊かに響く。ジョシュア・ベルとは対照的に大胆で男臭い演奏。オーケストラが艶やかな音を奏でていることで、そのことが強調される。オーボエ奏者とラクリンは友達だそうだが、このオーボエがたいへん目立つ。今年6月亡くなった黒田恭一さんがラクリンの演奏を聴いて「若き巨匠」と言っていた。合掌。

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ぜひ聴いてみたいのはグリュミオー+コリン・デイヴィス+ニュー・フィルハーモニア管
これを聴いたら、これがベストになるのではないかという気もしているくらい、グリュミオーは大好きなヴァイオリニストで、モーツァルトやバッハ、ベートーヴェンその他の小品集は持っているのにブラームスのコンチェルトは聴いたことがない。この人の音の美しさはこの世のものではないようで別格。生の演奏を聴けなかったことが非常に残念な人。

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そうだやっぱりグリュミオーとテツラフは聴かなくては。ついでにクレーメルがアーノンクールと組んだのと、オイストラフは録音が数多いからもう1枚くらい聴いておこうかな。
ということで、少しずつ書き足していくつもり。

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2010年 公演 リスト

2010年は自分が見たいもの聴きたいものと、年寄りたちを連れて行きたいものがたくさんあって、よく考えないと体力も財力も持たない。

英国ロイヤル・バレエ(6月)&オペラ(9月)

バレエ 「ロミオとジュリエット」このロミジュリあまり好きじゃない。
     「うたかたの恋」 怖いものみたさで、観たい。
     「リーズの結婚」 コジョカル&コボーで観たい。

オペラ 
9月12、16、19、22日
「椿姫」 ゲオルギューとキーンリサイド本物観てみたい。
9月11、14、17、20日
「マノン」 なんといっても、ネトレプコ!
アントニオ・パッパーノを聴かなくては。どちらかを選ぶなら「マノン」かな~。

パリ・オペラ座 バレエ 東京文化会館
「シンデレラ」 ヌレエフ版は設定が微妙なところもあるが、シュールで面白くもある。継母と姉の配役は未発表。
3月12日 18:30 アニエス・ルテステュ ジョゼ・マルティネス
  13日 13:30 マリ=アニエス・ジロ カール・パケット
  13日 18:30 デルフィーヌ・ムッサン マチュー・ガニオ
  14日 13:30 マリ=アニエス・ジロ カール・パケット  
  15日 18:30 デルフィーヌ・ムッサン マチュー・ガニオ
 

「ジゼル」 来日メンバーにオーレリとニコラがいないので参加することになった。
自然とアニエス&ジョゼがファースト・キャスト。ジョゼのアルブレヒトを今度こそ観なくては。
3月18日 19:00 アニエス・ルテステュ ジョゼ・マルティネス
  19日 19:00 ドロテ・ジルベール マチアス・エイマン
  20日 13:30 アニエス・ルテステュ ジョゼ・マルティネス
  20日 18:30 イザベル・シアラヴォラ パンジャマン・ぺッシュ
  21日 13:30 オレリー・デュポン ニコラ・ル・リッシュ

ニーナ・アナニアシヴィリ
3月3日19:00東京文化会館 10日19:00ゆうぽうと
「ジゼル」
3月5日18:30東京文化会館 
3月12日18:30、14日15:00ゆうぽうと

「ロミオとジュリエット」
これも「ロミジュリ」と「ジゼル」で、どちらか選ぶなら「ジゼル」かなぁ。
マクミラン版じゃなければ「ロミジュリ」好きなんだけど。。。実はマクミランは「マノン」も苦手。

ルグリ&ギエム(2月)  まだ日程が発表になってない。やっと発表になった。
Aプログラム 2月3,4日 19:00 ゆうぽうと
   
「ザ・ピクチャー・オブ...」 
   振付:パトリック・ド・バナ 音楽:ヘンリー・パーセル  

   出演:マニュエル・ルグリ

   「クリアチュア」
   振付:パトリック・ド・バナ 
   音楽:デム・トリオ(トルコの伝統音楽)、
      マジード・ハラジ、ダファー・ヨーゼフ

   出演:オレリー・デュポン、フリーデマン・フォーゲル、
      東京バレエ団


   「ホワイト・シャドウ」(世界初演)
   振付:パトリック・ド・バナ 音楽:アルマン・アマー  

   出演:マニュエル・ルグリ、パトリック・ド・バナ、
      東京バレエ団

Bプログラム 2月6(18:00)、7(13:30)、8(18:30)、9日(18:30) ゆうぽうと
   
出演:マニュエル・ルグリ、シルヴィ・ギエム、アニエス・ルテステュ、オレリー・デュポン、パトリック・ド・バナ、フリーデマン・フォーゲル 他、プリンシパル・ダンサー数名を予定

フランチェスコ・トリスターノ・シュリメ
2月20日 Sat 14:00 彩の国さいたま芸術劇場
   ドビュッシー        前奏曲集第1巻
   バッハ           パルティータ第2番
   クレイグ(シュリメ編曲) テクノロジー
   ハイドン          ピアノソナタハ長調
2月21日 Sat 
   J.S.バッハ:4つのデュエット BWV.802~805
   ハイドン       :アンダンテと変奏曲 ヘ短調 Hob.XVII:6
   フランチェスコ・トリスターノ・シュリメ
               :水を求めて、それでも地球 (2007)
   J.S.バッハ      :フランス組曲 第6番 ホ長調 BWV.817
   ストラヴィンスキー :タンゴ
   ストラヴィンスキー :ペトルーシュカからの3楽章

小菅優&ラデク・バボラーク(Hor)&豊嶋泰嗣
3月20日 Sat 14:00 彩の国さいたま芸術劇場
   R. シュトラウス :前奏曲、主題と変奏 AV 52
   R. シュトラウス :アンダンテ ハ長調 (遺作)
   F. シュトラウス :主題と変奏 作品13
   F. シュトラウス :ロマンス
   シューマン    :アダージョとアレグロ 変イ長調 作品70
   シューマン    :ヴァイオリンソナタ第1番 イ短調 作品105
   ブラームス    :ホルン三重奏曲 変ホ長調 作品40

アンスネス&ノルウェー室内管弦楽団
3月21日14:00 ≪オペラシティ≫
   モーツァルト:ピアノ協奏曲第23番
   モーツァルト:交響曲第35番「ハフナー」
   グリーグ:ホルベルグ組曲 (ホルベアの時代より)
   モーツァルト:ピアノ協奏曲第24番 ハ短調 K.491

22日15:00 ≪トッパンホール≫

   ニールセン:小組曲 Op.1
   モーツァルト:ピアノ協奏曲第14番 変ホ長調 K449
   プロコフィエフ:交響曲第1番 ニ長調 Op.25 《古典》
   モーツァルト:ピアノ協奏曲第24番 ハ短調 K491

クリスティアン・ツィメルマン(5,6月&9月)
     初夏はショパンプログラムのリサイタル
     秋はハーゲン弦楽四重奏団との共演

マウリツィオ・ポリーニ(10月)     

マルタ・アルゲリッチ(いつだったかな)
     久しぶりに東京でリサイタル。
     ショパン・コンクールの覇者はポリーニ以外はショパン?

あとは、連れていってあげないといけないのが2月の二期会「オテロ」(福井敬出演日)なのだけれど、ルグリ公演の日程が発表になってないので申し込めない。NBSさん、はやく発表してね。     

*******************

「オテロ」は年寄りと一緒だから昼間のほうがいいと思って土曜日のチケットを取ってから気付いた。トリスターノ・シュリメと完全にかぶってる!シュリメはハクジュホールで翌日2月21日にリサイタルがあるからそちらにしようかなぁ。プログラムはバッハのパルティータ2番とドビュッシーのプレリュードのほうが好きかな。ペトリューシュカもいいけどね。さいたまの方がチケットが安いのが魅力。

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福井敬 テノールリサイタル

2009年9月5日 於:日本大学カザルスホール

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次々と繰り広げられる福井ワールドに、うっとりするやら、胸が締め付けられるやら・・・どの曲もそれぞれの世界が完成されていてすばらしかったのは、福井さんの歌唱力はもちろん、ピアノの河原忠之さんの力も大きかったと思う。今をときめくスター歌手でありながら、純朴な人柄が感じられる(ご本人の話されたところによると、華やかな王子さま役よりも、落ちていく男の役の方がお好きなそうで、そのあたりはレオンカヴァッロ『道化師』のアリアでも感じられた。)アンコールまで含めて、あたたかな雰囲気に包まれたリサイタルだった。

カザルスホールが今回見納めになるかもしれないと少々センチメンタルな思いを抱いていた私だけでなく、おそらく福井さんも内心このホールへの惜別の思いがあったのではないかと思う。ステージ上で正面を向いて歌うだけでなく、2階席の両翼を見上げて歌ったり、客席に下りてぐるっと一周したり、もちろん、ファンへサービスということもあるけれども、このホールの楽器としての響きを楽しんでいるようにも思われた。

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クリスティアン・ツィメルマン来日公演 2009-2010

迷っていたけど、結局10月のパーヴォ・ヤルヴィ指揮シンシナティ交響楽団の演奏会に行くことにした。ラプソディ・イン・ブルーは今さら予習の必要もないかと思いながらも、昔から好きなアンドレ・プレヴィンを聴きなおしたり、昨年久しぶりに聴いた山下洋輔も楽しかったな、と思い出したりしている。---フランク・ブラレイのピアノ・ヴァージョンというのもあるけど、リズムが独特。ガーシュウィンとモーツァルトかハイドンが合体したような・・・

今回の演奏はガーシュウィンもバーンスタインもラフマニノフの交響曲第2番もきっと楽しい演奏になるのだろうと想像しながらも、ピアノ協奏曲2曲続くプログラムは普通ないのは承知で、ラフマニノフなら、ピアノ協奏曲第3番が聴きたかったな、とか。

来年5,6月のリサイタルはショパンと予告されているけど、9月にあるハーゲン弦楽四重奏団との共演曲目は何だろうと気になる。バツェヴィチピアノ五重奏曲とか?ピアノと弦楽器との室内楽というと、五重奏はシューベルトの”鱒”とかブラームスのOp.34(ブラームスを得意とするツィメルマンだけど、この曲とシューマンのピアノ五重奏曲Op.44はアンスネスが少し前に録音している。気にしないかしら?)とか、四重奏だったらモーツァルト(ツィメルマンの演奏するモーツァルトは好き。ハーゲンSQはモーツァルトはお手のもの。)から現代音楽まで様々あるけど。あるいは、メインは弦楽四重奏で1曲だけピアノが入るとか?いや、それではもったいない。なんて一人気をもんだりしている。

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ロ短調, in B minor, h-mol

最近天気が不順なせいか、それとも日食のせいか、体調が優れない。
気分がのってこない、そんな時は、ロ短調の曲に身を任せると、癒されるような気がする。

バッハ ロ短調ミサ BWV232

バッハ ブランデンブルク協奏曲 組曲2 BWV1067

バッハ 平均律クラヴィーア曲集
 第1巻24番 BWV869、第2巻24番BWV893

バッハ ヴァイオリン・ソナタ 1番 BWV1014

バッハ 無伴奏ヴァイオリン パルティータ 1番 BWV1002

リスト ピアノ・ソナタ ロ短調

ショパン エチュード op.25-10 in B minor

ショパン ピアノ・ソナタ 3番

ショパン 前奏曲 op.28-6

ショパン マズルカ op.30-2、33-4

ショパン スケルツォ op.20

シューマン アレグロ in B minor

ブラームスの後期ピアノ小品 op.76、79、119

その他ロ短調の曲 サン=サーンスのヴァイオリンコンチェルト3番、ラフマニノフのプレリュードとか、チャイコフスキー交響曲第6番「悲愴」、 交響曲でいうとシューベルトの第7番「未完成」もロ短調なのね。そうだ、パガニーニのカプリース第2番もだ!エルガーのヴァイオリン協奏曲もあるし、ブラームスではクラリネット五重奏曲(カール・ライスターとアマデウス・カルテットのCD持ってたのだった。)とかヴィヴァルディのヴァイオリンとチェロのためのコンチェルト等など。それにしても、バッハはそもそも作った曲の数が半端ではないので別にして、ショパンってロ短調の曲が多い人だったのね。

リストのロ短調ソナタは、アルゲリッチ≪1972年≫とポリーニ≪1989年≫とツィメルマン≪1990年≫のCDしか聴いたことがない、って、そもそもこの曲今まであまり好きじゃなかった。急に、気分がロ短調になったせいで、初めてじっくり聴いてみた。アルゲリッチは元気がある時ならいいけど、今の気分ではない。ツィメルマンは薄暗い部屋で一人沈潜したいときに。ポリーニはじっとして何も考えずに横になっていて一番癒された。(ポリーニのときは黙って共に静寂を共有できる人がいてもいいと思った。)これって録音時のピアニストの年齢とも関係あるかもしれない。

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アレクサンダー・ガヴリリュク ピアノ・リサイタル

2009年6月28日15:00開演
彩の国さいたま芸術劇場 音楽ホール

ベートーヴェン:ピアノソナタ第8番 ハ短調 作品13「悲愴」
ショパン:ポロネーズ第3番 イ長調 作品40-1「軍隊」
     即興曲第1番 変イ長調 作品29
     夜想曲第8番 変ニ長調 作品27-2
リスト:メフィストワルツ第1番(村の居酒屋での踊り)S514
ストラヴィンスキー:≪ペトルーシュカ≫からの3楽章
ラフマニノフ:10の前奏曲 作品23より第1.2.5、6、7番
ビゼー(ホロヴィッツ編曲):カルメン変奏曲
****
アンコール
モーツァルト:ロンド ニ長調 K.485
リムスキー=コルサコフ(シフラ編曲):くまんばちの飛行
ラフマニノフ:楽興の時 第3番 ロ短調
                  第4番 ホ短調
モーツァルト(ヴォロドス編曲):トルコ行進曲

上手だろうとは思っていたが、想像以上に色彩豊かな演奏だった。

ベートーヴェンの悲愴は少し高音に違和感を感じたのだが、ショパンではピアノとホールの響かせ方にも慣れたようで気持ちよく聴くことができた。ここまでが指慣らしという感じで、メフィストワルツあたりから、ハンカチで汗を拭いながらの演奏。複雑なリズムを刻む超絶技巧の曲になるほど、活き活きとしていた。ペトルーシュカからの3楽章は私にはポリーニの演奏が基準になってしまっているのだが、ポリーニのスマートな演奏(これはいつ聴いても気持ちが良くなる)をよりカラフルにした感じで、フォーキン振り付けのバレエ(パリ・オペラ座『ディアギレフの夕べ』の映像)が目に浮かんできた。ラフマニノフの前奏曲各曲も熱演で私が聴いてるリヒテルの録音より正確。
アンコールでは一転してモーツァルトのロンド。それまでの熱い演奏からガラッと雰囲気を変えてちょっと一息入れて、次はくまんばちの飛行でまた少し温度を上げ気分が高揚したところで終わりかと思ったら、ラフマニノフの2曲はしっとりと、最後はものすごいトルコ行進曲。聴いたことのないその演奏はガヴリリュク・オリジナルかと思ったら、そうではなかったみたい。

あぁ、楽しかった。うちの子供と大して年が違わないので、なんともかわいい。

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アルミンク+新日本フィル 公開収録演奏会

某企業のメセナ活動の一環で行われている演奏会に行ってきた。

2009年6月25日 19:00~ 於:すみだトリフォニーホール
新日本フィルハーモニー交響楽団
クリスティアン・アルミンク指揮
豊嶋泰嗣 ヴァイオリン

メンデルスゾーン 序曲「リュ・ブラス」 作品95

メンデルスゾーン ヴァイオリン協奏曲ホ短調 作品64

ブラームス 交響曲第1番ハ短調 作品68

今回、日本語が得意でない(配布されたプログラムは日本語でしか表示がなかった)、classical musicにもあまり馴染みのない姪と行ったので、多少の不安はあったものの、彼女なりに楽しめたようでホッとした。席は3階最前列中央でたいへんクリアな響きだった。歩くときは手摺壁が低くてちょっと怖いのと、座ったときに丁度手摺の横桟が指揮者の頭と手元に重なるのが難といえば難だったかな。

メンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲は10代~20代前半にはよく聴いて胸が震えたけど、だんだん聴く機会が減っていた。ところが先日ムター+クルト・マズア+ゲヴァントハウスの演奏をNHKで聴いて、ちょっと曲を見直したあとだったので、期待していた。が、あっさり、すらすらと清明に過ぎていき、やっぱりそうか~と。豊嶋コンマスのヴァイオリン・ソロは調子がイマイチのようで、ときどき音が外れるのが気になった。弦楽器全体の音は流麗だった。

ブラームスはコンサートマスターの席に戻ったコンマス、先ほどより楽器の鳴りがよくて安心。さて、アルミンク、ブラームスはお好きなようで、豊穣なハーモニーをロマンティックかつ情熱的に演奏してくれた。またときおり指揮者が大きくブレスする音は音楽と一体化していた。これって、公開収録な訳で、あのアルミンクのブレス音もハミングも録音されたのね、と、微笑ましく思えた。一部取り直しもあったが、客席に向かって振り返り、大きく手を広げて首を傾げて笑いをとるパフォーマンスもあり、非売品らしいが今回のDVD、できたらぜひ見てみたい。

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ショパン ピアノ協奏曲第1番

2010年はショパン生誕200年記念ということで、今から宣伝が盛んだ。

ピアノは好きなのだが、ショパンはどちらかというと苦手な作曲家かもしれない。
ただし、ポリーニが演奏するピアノ・ソナタ3番は好きで時々聴いている。
この曲はアルゲリッチやアンスネスの録音も聴いているが(もっと大勢の人が録音しているだろうけれど、そもそもあまりショパンを聴かないもので・・・)、ふと気付くと、ノイマイヤーの「椿姫」に意識が飛んでしまうという、欠点がある。これと同じ理由でピアノ協奏曲1、2番も、ワルツやバラードその他諸々、私の中ではショパンが「椿姫」と密接に結びついてしまっているためもあって、余計にショパンの曲を聴くことは稀だ。

Maurizio Pollini EditionおまけCDの中に1960年ショパン・コンクール優勝時の協奏曲第1番が入っている。これを聴いていたら、今更ながらポリーニは只者ではなかったと感激してしまった。しかし、録音状態が良くないのと伴奏の(?はずはないのに結果的に伴奏になっている)オーケストラがどうもぱっとしない。

他のものを聴いてみようと、ツィメルマンが20代のときにジュリーニ&ロスアンジェルス・フィルと録音した演奏をiPodで聴きながらバス停に立っていた。すると車が私の前に止まり、窓を開けて何か言っている。道を尋ねられたのだろうと思い、ヘッドフォンを外すと「車に乗っていきませんか?」と知らない男性が言っている。よほど腑の抜けた顔をしていたのに違いない。

腑抜けにされたのは、センティメンタルな演奏のせいだ。
ノイマイヤーの「椿姫」でピアノ協奏曲第1番が使われるのは第3幕において第2楽章なのだが、ジュリーニ版は第1楽章から既に「椿姫」の世界だ。
ノイマイヤーの「椿姫」初演は1981年で、この録音は1978年。もしかしたら、ノイマイヤーはこの演奏を聴いてショパンを使うことを思いついたのではないかと妄想が膨らんでしまった。結局、ショパンやチャイコフスキーが苦手な理由は冷静でいられない自分が嫌だということなのかもしれない。
ツィメルマンはこの録音があまりお気に召さなかったらしく、後年自ら編成したポーランド祝祭管弦楽団を引き振りした演奏を録音してる。雄大で、ピアノの音はツィメルマンらしい煌きを放っている。湿っぽいメロドラマは微塵も感じさせない。確かにこれなら気恥ずかしさを感じずにいられるだろうけど・・・

そのツィメルマンはショパン・アニヴァーサリー・イヤーに向けて、ピアノ・ソナタ2,3番を録音しているようなので、来年のリサイタルはこれらが中心になるのかもしれない。

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Krystian Zimerman Piano Recital 2009 06 10

5/22のさいたま公演から6/10まで、初めの数日は他の人が演奏するバッハのパルティータやベートーヴェンのop.111、ブラームスのop.119を聴いて記憶が上書きされるのが嫌で聴かなかったが、自分の中である程度イメージを保存できた気がするので、その後楽譜を見ながら他の人の演奏を聴いてみた。改めて全く違うと思った。シマノフスキは楽譜がないのでピティナのWeb上で聴けるmp3しか比較できるものがなかったが、やはり同じ曲には聴こえなかった。サントリーホールでのBプログラムはどんな演奏になるのかドキドキしながら待った。
P1000027_2

P1000028クリスティアン・ツィメルマン ピアノ・リサイタル
2009年6月10日 於:サントリーホール

バッハを弾き始めると、この前の音と違う。先日のバッハの音はチェンバロとオルガンが1/4ずつでそこに残り半分ピアノの音を足したような、優しいけれども深い温かい音だったのだが、この音はもっと緊張感があり、ずばりピアノそのものの音。ピアノからの距離は先日とほとんど変わらなかった(十分直接音が届く範囲)と思う。それなのに、ずっと遠くから響いてくるような感覚。さいたま芸術劇場は600席あまり、サントリーホールは2000席あまり、残響時間は0.1から0.2秒程度の差。楽器としてのホールが異なるので、響きが異なるのは当然で、ホールのせいかと思った。でもだんだん、演奏自体のノリが違う、と感じるようになった。
シンフォニアから始まって、アルマンド、クーラントとゆっくりと丁寧な演奏を心がけようとしているのに、心がどこか他にあるような感じ。演奏はだんだんと加速してくるがその後も音色の変化が乏しく、寂しそう。
では演奏がよくなかったのかというと、決してそうではない。宗教色がより強く感じられたというべきか、人間の生々しさが払拭されたというか。
他の人が演奏していたら、あるいは先日の演奏と比べなかったら、こうは思わなかったと思うのだが、どうしても私の意識がそこへ行ってしまって、冷静になれない。

ベートーヴェンの1楽章は時折激しさはみせるものの、押さえがたい怒りとか苦しみといった感じではなく何かもっと深い悲しみがあるようで、この演奏も先日の個性的なベートーヴェンからスタンダード側に舵をきったと思われる。
2楽章までに長い間。瞑想。
楽しかったことを回想しても、思い出は遠くにあって、高揚感に包まれることはない。老成したのか、諦めたのか。

休憩時間に客席を見渡すと1階席でも右側前方と後方に空席が目立つ。チラシには”みなとみらい良席あり”なんて書いてあるし。なんかもったいないと思う。チケットが残ってたら、得チケとか学生席とか出せばいいのにと、いつも思ってしまう。こんな全身全霊をかけた演奏を聴かせてくれる人はめったにいないのだから。

さて、後半。本日のメイン・プログラム。

バツェヴィチのピアノ・ソナタ第2番。初めて聴く曲。1953年に作曲されたものらしいので、ツィメルマン誕生の少し前。前衛的な部分はあるものの、「訳わかんない」というものではなく、素直な感情の流れが感じられる作品。ただ、楽譜もなく初めて聴いた演奏がツィメルマンのものだと、小さな種から枝葉が広がり、花咲き乱れ、たわわに実をつけ、さらに収穫した後の漠とした情景まで描いてしまうことがあるので、作曲家の描きたかった世界がどうだったのかはわからない。もしかしたら、もっと抑圧された怒りを感じるものかもしれない。

いずれにしても、ここまでがシマノフスキへ辿り着くまでの長い序曲。
ここからが凄い。ここまでドラマティックに盛り上げるとは予想していなかった。さいたま以外の会場で演奏を聴いた人たちが、皆一様にシマノフスキが圧巻と言っていた意味が明かされたと思った。
きれいなメロディを奏でるところは同じなのだが、異常に高いテンションで演奏するのに通奏低音では静かに深い悲しみが湛えられている。一台の楽器から異なる感情が同時に流れてくる。まるで合唱つきの交響曲のようにもミサ曲のようにも聴こえる。ピアノはまさにこの曲のために調律され、残響を利用するにはこのホールはうってつけだったのだ。
葬送部分は先日の演奏でも感じたのだが、もしかすると遠くから来た葬列を見送るのではなく、自分自身が祭壇に近づいていくまでの感情の昂ぶりとそこでの祈りと慰安なのではないか、この演奏では後者だという気がした。
この1曲で、この日のそれまでの私の?が全て解決したかというとそうではなく、畏敬の念に打ちのめされた自分と漆黒の闇の中でパンドラの匣を探す自分とをイメージしているのだった。

惜しみない拍手に迎えられたツィメルマン。シマノフスキの演奏には本人も満足したらしく、ピアノに向かって拍手。いつものように両手を広げて感謝の意を表した後もスタンディング・オベーションで呼び出され、胸に手を当てありがとうと一礼してかわいく手を振ってバイバイ。

Image112

蛇足ながら少々苦言。
咳をしたり、くしゃみをしたり、はたまた膝の上からドサッと紙の束を落としたり・・・
気にしないようにしようと思っても、集中力が殺がれてしまう。特に、咳が連続するならハンカチで口を押さえるくらいのことはしてほしいと思う。

ショパンの誕生日とされる2/22にロンドン・フェスティバルホールでリサイタル。ちなみに、もう一つショパン本人が信じていた誕生日3/1にはポリーニのリサイタル。ということで、またまたツイメルマン来日公演は梅雨時にかかるようだ。桜が咲く頃、儚く美しいどこか狂気じみた(でもたぶんヨーロッパほどではないと思う)日本の春を彼は気に入るのではないかと思うのだが。

実は「ラプソディ・イン・ブルー」はまだ、行こうかどうしようか迷ってるのだ。ツィメルマンはガーシュインを好きなのはわかる。『ワルシャワの覇者』でもジャズの演奏(セッション?)をしたのを知らないなぁ、なんてとぼけている場面があったしね。
でも、6日にオーチャードホールで『BEING GIDON KREMER』聴くのに、その2日とか3日前にツィメルマンは正直聴きたくないのだ。お笑いとはいえ、クレーメルの音楽世界を純粋に楽しめなくなるのが怖い。
それくらい彼の表現世界はディープで強烈。

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CD,DVD 1

重量級のピアノを聴いて疲れたので(しかし、コンサートピアニストという職業は体力も気力も生半可な人には務まらない。ツィメルマンはキングコングのようだなぁ、なんて思ったりして。怒られそう・・・。いえ、スーパーマンでした。)少し頭と心を休ませようと思い、古いバレエのDVDとバレエ音楽のCD数本と買ってそのままになっていたCDを少しずつ聴いてみた。

まずキーロフ・クラシックス スターの競演<上巻><下巻>
1991年スタジオ収録
芸術監督 オレグ・ヴィノグラードフ
ヴィクトル・フェドートフ指揮 マリインスキー劇場管弦楽団

『レ・シルフィード』(ショピニアーナ)
アルティナイ・アスィルムラートワ
コンスタンティン・ザクリンスキー

ザクリンスキーはさすがに若者には見えないが、アスィルムラートワとのパートナーシップがよく、安心して観ていられる。ショパンをバレエ音楽に使ったのが初めてかどうかはわからないが、有名になったものはフォーキンのこの演目とノイマイヤーの椿姫だろう。フォーキンはショパンのメロディーの美しさとサロン音楽としての踊りやすさを利用してなんと牧歌的な振付をしたことか。ノイマイヤーがショパンの持っていた情熱と悲劇性を利用したのとは対照的。何も考えずに頭を休めるにはノイマイヤーは重いから、こんなときには丁度良い軽さ。
この収録年の1991年、アスィルムラートワは英国ロイヤル『ラ・バヤデール』に客演しニキヤを熱演している。熊川哲也がブロンズ・アイドルで出演してる例のもの。

『ペトルーシュカ』 ヴィノグラードフ版
セルゲイ・ヴィハレフ

『火の鳥』にしろ『ペトルーシュカ』にしろ『春の祭典』にしろストラヴィンスキーの音楽を初めからバレエ音楽として知っている私たちの時代とは違って、20世紀初頭の人々にしたら斬新だっただろうという痕跡は残っている振付。ソ連の崩壊が1991年12月だからもう体制批判しても大丈夫と妙に安心して振りつけた気がする。1931年に初演されてから2006年にラトマンスキーが再振付するまで上演されなかったショスタコーヴィチの『ボルト』を思い出す。
ヴィハレフはキーロフのダンサーにしては大柄ではないが、腕や指先の使い方表情の付け方はさすがに美しい。

『海賊』より パ・ド・ドゥ
リューボフィ・クナコワ
ファルフ・ルジマートフ

この頃のルジマートフを観たかった。。。
でも、アリ(1989)やバジル(1986)、ばかりでなく他の全幕演目もキーロフの映像をもっと残して欲しかった。眠れる森の美女の王子デジレ(1989)なんて見せ場が少なくて。

『アダージオ』
音楽:サミュエル・バーバー
振付:ヴィノグラードフ
エレーナ・エフチェーエワ
エリダル・アリエフ

二人のスタイルのよさは際立っているものの、宇宙人のような衣装とこの振付理解できない。組み体操のようにするならもっとラジカルなほうが良いし。

『人形の精』
ラリッサ・レジュニナ
ドミトリー・グルジェフ
ヤロスラヴ・ファデエフ

レジュニナが嵌役。可愛らしい!!しかも眠れる森の美女でのオーロラのときよりも上手。道化の二人も安定したテクニックを見せてくれるので、楽しめる。

『マルキタンカ』パ・ド・シス
音楽:チェーザレ・ブーニ
振付:アルチュール・サン=レオン
セルゲイ・ヴィハレフ
エレーナ・パンコーワ
イリーナ・シトニコワ

パンコーワのリズム感、安定したテクニック。派手なことをしなくてもすぐに彼女だと分かるお手本のような動きと形。彼女が主役の全幕が見たかった。

『パキータ』
ユリア・マハリナ
イーゴリ・ゼレンスキー

二人とも若くて、美しい。マハリナの生き生きとした踊りは生の喜びに満ちていて結婚式にぴったり。パリ・オペラ座のルテストュとマルティネスの優雅さとはまた違った趣で良い感じ。
パ・ド・トロワで上手なのはロパートキナ?えっ、パンコーワ、シトニコワ、シチェリンと書いてある。ヴァリエーションはゼロンキナ、クナコワ、レジュニナ(この顔はさっきも見てるからわかる)、コルツン、イワノワ。さすがに1991年入団のロパートキナはまだ出演してない?

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クリスティアン・ツィメルマン Bプログラム

ジャパン・アーツからBプログラムが発表になった。

[プログラム B]
J.S.バッハ:パルティータ第2番 ハ短調 BWV826
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ 第32番 ハ短調 作品111
バツェヴィチ:ピアノ・ソナタ第2番
シマノフスキ:ポーランド民謡の主題による変奏曲 作品10

ブラームスがバツェヴィチに入れ替わっただけ。
バッハは何かな?ブラームスは?なんて考えてたのが、見事に・・・
シマノフスキがあまりに好評なので、プログラムの構成をなるべく動かさないようにしたのかしら?私はブラームスが一番よかったのだけど。バツェヴィチのピアノ・ソナタは7月にCDが発売になるのでしたっけ?

今度のサントリーホールは先行発売で席がどこになるか分からずにとったのでいまいちな感じはあるけど、右側のほうがピアノの音はきれいだと思うので先日の音との違いを楽しんで来よう。

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Krystian Zimerman 2009.05.22

200952219:00開演 於:彩の国さいたま芸術劇場

Program A

J.S.バッハ:パルティータ第2番 ハ短調 BWV826

      第1曲 シンフォニア

      第2曲 アルマンド

                第3曲 クーラント

      第4曲 サラバンド

      第5曲 ロンド

      第6曲 カプリッチョ

ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第32番 ハ短調 Op.111

ブラームス:4つの小品 Op.119

      第1曲 間奏曲 ロ短調

      第2曲 間奏曲 ホ短調

      第3曲 間奏曲 ハ長調

      第4曲 ラプソディ 変ホ長調

シマノフスキ:ポーランド民謡の主題による変奏曲 Op.10

*************************

まだポリーニの音の余韻が残っていて、身体の深奥からポカポカと暖められている私は、軽い疲労も心地よく穏やかな気分で会場へと向かう。

今日は初めてツィメルマンの演奏を体験する母を同伴。

バッハのパルティータ第2番は初めの1音から一撃ともいうべき強音でありながら計算された丁寧な響きを作り出し、次々と高速で重ねられる響きの中に遊び心が繰り出される。子供のときバッハが苦手だった私がもしこんな演奏を当時聴いていたら、練習が好きになっていたかもしれない。

と、気分が高揚してきたところでベートーヴェンのソナタ32番。音の塊で後頭部を連打されたような感じだったが、次第にその刺激に慣れてくる。痛みを我慢しているうちに次第に感覚が麻痺して恍惚状態に陥るよう。地獄の門を前にして自分の境遇を忘れてそれに魅入られた芸術家といった趣の第1楽章。一転幸福感に包まれる第2楽章ではすっかりトリップしてしまったのか、はたまた燃え尽きた命を大勢の天使が迎えに来て、無事天国へと召されたのか。この曲はどこかクレーメルの演奏を想起させた。エルンスト作曲『シューベルト〈魔王〉の主題による大奇想曲』とかベートーヴェン作曲『〈フィガロの結婚 伯爵様が踊るなら〉の主題による12の変奏曲』あるいはクプコヴィッチ作曲『SOUVENIR』といった世間では好き嫌いが分かれるかもしれないが私は大好きな(もちろんクレーメル自身が好んでする)演奏の数々。

後半、ピアノは前半と全く変わりがないはずなのに、ブラームスOp.1191曲で音ががらりと変わる。この透明感は聞き覚えがある。2007年のサントリーホール、ブラームスのヴァイオリンソナタ第2番のピアノのでだし。頭の中で、クレーメル、ツィメルマン、シューマン、クララ、ブラームスが踊り始める第2曲。専門的なことは分からないが、第3曲、第4曲を聴くと私はシューマンの『ウィーンの謝肉祭の道化』とか『ダヴィッド同盟舞曲集』を思い出してしまうのだが、このときは完全にシューマン、クララ、ブラームスの3人の世界へと没入。このアンドレ・ジッド作「狭き門」の主人公ジェロームのごとき青年ブラームスに対して、アリサより成熟した大人だったクララと、更に大人であり続けねばならなかったシューマンとの関係を回想する晩年のブラームスを諦観よりも熱い情熱で表現するツィメルマン。実は私はこの人の激しさをこの曲で最も感じたし、この日一番好きな演奏だった。

そしてシマノフスキ。ステージ袖から出てきて椅子に腰掛けるとちょっと咳き込むツィメルマン。そんな姿を目にしたせいか、私もなぜか喉がいがらっぽく感じられ息苦しかった前半。しかし徐々に描き出される世界に引き込まれそんなことを忘れた。祖国の作曲家の作品に込める思いというのは特別なものがあるに違いなく熱演だったと思う。葬送行進曲で葬列が遠くからだんだん近寄ってきて去っていく遠近感や美しさはすばらしい。また繊細なメロディがどんどん豪快で壮麗な響きへと変化していく様は爽快感があった。

鳴り止まない拍手に何度もカーテンコールで呼び出されて最後は、ポケットから小さなマスクを取り出してかける真似をして笑いをとり、お茶目な笑顔で終了。そういえば、数日前のマエストロ・ポリーニはピアノにも拍手をというジェスチャーを見せて満足そうに微笑んでいた。会場にツィメルマンも来ていたようで、あの幸福なひと時を聴衆の一人として共有できたのかと思うと、うれしい。

どの曲もかなり高速で飛ばすところはあっても激情に駆られて破綻することなくしっかりと構成された演奏であったと思う。また、異なる作曲家の作品を時代を追って並べたので、曲が変わる毎にピアノの音の雰囲気ががらりと変化し非常に面白かった。母は「この感動をなんと表現していいかいろいろ考えたのだけど」と前置きした上で「酒米を60%も削って作る純米大吟醸のように香りが豊かで雑味の無い音だった」と言った。我が家にいる間に、いろいろな日本酒を舐めてそのおいしさに開眼した人らしい言葉だった。

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2009.07.02 追記

「音楽の友」7月号にクレーメルへのインタビュー記事が掲載された。その中で印象に残った言葉が『--私にも好き嫌いはありますし、---例えばシューマンとブラームスに同じように接することができるかというとそれは違います。---私はブラームスにはシューマンほど愛着を感じません。また、ベートーヴェンとシューベルトでは、シューベルトにより愛着を感じます。--』

クレーメルのそういった愛着はなんとなく感じられるし、おそらくツィメルマンはブラームスにより共感を覚えてきたのだろう。たぶんそういう指向性というか気質が感じられるので、op.119の第2曲のワルツで踊るクレーメルとツィメルマンが見えたのではないかと、妙に納得してしまった。それと同時に、2007年のスーパーデュオのブラームスプログラム世界ツアーは(何が本当のきっかけかは知る由もないが)ツィメルマンのためにクレーメルがプロデュースしたのではなかろうか、とさえ思えてきた。

クレーメルという人は実生活における愛憎よりも、音楽家としてのあるいは芸術家としてのシンパシーを優先させる(少なくともプロフェッショナルとしては)人だと思うので、そういう少し屈折した理性の在り方がシューマン的で、それだけに内部へ押し込められた感情が思いがけない形でひょいと顔を覗かせるのだろうと思う。

一方、ツィメルマンは憂いのあるブラームスの内向的表現はこれまでも長けていたが、今回の演奏を聴くと、より型に嵌らない自由な表現へと向かっているように感じる。次回以降の演奏はガーシュウィン、ショパンと続くようだが、いつかシューマンの「暁の歌」を聴きたい。

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公演各種 リサイタル、薪能、など

先週は19日がポリーニ・リサイタル、22日がツィメルマン・リサイタル、23日が薪能鑑賞で、母が1週間滞在していたので何かと忙しかった。

ツィメルマン・リサイタルの感想は現在まとめている最中。

薪能は、「羽衣」(なんか途中端折っていたような・・・)1曲だけで雷雨のため中止。ひどい。全部とは言わないが、返金して欲しい。2002年千駄ヶ谷での薪能は(国立競技場ではイタリア代表チームとアントラーズが練習試合をしていた)雨が降っている中でも最後まで舞い続け、後からお詫び状と次の定期公演のチケットを送ってきてくれたけど。。。

そんな中、世界バレエフェスティバルのチケットが送られてきた。「高い!」と文句を言う家人に「良い席でしょ?」と無理やり同意を求める。ついでに11月のクレメラータ・バルティカとイグデスマン&ジュー(二人ともメニューイン・スクール出身とのことで、もちろん単なるお笑いではない。だからこそ、クレーメルが目をつけたのだろうけど。)の『BEING GIDON KREMER』のチケットも確保。笑いと映画音楽でクレーメルの半生をたどる、とあるが、CD『LE CINEMA』からだけでなく、だれでも親しみやすく且つ優れた映画音楽を演奏してくれるのだろうと期待。これまで散々TV、ビデオ、DVD、CDなどではその演奏を聴かされている家人が初めてクレーメルの生の音に接するにはちょうど良い企画かと。クレーメルのことを猪熊虎五郎と呼び(私はその人を知らないのでなんとも言いようがないが・・・)、親しみを感じている様子(?)だが、実際にその音楽に接したときの感動を共有できたらと思う。ロックやジャズのライヴも編集済みの録音や録画とは当然異なるけれど、これらは単純に音に関して言うと編集されたものの方が聴きやすいことが多い。ところが優れたクラシック系の音楽の場合、特にクレーメル級になると生の音の迫力と繊細さは格別。ジャン・リュック・ポンティ(家人が好き)とはテクニックも表現世界も全く違う!!驚くに違いないと踏んでいる。

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マウリツィオ・ポリーニ ピアノ・リサイタル

2009年 5月19日 19:00開演 於:サントリーホール

シューマン ピアノ・ソナタ第3番へ短調op.14
       (管弦楽のない協奏曲)

シューマン 幻想曲ハ長調op.27

シェーンベルク 6つのピアノ小品op.19

ウェーベルン ピアノのための変奏曲op.27

ドビュッシー 6つの練習曲(練習曲集第2集)
   7.半音階のための
   8.装飾音のための
   9.反復音のための
  10.対比的な響きのための
  11.組み合わされたアルペジオのための
  12.和音のための

アンコール

ドビュッシー 前奏曲集第1巻から 沈める寺

ドビュッシー 前奏曲集第1巻から 西風の見たもの

リスト 超絶技巧練習曲集から第10番へ短調

****************************

シューマンのピアノ・ソナタ第3番は優しい気持ちが溢れていて、シューマンの温かな人柄と現在のポリーニがシンクロしているように感じた。次の幻想曲の冒頭はこれから若いクララには不安なこともあるかもしれないけれど、いつでも僕(ローベルト)がついているから心配しないで、という風に、あるいは、ポリーニからの若い人たちへの応援歌であるようにも聴こえた。全編を通してあふれる愛する気持ちに切なくなったり、癒されたり、まるで歌劇「ローベルト・シューマン」byポリーニ といった感じで、ひとりでに涙がこぼれる場面が幾度かあった。

ただ、私の席が1階の後部中央で2階のバルコニーが被っているところだったので、音響的にどうもこもった感じがして残念だった。

休憩に入り、ホワイエでCDなどをみてからホールに戻るとファブリーニ氏と思しき方が調律していた。緊張感のある中音域を作ろうとしているようだった。思わず近くによって見てきた。ピアノはスタインウェイとは書いてあったが、ファブリーニとは書いてなかった。

後半、静寂の中に音を一つ一つ配置していくかのようなシェーンベルクは先ほどの調律のおかげか私の席でも十分に明瞭な響きで届き、まるで華道家が鋏を持って余分な枝を落としながら空間(宇宙)を作り上げていくようだった。ウェーベルンは大自然の中で繰り広げられる環境芸術のようで、身体の芯奥から発熱していくのを感じた。ウェーベルンの無調音楽がこんなに熱く感じられたのは初めてだった。ところが、予想はしたものの、この新ウィーン学派の2曲で聴衆の緊張感が途切れて、静寂が保たれなかったのは非常に残念だった。

一転、ドビュッシーのエチュードになると、急に聴衆の親近感が増したのが分かる。実際のところ、練習曲は前奏曲集のように物語性のあるタイトルが付いている訳ではないのに、まるでホビットの冒険、『指輪物語』が始まったかのような展開で、トールキンでなくとも、『長靴下のピッピ』のリンドグレーンでも、『トム・ソーヤの冒険』のマーク・トゥウェインでも、はたまた『スタンド・バイ・ミー』のスティーヴン・キングでもこの演奏を聴いたらきっとイマジネーションが膨らんだのではないかと思われる、様々な自然や超自然の光景が色鮮やかに流れていく。すばらしい!!前半に比べ音量も明瞭度も上がって、こんな体験を出来たことに感謝感激、「マエストロ、ありがとう!!」

アンコールの2曲は期待通りのドビュッシー プレリュード
『沈める寺』はモン・サン・ミシェルというより大伽藍(私的にはタージ・マハル)が宇宙の彼方から現れたように聴こえた。スケールの大きな演奏。
『西風の見たもの』これもすばらしい!なんかだんだんスケールアップしてくる演奏に高まる鼓動。

極めつけがリストの超絶技巧練習曲。正直言ってこれまでリストの音楽はなんか感動できなくて、派手な技巧を見せびらかして下品じゃないかとも感じていた。しかしこの夜のポリーニの演奏には聴衆への、そして音楽の神様への愛が溢れていた。わたしは、ただそこにあって至福に身を委ねていた。

場内が明るくなっても、総立ち。万雷の拍手。
来年は来日するだろうか?そんなことを考えながら、しばらく余韻に浸りたい。
正面ロビーのスプリンクラーが故障して水浸しになったのは、ホールも感涙を流したのだろう。

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ラ・フォル・ジュルネ 2009

今年のテーマは「バッハとヨーロッパ」

5/3 東京j国際フォーラムは朝から大勢の人と食べ物の匂いでむせ返るようだったが、コンサート自体は楽しく過ごすことができた。

No.132 ホールB5 ボリス・ベレゾフスキー
     J.S.Bach ゴルトベルク変奏曲
     ロシアの熊さん、小さな会場(256席)にあわせ、ペダルはあまり踏まず曲を優しくまとめあげ、聴くものをメルヘン世界へと誘ってくれた。壁のアクリル製の白い反射板が障子の様で、視覚的な落ち着きを与えていたことも相乗効果をあげていたと思う。
     演奏が終わり、暖かい拍手に迎えられた熊さんと何度か目があった(気のせい?)。

No.153 ホールD7 シュ・シャオメイ
     J.S.Bach 「平均律クラヴィーア曲集第1巻」より前奏曲とフーガ
     以前から気になっていたシャオメイのピアノ、彼女はペダルを踏んでも音が濁らず飾らない透明で清らかな音が、時に優しく、時に厳しく、精神世界を描いていた。それは神のものではなく、神を求める人間のものであったと思う。アンコールにゴルトベルク変奏曲のアリアを演奏したが、先ほど熊さんの演奏を聴いたばかりだったので、彼女の持つ精神性がより強調された気がした。
     このホールは開場時に係員さんがハンドベルの演奏で迎えてくれて楽しかった。

No.176 G409 イド・バル=シャイ
     F.クープラン 「クラブサン曲集」より
     鼻歌を歌いながら演奏するバル=シャイ。紡ぎだす響きは綺麗で、アットホームな雰囲気なのに、なぜか演奏者と聴衆に一体感が生まれない。演奏開始時刻が遅れたためか、終わりの時刻を気にしてそわそわする人がいたせいかな。気の毒。
     ピアノではなく、チェンバロで聴いてみたかった。

No.157 ホールD7 タチアナ・ヴァシリエヴァ 勅使河原三郎
     J.S.Bach 無伴奏チェロ組曲第2番、第5番
     今回もっとも楽しみにしていた演目。
     ヴァシリエヴァのチェロは安定した技巧でダンスの鼓動とチェロ奏者の空気を吸い込む音が一体化し、文字通り息のあったパフォーマンスだった。普通、バレエなど演奏者がオーケストラピットに入ってしまい見えないが、同じ舞台に立つことで能や歌舞伎などの日本の伝統芸能が思いおこされた。勅使河原のダンスは独特な動きで、バレエや日本舞踊とも異なり、どちらかというと太極拳のような中国拳法や空手の型に似ていると思った。呼吸の間合いを大事にしているところもそういった武道に通じる気がする。近くにいた人が、「ジョン・ノイマイヤーがマーラーやバッハの曲を使うけど、ノイマイヤーよりもむしろバッハはこのような抽象表現があっているように感じた。」と話していた。その意見に頷く気にはなれないが、バッハの音楽が描く精神世界は必ずしもキリスト教だけに通じるものではないのだということは感じられた。
      開場時のハンドベルの演奏曲は先ほどとは異なり、係員さんの腕もいろいろでおもしろかった。

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カザルスホール

今年の2月に日本大学から2010年3月でカザルスホールを閉鎖すると発表されたが、現在のところお別れ公演ともいうべき3/29「ハギモトハルヒコ夢コンサート’10」が企画されているとのこと。小澤征爾、今井信子、堀米ゆず子らが参加予定。(「音楽の友」2009年5月号より)

日本大学の再開発プランがいかなるものかわからないが、ぜひともこの建物を(せめてホールは)残す方向で考えて欲しいものだ。大学だけで出来ないなら、公共団体や企業を巻き込んでも知恵を出し合い、性急に安易な答えを出さないで欲しい。

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福井敬 テノール リサイタル

2009年4月25日(土)
彩の国さいたま芸術劇場 音楽ホール

Jpg

  • 【アンコール】
  • ロッシーニ:踊り
  • ビキシオ:マリウ 愛の言葉を
  • 義母の付き添いで聴いて来たが、すばらしい美声でよかった。TVなどではよく聴くが、生で聴いたのは初めて。行ってよかった。

    ご本人はプッチーニが得意とのことだけあり、またドラマティックで有名な曲でもあるので”誰も寝てはならぬ”は盛り上がったが、私は前半のモーツァルト「コジ・ファン・トゥッテ」と後半の出だしヴェルディ「椿姫」が良かった。館内は熱烈なファンが多く来場していたようで、大変気持ちよく歌える雰囲気だったと思う。アンコールはステージを降りて客席を一周した。

    9月5日 カザルスホールである福井敬さんのコンサートに行きたいという義母のため、福井敬.netからチケットを申し込んだ。希望の席を取ってくださるとすぐに返事を頂きありがたかった。

    ***********************

    ところでカザルスホールは以前は主婦の友ビルだったものを日本大学が買い取りその後は日本大学カザルスホールだった。ところが日本大学がホールの閉鎖を発表したので、磯崎新設計のこのホールはこのコンサートが見納めになりそうだ。今後の運用方針は発表されていない(と思う)。

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    クリスティアン・ツィメルマン 11/4 サントリーホール ラプソディ・イン・ブルー

    パ-ヴォ・ヤルヴィ指揮シンシナティ交響楽団との共演でラプソディ・イン・ブルーのチケットは一般発売が4/25から。プレリザーブが4/17から。
    NHKで放送された2006年のリサイタルでのアンコール ガーシュウィン3つの前奏曲はなかなか気に入っていたので、ラプソディ・イン・ブルーもパワフルでウィットを効かせた演奏を聴かせてくれそうです。

    こんなお知らせが入った頃に、やっと壬生中央公民館のホームページに6月6日の案内がでました。全席自由で5,000円。武蔵野市民文化会館同様安いです。プログラムはAかBか分かりません。所沢はAプロのようですね。サントリーホールのBプロはバッハとブラームスの曲目がまだ発表されていません。

    ポリーニのサントリーホールでのチケットはショパンプログラムもシューマンプログラムも完売したようですが、大阪(ショパンプログラム)はまだ残席があるようです。

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    クリスティアン・ツィメルマン さいたま芸術劇場 曲目決定

    5/22 演奏予定曲目

    J.S.バッハ パルティータ第2番 ハ短調 BWV826

    ベートーヴェン ピアノ・ソナタ第32番 ハ短調 作品111

    ブラームス 4つの小品 作品119

    シマノフスキ ポーランド民謡の主題による変奏曲 作品10

    さいたま芸術劇場からのアーツシアター通信no.20に同封されたチラシによる。シマノフスキはどんな曲か分からないが、それ以外は、渋いというか哲学的な選曲。バッハのパルティータが華やかに聴こえる。技巧的難易度が高い曲でしかもどんどん感情が沈潜していくような気がする。

    ポリーニにしてもツィメルマンにしても私が聴く日はミケランジェリが晩年演奏したような選曲だ。少し、心構えが必要だな。

    5/22は母を連れて行くのに、ベートーヴェンもブラームスも作曲家がほとんど最後に書いたピアノ曲で、この選曲は暗い!困った。どうか、最後は華やかな曲をお願いします。

    ****************************

    ジャパン・アーツの発表によるとサントリーホールのAプログラムがこれと同じ。
    サントリーホールはBプログラムのほうに行くのでこちらはまだバッハとブラームスが未定。ベートーヴェンとシマノフスキは同じ。所沢は曲目の発表がまだないところをみると、Bプログラムかな。壬生がまだチケット発売のお知らせもインターネットには出ていないけど、直接会場に電話したほうが早いかもしれない。

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     錦織健プロデュース 「愛の妙薬」

    ドニゼッティ「愛の妙薬」 
    2009年3月14日(土) 17:00開演 於:大宮ソニックシティ

    アディーナ     森 麻季
    ネモリーノ     錦織 健
    ドゥルカマーラ   三浦 克次
    ベルコーレ     大島 幾雄
    ジャンネッタ    田上 知穂
    音楽監督・指揮  現田 茂夫
    管弦楽       ロイヤルメトロポリタン管弦楽団
    合唱         ラガッツィ
    チェンバロ       服部 容子

    ソニックシティは多目的ホールのため間口が広く奥行きが浅い。席は1階15列と音響的にはホールの中ではもっとも良いはずの席であったが、舞台の前方に出てきて歌う分には声が前に向かってきていいのだが、緞帳よりも少し後ろに下がると声が舞台上部に抜けてしまい、客席に向かう音が減衰してしまう。日本人歌手はどうしても声量が足りないので、そのあたりは演出する際に考えたほうがいいと思う。

    このホール、Kバレエカンパニーが時々使うが、確かにゆうぽーとのように、舞台が近いのでバレエにはいいのかもしれない。

    オーケストラはそつのない演奏で可もなく不可もなかった。

    錦織健のファンの義母に付き添って行ったコンサート。
    彼の出演するコンサートにつきあった初めてが、2007年ミューザ川崎でのモーツァルト「レクイエム」。このときは義母もあまり感心していなかったようだ。次が昨年オーチャードホールでのバーンスタイン&ガーシュウィンプログラム。義母は、健ちゃんが歌った「ウェスト・サイド・ストーリー」よりも「サマータイム」と歌った中野翔太と山下洋輔が演奏した「ラプソディ・イン・ブルー」にいたく感激していた。そして今回3度目の正直なるか?(私は3度目だが、もちろん彼女はもっとたくさん聴いている)健ちゃん、座長公演だけあっていきいきとしたパフォーマンスで声も出ていたようでよかった。前半はときおり眠気が襲ってきて、困ったが、後半は会場にも慣れて(出演者も私も)声が聴こえた。義母は大満足で、チケットを取ってあげた私としてはホッとした。

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    所沢市民文化センター ミューズ

    クリスティアン・ツィメルマン(この人の名前を日本語表記するときはいつも悩む。所沢市民文化センターでも武蔵野市民文化会館でもさいたま芸術劇場でもクリスチャン・ツィメルマンとの表記でジャパン・アーツに倣っている。)のピアノ・リサイタル チケット発売はメンバーズが既に始まっていて、一般は3/11から。ツアーの最終日で、クレーメルとのデュオのときも所沢での最終日のパフォーマンスが一番良かったらしいので(うちから所沢は気分的に遠くて、)まだ迷っている。ここでのチケット(S席7,000円)は武蔵野市民文化会館(S席6,000円昨年11月予約開始したので年内には売り切れ)についで安い。

    ここの公演をながめていたら、ツィメルマン・リサイタルの直前6/14はマルティン・シュタットフェルトで既にチケットは発売中。S席2,500円 安い。他の会場はないのかと思ったら、すみだトリフォニーホールでS席5,000円でこちらも発売中。どちらの会場も演奏曲目は平均律クラヴィーア曲集第1巻。杜のホールはしもとではゴルトベルク変奏曲で3,500円、こちらも発売中。

    主催者がどこかでチケット料金に差が生まれる。安くて良い演奏が聴けるなら、多少遠くても出かけたくなる。もちろんホールと演奏と自分自身との相性も大事。

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    レーラ・アウエルバッハ

    「人魚姫」の音楽に感動したので、聴きなおしたいと思っていたがどうもCDは出ていないようで、アウエルバッハのホームページで彼女の作曲した曲やピアノの演奏を視聴できるので順番に聴いていった。(彼女の書いた詩の朗読もある。)

    作曲もすばらしいのだが、ピアノの演奏もすばらしい。誰もが知っている「展覧会の絵」は今まで聴いたことのない神秘的音色でときとしてグロテスクだったり滑稽だったり、絵を見て歩く主人公の感情の揺らぎが表現されていて、新鮮だった。テンポも装飾音も変幻自在で、やはり演奏家であると同時に作曲家なのだと思った。私の手元にあるCDでアシュケナージの演奏と比べると、アシュケナージ版が奥行きがなくて平板に聴こえる。

    読売新聞の「人魚姫」評には音楽がダンスに合っていなくて残念だったというようなことが書かれていたが、日本では初演だったので馴染めない人がいても仕方がないかもしれない。耳に馴染みのない曲はなかなか親近感を持ちにくいのだろう。感受性は人それぞれだ。

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    ポリーニ・リサイタル 曲目決定

    梶本音楽事務所からお知らせがきた。

        ▼マウリツィオ・ポリーニ ピアノ・リサイタル
         公演日:2009/05/15(金)・2009/05/19(火) 19:00開演
         会場 :サントリーホール 大ホール

    本公演の曲目が、下記のとおり決定いたしました。
    皆様のご来場を、心よりお待ちしております。

    ---------------------------------------------
    【5/15(金)】
    《ショパン・プログラム Chopin Program》

     前奏曲 嬰ハ短調 op.45
     バラード第2番 ヘ長調 op.38
     ピアノ・ソナタ第2番 変ロ短調 op.35

          ***

     スケルツォ第1番 ロ短調 op.20
     4つのマズルカ op.33
     子守歌 op.57
     ポロネーズ第6番 変イ長調 op.53 「英雄」

    【5/19(火)】

     シューマン:ピアノ・ソナタ第3番 ヘ短調 op.14
     (管弦楽のない協奏曲)
     シューマン:幻想曲 ハ長調 op.17

          ***

     シェーンベルク:6つのピアノ小品 op.19
     ウェーベルン:ピアノのための変奏曲 op.27
     ドビュッシー:6つの練習曲(「練習曲集」第2集)

    -----------------------------------------------

    ショパンプログラムはミケランジェリの1960年代のライヴ演奏CDの曲と同じだ。

    シューマンプログラムの19日は後半がシェーンベルク、ウェーベルン、ドビュッシーと近現代もの。
    ショパンのピアノソナタ2番聴きたいな。15日のチケットもとればよかった。新ウイーン学派のピアノ曲ってあまり聴いたことないなぁ。予習しなくては。

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    エリック・クラプトン & ジェフ・ベック in さいたまスーパーアリーナ

    Image14

    金曜日のNHKワールド・ロック・ライブで放送された2007年ロニー・スコッツでのジェフ・ベック・ライブを観て、ベースの若いタル・ウィルケンフェルドが小さくてかわいいし、ジェフ・ベックといい感じだったので、楽しみにして出かけたさいたまスーパーアリーナ。早めに着いたが、既にかなりの人出で賑わうさいたま新都心駅前。初めてのさいたまスーパーアリーナは武道館や千駄ヶ谷の東京体育館より大きくて、入り口Nゲートまでが遠い。東京ドームのほうが駅からのアクセスは便利だし、後楽園やホテルで囲まれた広場なども感じが良い。

    第1部のジェフ・ベックは楽しかった。特にウィルケンフェルドとのまるで親子のような連弾は。連れはおじいさんと孫だと言っていたが、ジェフ・ベックは遠目には実年齢よりもかなり若く見える。TVの放送とは違って、ベースの音が直接身体を振動させるくらいの音量だったので、この連弾が単なる余興には思えない。しかし、本当にかわいがっているんだなぁ。終始機嫌が良くて、最後は後ろを振り返りながら手を振っていた。

    長い休憩を挟んで第2部のクラプトンはアコースティックもエレキもギターの音も心地よく感じられ、大音響の中眠気が・・・無理をして起きることもないので、半分夢のなか。そしてクラプトンバンドにジェフ・ベックが合流する形で第3部。二人のギターの音色や音のとり方の違いは興味深かったが、ウィルケンフェルドが出てこなくて残念。

    4階で急勾配の座席は怖い。チケットを取ったのが遅いから仕方ないが、これでS席ってどうなの?確かに大音響は床も身体も振動させて迫力あるけど、ステージがあんな遠くて17,000円は高いよねぇ。オールドファンが集まったのは、若い人が行きたくてもチケットが高すぎたのも一因じゃないかしら。さいたまスーパーアリーナは約2万人が入ったらしい。サントリーホールの約10倍の客席を確保して、ツィメルマンやキーシンとほぼ同じ金額とるのはプロモーターのぼったくりじゃない?ミラノスカラ座の「アイーダ」公演inNHKホールはS席が67,000円で高い!!と思っていたけど、このジョイントライブに比べたら安いのではなかろうかと思えてきた。シュツットガルト・バレエ「オネーギン」18,000円やハンブルク・バレエ「人魚姫」23,000円もこれに比べたら良心的価格設定だった。破格、ラ・フォル・ジュルネは客席150から250席で4つ取ったチケットの合計が9,000円。

    帰りは混雑が予想される新都心駅ではなく、Nゲートから近いと思われた北与野駅へ。混雑はしていなかったが、思ったほど近くはなかった。4階から外階段を延々と下りるとき、併設されたスロープを利用する人が、「上と下にわかれるの?」と不安がっていた。階段もスロープも行き先は同じだと分かるサインなり案内があったほうが親切。外階段にしては、踏面が小さいので、非常時に大勢の人が避難するには怖い気がした。

    いろいろ文句を言いながらも、久しぶりにクラシック以外の演奏を楽しんだ。WOWOWで放送があるのかしら?

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    ラ・フォル・ジュルネ2009

    Webはしご買いは2/21(土)12:00スタート。スタートと同時にいっせいにアクセスが集中して、予想通り、なかなか申し込みが完了しなかったが、15分かけて終了。無事5/3の4公演を確保した。毎年あるこの企画、チケットが格安でうれしい。

    ●ボリス・ベレゾフスキー
      バッハ ゴルトベルク変奏曲
      ホールB5

    ●シャオメイ・シュ 
      バッハ平均律クラヴィーア曲集 第1巻より 
      前奏曲とフーガ 第1,2,8、9、10、12、3、4、5番
      ホールD7

    ●タチアナ・ヴァシリエフ 勅使河原三郎
       バッハ無伴奏組曲 第2番、第5番
       ホールD7

    ●イド・バル=シャイ
       クープラン「クラヴサン曲集」
       G409

    このチケットがとれて安心してからさいたまスーパーアリーナへ向かった。

    ************************************************

    本日まだWebはしご買いは受付中だが、やはり客席数の少ない小さな会場はほとんど売り切れ。この後、一般販売があり、Webとは別に用意しているとの事だが、その割合は発表されていない。扱っているプレイガイドはぴあ、東京国際フォーラム特設ボックスオフィス、e+、ローソンチケット、ampm CNガイド、JTB(ホールAのみ扱い)と窓口は分散されているが、どこのプレイガイドがどれだけ席を確保しているかもわからない。3/15はまたまた争奪戦になりそう。

    今回はしご買いして、とりあえず椅子は確保したが、チケットを郵送してくるまでどの席が割り振られるかはわからないが、150席とか250席しかないので、最前列でも最後列でも両サイドでも楽しめるだろう。

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    上原彩子 ピアノ・リサイタル

    2009211日 於:サントリーホール

    プログラム

    ●一柳 慧 ピアノスペース

    ●グリーグ 叙情小品集より
       第1集 第1曲 アリエッタ op.12-1
       第8集 第6曲 トロルドハウゲンの婚礼の日 op.65-6
       第9集 第4曲 山の夕べ op.68-4
       第9集 第5曲 ゆりかごの歌 op.68-5
       第10週 第6曲 過ぎ去りて op.71-6

    ●グリーグ ピアノ・ソナタ ホ短調 op.7

    ●グバイドゥーリナ シャコンヌ

    ●プロコフィエフ ピアノ・ソナタ第8番 変ロ長調 op.84

    アンコール

      リスト 愛の夢 第3番 変イ長調

      リスト 「超絶技巧練習曲」より 鬼火

      ラフマニノフ 前奏曲 op.23-5

    私が一番よかったと思ったのはグバイドゥーリナ。あの曲を暗譜して弾けるなんてすごい。(と、妙な感心の仕方かもしれないが)技巧的に最も難しいのがどれかというよりも、このシャコンヌにしてもプロコフィエフのソナタ8番にしても、そこに祈りが感じられたのがよかった。

    グリーグも悪くなかったし、アンコールはいかにもアンコール曲らしい万人受けする選曲で楽しませてくれた。小さな身体で、後半は音量も目いっぱい上げて、盛り上がった。ピアノはYAMAHAだったのかな。サントリーホールのような大きなホールにはもっと豊かな響きのする楽器がよかったな。YAMAHAの広告塔としては仕方ないが・・・

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    彩の国さいたま芸術劇場

     ナチョ・ドゥアトの公演のときに初めて行った、彩の国さいたま芸術劇場、これが意外に(香山先生ごめんなさい)良かったのでメンバー登録しようかどうか迷っていたのだが、クリスティアン・ツィメルマンの演奏会があるので大袈裟だが意を決して登録することにした。メンバー料金だと1割引だし。しかし、登録に少し時間がかかって、e+でプレオーダーしたチケットが先に手配が済んでしまったので、今回は間に合わなかったが・・・

     登録が済みコンサートカレンダーが送られてきた。これをみると魅力的な企画がたくさん。

    4/25(土) 福井敬 テノール・リサイタル

    5/22(金) クリスティアン・ツィメルマン ピアノ・リサイタル

    7/18(土) バッハ・コレギウム・ジャパン 
        ヘンデル没後250年記念特別プログラム

    10/3(土) 小山実稚恵 ピアノ・リサイタル

    10/24(土) 村治香織 ギター・リサイタル

    12/5(土) レ・ヴァン・フランセ
          エマニュエル・パユ(fl.)
          フランソワ・ルルー(ob.)
          ポール・メイエ(cl.)
          ---この場合彼を一番に書くべきではないかと思うが
            パンフレットどおり  
          ラドヴァン・ヴラトコヴィチ(hr.)
          ジルベール・オダン(fg.)
          エリック・ルサージュ(pf.)

    3/20(土) 小菅優の現在 Vol.1 トリオ

    ★ピアノ・エトワール・シリーズ

    Vol.9 6/28(日) アレクサンダー・ガヴリリュク

    Vol.10 9/5(土) 三浦友理恵

    Vol.11 11/28(土) 福間洸太郎

    Vol.12 2/20(土) フランチェスコ・トリスターノ・シュリメ

     なんて豪華なピアニストたち!!
     弦楽器奏者もこれくらい豪華なメンバーを呼んでくれたなら。

     この建物の設計は香山壽夫。私が学生のとき設計製図を教わった小林さんや竹山さんは当時まだ香山研究室の博士課程に在籍中だった。と、いうことで香山先生と敬称がついてしまう。
     その香山先生が設計したこの建物、実は建築学会賞、村野藤吾賞、BCS賞を獲得していて、多くの権威に認められたものなのだが、そんな受賞作の割には地味で、こじんまり感がある。しかしそのこじんまり感が暖かい優しい気持ちにさせてくれるのも事実。立地が埼京線の与野本町駅から徒歩7分と、東京方面からだと少し遠いのが難だが、都会の劇場にはない陽だまりの暖かさがある。

     地方都市ならではの劇場建築ですぐに思いつくのは、磯崎新の水戸芸術館。こちらは、陽だまりの暖かさというよりは、歴史ある町を強く意識し、日本から一気にイタリアの都市国家、それも中世から未来へとトリップしたような気にさせられるものだが。
     スター建築家の起用で有名になったが、実は建物よりも初代館長に吉田秀和を迎え、小沢征爾を冠して水戸室内管弦楽団を運営するその企画・運営力によって、地域の活性化を図ったのだ。
     水戸に比べたらずっと規模が大きいさいたま市。現在、蜷川幸雄芸術監督が奮闘中だが、この後もますます魅力ある企画・運営に期待したい。

    *********************************************

    本来この劇場の中核をなすのが演劇だと思うので演劇とダンスについても少し予定を。

    演劇

    3/44/19 音楽劇「ムサシ」チケット売り切れ

    3/15   源氏語り五十四帖 第48回「宿木2」

    3/1829 さいたまゴールド・シアター
             「
    95kg97kgのあいだ」

    ダンス
    3/7
    8  videodance2009

     ローザス「ファーズ」

     アクラム・カーン
             +シディ・ラルビ・シェルカイウ
              「ゼロ度」

    インバル・ピント・カンパニー「ヒュドラ」

    サシャ・ヴァルツ&ゲスツ「ケルパー」

    ヤン・ファーブル「わたしは血」

    イリ・キリアン「ブラックバード」

    5/2324 コンドルズ

    6/2628 ヤン・ファーブル「寛容のアルギア」

    89月  バレエ・リュス展

    9/1113 dancetoday2009 トリプル・ビル

         unit-Cyantrio~シアンの告白より抜粋」

         廣田あつ子×中村恩恵
               「
    le droit de rever 夢見る権利」

         C/Ompany「イキ、シ、タイ」

    11/2729 ローザス「ツァイトゥング Zeitung

    2/6,7   池田+プラテル+ヴォルドング
               「ナイン・フィンガー 
    Nine Finger

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    第11回別府アルゲリッチ音楽祭

    ロックのみならずクラシック音楽でも巨匠の共演がある。

    アルゲリッチ音楽祭

    5/15  デュオの響演
    出演     アルゲリッチ、クレーメル、他
    会場     ビーコンプラザ・フィルハーモニアホール(別府市)
    プログラム 
    ●グリエール:ヴァイオリンとチェロのための8つの二重奏曲(予定)
    他候補曲
    ●シューマン ヴァイオリン・ソナタ第2番 ニ短調 op.121
    ●ベートーヴェン ヴァイオリン・ソナタ第2番 イ長調 op.12-2
    ●ベートーヴェン ヴァイオリン・ソナタ第8番 ト長調 op.30-3

    5/17     マラソン・コンサート
    出演     アルゲリッチ、クレーメル、バシュメット、他
    会場     iichiko総合文化センター(大分市)
    プログラム 
    ●ハイドン チェロ協奏曲第1番 ハ長調 Hob.VIIb-1(予定)
    他候補曲  
    ●ハイドン ピアノとヴァイオリンのための協奏曲 ヘ長調 Hob.XVIII-6
    ●ハイドン ピアノ協奏曲 ニ長調 op.21 Hob.XVIII-11
    ●カンチェリ サイレントプレイヤー
    ●ブラームス ピアノ四重奏第3番 ハ短調 op.60         

    15日も17日も過去の名演奏を思い出させる曲と今を感じさせる曲とのミックスプログラムになっている。行きたいけど大分は遠いなぁ。そしてもっと遠いけど行きたいのがザルツブルク音楽祭。

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    スーパーピアノレッスン~シフと挑むベートーベンの協奏曲

     毎週楽しみに見ていて、先週第3番まで放送があった。スーパーピアノレッスンと言っても、今回はルツェルン音楽祭のマスタークラスを収録しているので、生徒も豪華な布陣。その優秀な生徒が演奏した後にシフが同じフレーズを演奏すると音の響きが異なる。「鍵盤を上から叩く癖のある人が多いけれど、もっと指を滑らせるようにして鍵盤を押してみて。」なんて言われなくとも、指の先端を使っているのか、腹を使っているのか、映像をじっくり見てしまう。ペダルを踏まなくても、倍音が響いて次の音と重なるのだが、濁らない。同じ楽器なのに!!
     ダニエル・バレンボイムのベートーベン ピアノソナタ マスタークラスに比べると曲のイメージや成り立ちの説明が具体的で素人にも分かりやすい。指揮者としてのバレンボイムは好きだけど、ピアニストとしてはなぜかあまり感動しない。もっともそんなにたくさん聴いているわけでもないけど・・・

     弾けるかも(弾けないけど)と思いNHKのテキストを買ってきた。全ての楽譜が載っているわけではなく、第1番第1楽章&カデンツァ第3番、第4番第1楽章&カデンツァ第1番、第5番第1楽章のみだが、収録中された主なシフの説明が楽譜に書き込んであって、楽譜を見ながら思い出せる仕組み。私が子供の頃ピアノを習っていた神立先生は楽譜に赤鉛筆や青鉛筆で書き込みをなさる方でハノンやチェルニーからベートーベンまで(私の楽譜だけだったのかな?)たくさん書き込まれた。思い出すと懐かしい。
     このテキストの中でシフは4番が一番好きだとあった。私も、自由な空気と幸福感に包まれる4番が好きだ。今週末からいよいよ4番に入る。生徒は若いキム・ソヌク。楽しみだ。

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    ERIC CLAPTON / JEFF BECK

    UDOのオフィシャルによれば、《エリック・クラプトン/ジェフ・ベック 奇跡の共演》

    ちょうど同時期に来日するクラプトンとジェフ・ベックの共演、私が「ジェフ・ベックは好きかも。」と言ったのを聞きつけ、クラプトン好きな家人が「まだチケット取れるなら取って。」というので急遽手配することに。さいたまスーパーアリーナには行ったことない。まぁ、東京ドームでみた「アイーダ」よりはましでしょ、きっと。

    単独ではそれぞれ、エリック・クラプトンは武道館で、ジェフ・ベックは東京フォーラムA、NHKホール、パシフィコ横浜なんかでコンサートがあるが、生憎ジェフ・ベックの東京フォーラム2/6,7は両日ベジャール・ガラと重なる。9日は私は空いてるが、平日で家人は無理だし、私も10日は新国立劇場「ライモンダ」、11日サントリーオールで《上原彩子》、12日NHKホールでハンブルクバレエ「人魚姫」と続くので相当厳しい。で、結局オールドロックファンが集まるであろうこのライヴに出かけることに。クラプトンはあまり好きでは・・・周囲の盛り上がりについて行けないかも・・・と少し心配。

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    ミラノ・スカラ座 来日公演

    NBSでスカラ座公演の日程と入場料が発表になった。

    「アイーダ」
      指揮:ダニエル・バレンボイム
      NHKホール
      9/4 6 9 11
    S=67,000 A=59,000 B=51,000 C=42,000 D=33,000 E=22,000 F=15,000
    エコノミー席=10,000 学生席=8,000

    「ドン・カルロ」
     指揮:ダニエレ・ガッティ
     東京文化会館
     9/8 12 13 15 17
    S=59,000 A=52,000 B=45,000 C=37,000 D=29,000 E=19,000 F=13,000
    エコノミー席=10,000 学生席=8,000

    ということで、相変わらず高額。
    ドレスデン国立歌劇場のときは、親孝行だと思ってチケット取ったのだが、今回どうしよう。たぶん買ってしまうだろうとは思うものの・・・来年は英国ロイヤル、貯金しなくては。

    ところで、明日は「コルプの世界」。明後日は「ミハイロフスキー・ガラ」。
    2月は忙しくて、ギエム+東京バレエ団「ベジャール・ガラ」。新国立劇場「ライモンダ」。ハンブルグ・バレエ団「人魚姫」。上原彩子リサイタル。とハードスケジュールなので、はやく体調を万全に戻したい。

    5,6月はクリスティアン・ツィメルマンとマウリツィオ・ポリーニのリサイタル。一部はすでに購入済みだが、なかなかチケットの発売時期が発表にならないのが、ツィメルマンの壬生中央公民館と所沢市民文化センター。そして両名ともプログラムの内容は未発表。A,Bプログラムとしか発表されていない。
    サントリーホールで5/18にツィメルマン、5/19にポリーニと続くが、もしかして18日のツィメルマンの演奏をポリーニは聴くのかしら?逆はありそう。5/15もしくは19日のポリーニの演奏会にツィメルマンは現れる?

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    山本貴志 ピアノ・リサイタル

    2009年1月18日  於:プラザノース ホール

    Program

     モーツァルト ソナタ ハ長調 KV330
     ショパン ノクターン 第2番 変ホ長調 op.9-2
           幻想即興曲 嬰ハ短調 op.66
           舟歌 嬰ヘ長調 op.60
           スケルツォ 第3番 嬰ハ短調 op.39
     シューベルト 即興曲 変イ長調 op.142-2
     ラフマニノフ ソナタ 第2番 変ロ短調 op.36

    アンコール
     ショパン エチュード 第4番 op.10-4
           ノクターン 第2番 op.9-2

    テレビで見たときにも思ったが、鍵盤に顔がつくのではないかと思うほど、大きく前屈みになり背を丸める姿を見ると、ちょっと引いてしまうのだが、目を閉じると正統派の演奏をする人だ。

    モーツァルトのソナタ10番で軽快にスタート。やさしいタッチでもう少しクールなところを見せてもよかったかもしれない。ショパンについては十八番だろうけれど、私は舟歌が一番よかったかな。シューベルトは少々インパクトが弱い。プログラムの最後を飾るラフマニノフは力強い演奏で今日一番の出来。アンコール曲も含め、皆が知っているだろう曲で上手に構成されていたと思う。

    最後にプラザノース ホールについて。音響はピアノを聴くのにちょうどいい感じだった。1階席も両翼の席も2、3階席もどこからでも見やすいし、音は全ての席で聴いたわけでないのでわからないが、上部にバルコニー席がかぶっているところもないので、ステージからの音と天井からの音がまっすぐ届くだろうと思う。400席しかない小さなホールなので、ぜひ上手に活用して欲しいと思う。

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    ベートーヴェン ピアノ協奏曲

    DVD
    KRYSTIAN ZIMERMAN (34,36歳)
    WIENER PHILHARMONIKER
    LEONAED BERNSTEIN(71歳)
    1989.09 No.3,4,5(ライヴ録音)
    1991.12 No.1,2

    3番から5番までのツィマーマンとバーンスタインによるコンチェルトは何とも言えない幸福感に包まれた演奏だ。バーンスタインとツィマーマンが双方に全幅の信頼を寄せていることが、またウィーンフィルの楽員全体がバーンスタインを愛し気遣う気持ちがわかるし、何よりバーンスタインがこの若い芸術家を愛してやまない気持ちが溢れていて気持が和む。
    VPOのオーボエやクラリネット、フルートなどの木管楽器やヴィオラやチェロなどの低弦部の温かい響きがドメスティックな雰囲気をさらに盛り上げている。
    ツィマーマンの演奏は瑞々しく、冴えわたっている。特に若い生命力に満ちた4番第1楽章のカデンツァが好き。
    一方、バーンスタイン亡きあと、ツィマーマンの弾き振りで録音された1,2番に関しては、軽妙さとか、親近感とかが足りず少し堅苦しい気がする。ライナーノーツには目を閉じさえすれば、今もまだバーンスタインがいるかのように感じられるとは書かれているが、残念ながら私には太陽のようなバーンスタインがいるようには感じられない。でもだからといって、つまらない演奏ではない。モーツァルトの延長線上にある室内楽を感じさせるいい演奏をしていると思う。
    また全体を通して打鍵の正確さにおいてはツィマーマンが最も優れていると思う。

    ++++++++++++++++++++++++++++

    CD
    MAURIZIO POLLINI (50歳)
    BERLINER PHILHARMONIKER
    CLAUDIO ABBADO(59歳)
    1992 NO.1~5

    長年にわたり共に演奏活動をしてきたポリーニとアバド、イタリア人コンビによる演奏は、アシュケナージとメータのようなとんがった部分は少ないけれども、緩急メリハリの利いたダイナミックな演奏で、大人の男性の余裕と色気を感じさせる。リズムの取り方とレガートが独特でこのあたりはアバドとBPOの間に阿吽の呼吸があるのだろう。
    ポリーニのカデンツァでの歌いぶりは、さながらオペラのアリアのようだ。ベートーヴェンのピアノコンチェルトは1番よりも先に2番が作曲されたそうだが、3番、4番、5番という大作に比べると地味な印象の2番をこんなに艶やかに演奏できるのは、自分がその渦中にいるときにはなかなか気付くことができなかったものを50歳を超えて青春のエッセンスを掬い取ることのできた者にのみ成し遂げられる業かもしれない。今年の来日公演ではいったいどんな演奏を聴かせてくれるのだろうか。包容力のある柔らかな感性と表現力にぜひ触れたいと思う。

    ++++++++++++++++++++++++++++

    CD
    VLADIMIR ASHKENAZY(46歳)
    VIENNA PHILHARMONIC ORCHESTRA
    ZUBIN MEHTA(47歳)
    1983.11 No.1~5

    世間では名盤の誉れ高いアシュケナージとメータとVPOによる演奏。美しいピアノとオーケストラとの競演を堪能させてくれる。バーンスタインとVPOの演奏に比べると親近感は少なく威圧的で緊張感がある。アシュケナージの演奏は繊細で孤独な哀愁を感じさせながらも華やかな響きで、これこそがベートーヴェンといったとんがった演奏。これが5番において遺憾なく発揮され、自由奔放にさえ感じられる。これにはアシュケナージもメータも40代と年齢が近いことも関係があるかもしれない。5番の第3楽章が最も好き。

    ++++++++++++++++++++++++++++

    CD
    ARTURO BENEDETTI MICHELANGELI(59歳)
    WIENER SYMPHONIKER
    CARLO MARIA GIULINI(64歳)
    1979.02 No.3,5(ライヴ録音)

    そして剛毅な色気でダントツなのがミケランジェリとジュリーニによる演奏だと思う。録音時の年齢がこの中ではもっとも高いイタリア人コンビ。アバドもそうだが、ジュリーニもオペラの国の人なのだとつくづく思う。世間一般が思い浮かべるイタリア人のイメージとは異なり、ミケランジェリは気難しく、日常笑顔を見せることがなかったそうだが、このコンチェルトの中ではピアノは晴れやかな笑顔をみせ高らかに歌ったり、少々はにかんだような微笑みを見せることもあるのだ。圧倒的な力で攻め込んで来る大船団の如き強さを見せたかと思えば、寄せては返す波の静かな海辺の夜の如き優しさも見せる。計算し尽くされた演奏をしながらこの人は一体何を感じていたのだろうか。
    残念ながら、ミケランジェリの生演奏を聴いたことがない。録音は古いものが多く、録音状態が悪いものが多い中、これは1979年と比較的新しいのでストレスを感じないで聴くことができる。

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    土屋雅子 ソプラノリサイタル

    12月18日(木)開演19:00 於:王子ホール

    プログラム

    マニュエル・ローゼンタル『ムッシュー・ブルーの歌』より

    イザベル・アブルケル『おちびちゃんのためのシャンソン』全曲

    中田喜直『日本のおもちゃうた』全曲

    フランシス・プーランク『子供のための4つの歌』全曲

    聴いたことのない曲ばかりだが、初めてというのは結構楽しい。演奏だったら気に入ったメロディとかフレーズとかイメージとか、ダンスだったら、リズムとか体のラインとかフォーメーションとか、その中の気に入ったエッセンスだけが残るので、2度目以降のときとは印象が異なることが多いから。

    中田喜直の歌曲はいくつか知っているし、中学校の校歌は彼の作曲だった。
    プーランクの器楽曲は聴いているが、歌曲も多数あることは知らなかった。
    シューベルトでさえピアノ曲は自分が演奏したことがあるので知っているが、あんなにたくさんある歌曲のほとんどを知らない。(冬の旅とか白鳥の歌とかCD持ってるのに・・・)

    12月の銀座の夕べは例年なら賑やかだろうが、今年はどうだろうか。

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    クレーメルの青春譜

    旧ソ連から亡命した芸術家は多い。しかし、クレーメルのように公然と政府に掛け合って自由を獲得した人は他にはいないのではないだろうか。ハードボイルド小説のようなクレーメルの半生記である。

    この本を読むとすべてが真実かどうかということよりも、自分史を実名入りで書き表すことができるのは、いかにも芸術家らしいと言わざるを得ない。いわゆる暴露本とも違うのだが、読者の方がある種の居心地の悪さすら感じてしまう。比較的思いやりをもって書かれる女性達、タチヤーナ・グリンデンコ、エレーナ・バシュキロワ、アルゲリッチとバレンボイム。それに比べてリヒテル、ギレリス、オレグ・マイセンベルグ、シュニトケ、オイストラフ、コーガン、ロストロポーヴィチ、ロジェストヴェンスキー、カラヤン、キーシン、ヴェンゲーロフその他大勢の人たちは、この歯に衣着せぬ物言いをどう感じるだろうか。亡くなってしまった人たちのことを多少悪く書こうとも、名誉毀損というほどではないから構わないという計算高さも感じさせる。
    ”奔放な女性関係”(?)は、抑えきれないくらいの情熱がなければ芸術家としては大成できなかっただろうし、結婚という形をとらないと恋愛が成就しにくい社会と時代背景だったことは理解できる。ただバシュキロワとの別れについてはさらりと流されていて、この話にバレンボイムは登場しない。クレーメルかバシュキロワかバレンボイムが亡くなった時に自伝第3弾が出版されるのかもしれない。---あぁ、そういえば何気なくジャクリーヌ・デュ・プレの名前もでてきた。

    私がクレーメルを知ったのは大学生のときに聴いたFM放送ではないかと思う。当時の放送を録音したカセットテープがないか調べたが残念ながらみつからなかった。当時クラシックが好きだったわけではないが、他の人の演奏とは異なる音の多彩さと独特のリズム感に惹かれ、クレーメルだけは聴き分けられたように記憶しているが、風貌については興味がなかった。ところが、今になってみるとどことなくクレーメルと家人が似ていて(特に若いときの写真をみると)笑ってしまう。

    年月が経ち、あるとき友人からピアソラのCDを手渡された。そのエキセントリックさがクレーメルの音の響きに似ていると思ったら、なんとクレーメルはピアソラの伝道者になっていたのだった。知らなかった。友人にそのことを伝えると、クレーメルのファンで、「クレーメルの音は暖かいよ。」と言っていた。わたしは変なところも美しい音を奏でるところも含めてその表現の多彩さが好きなのだが、身近にクレーメル ファンがいたとは。私が好きなのを知っている家人が「真面目なおじさん」と言ったときに、「そうでもないよ。ツィマーマンに比べると結構ずっこけてるよ。」と言ったが、このところツィマーマンの印象も少し変わってきたので、クレーメルに影響されたのかもしれない、と思っている。

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    山本貴志 ピアノ・リサイタル

    2009年1月18日(日) 13:30会場 14:00開演

    於:プラザノース ホール 【さいたま市北区】

    入場料:3,000円(全席自由)

    電話・窓口申し込み先(9:00~17:00)プラザノース総合インフォメーションカウンター 電話:048-669-0300

    予定プログラム

    モーツァルト:ソナタ ハ長調 K.330

    ショパン:ノクターン第2番 変ホ長調 op.9-2
          幻想即興曲 嬰ハ短調 op.66
          舟歌 嬰ヘ長調 op.60
          スケルツォ第3番 嬰ハ短調 op.39

    シューベルト:即興曲 変イ長調 op.142-2

    ラフマニノフ:ソナタ第2番 変ロ短調 op.36

    みんなが知っている曲目が並んでいてふだんあまりピアノの演奏会に足を運んだことのない人も楽しめそう。このホール400席足らずの小さなホールなので、直接音を聴けるのが楽しみ。

    電車を利用して行くには、宇都宮線土呂駅(大宮の次)からシャトルバス(ステラタウン行)を利用するか、高崎線宮原駅からバスまたはニューシャトル加茂宮駅徒歩5分http://www.plazanorth.jp/access/index.html

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    バーンスタイン VPO ツィメルマン ブラームスピアノ協奏曲

    今日届いたDVD早速聴いてみた。
    バーンスタインとウィーンフィルの演奏はショスタコーヴィチ交響曲6番と9番も良かったし、クレーメルとのブラームス ヴァイオリンコンチェルトは私のお気に入りで、期待に胸が膨らんだ。

    古くからのツィメルマン ファンは驚かないだろうが、26,7歳の青年にしては落ち着いているし、大人びた演奏だった。特に2番については曲自体の完成度の高さもあるが魅力的で、音の響きがすこし取り澄ました感じはあるものの現在のものに近い。違いは現在のほうが曲が持っている感情の流れに演奏者本人の情動がより多く盛り込まれていることだろうか。

    この録音でもやはりツィメルマンは鼻歌を歌っているのが聴き取れる。カデンツァでは気持ちよさそうに歌っている。歌いながら演奏するピアニストは多いが、グレン・グールドのように明確な意思を持って歌っているというよりは、ツィメルマンはやはり鼻歌なのだが。
    ルトスワフスキのピアノコンチェルトについて語ったとき「ルトスワフスキから曲ができたと連絡を受けてロンドンのホテルにいくと、そこにはピアノがなかったので、彼はその曲を歌ってきかせてくれた。」と話していたが、あの曲を説明するのに、どうやって歌うのだろうかと少し疑問に思った。鼻歌のようなものだったのだろうか、それとも各パートごとにさえずったり、ライオンの咆哮のような声をだしたりしたのだろうか。想像するとなんだか楽しい。
    楽友協会ホールのようにステージと客席が近いところだったら、前列の人たちにもあの歌ははっきり聴こえたに違いない。映像に映った人たちは真面目そうな顔をしていたが、私があの場にいたら顔がゆるんでしまったのではないだろうか。

    明日はベートーヴェンのピアノコンチェルトを聴いてみよう。

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    12/1 NHK ハイビジョンクラシック倶楽部 レイフ・オヴェ・アンスネス

    放送曲目がやっと発表になった。

    1. ヤナーチェク 霧の中

    2. ドビュッシー 前奏曲集 第2巻から 第3曲 ビーノの門

    3.                第1巻から 第7曲 西風の見たもの

    4.                第2巻から 第5曲 ヒースの茂る荒地

    5.                第1巻から 第9曲 とだえたセレナード

    6.                第2巻から 第8曲 水の精

    7. ベートーベン ピアノソナタ第14番 月光

    8. ドビュッシー 前奏曲集 第1巻から 第5曲 アナカプリの丘

    というふうに、ズラッとドビュッシーを並べてきた。やはり今回ドビュッシーが最も評判がよかったのだろう。でも、いつかすべての演奏曲を放送してくれると、あのときの私の動揺がどうして起きたのか客観的に分析できて良いのだけど。。。

    先日放送されたN響とのラフマニノフピアノコンチェルト2番は落ち着いて骨太の演奏をしていてよかったと思った。左手の低音部だけが暴走することもなかったし、リズムもぶれがなくて聴きやすかった。

    とにかく、オペラシティでの演奏会を追体験できるので、私も落ち着いて聴いてみるつもり。

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    TVで放送された音を聴くと、ペダルを離したときのバンッという音も、演奏者の息遣いも聞こえる。ペダルを踏んだときに低音部の残響に歪みがあるが、ビリビリ響くというほどはひどくなかった。〈*リサイタル当日の感想参照〉ペダル(と演奏者の相性)がよくなかったのと、ホール自体の残響特性に問題があるのかもしれない。

    演奏そのものは、実演を聴いたときほどには、演奏者の闘争心というか過度の緊張は感じられなかった。ただヤナーチェクの演奏をしているときには、かなり息遣いが荒くなっていたし、(実際、息を吸い込む音が私の席まで聴こえたので、それが演奏者の息苦しさとして聴いているこちらに伝わった?)ペダルを離したときグニョ~ンという変な残響音はあったので、これが当日、私の耳に増幅して聴こえて不安感を煽られたのかもしれない。が、全体的にはきれいな音で、音楽自体がもっている不安や焦燥感以外のネガティブな感情はなかったのだろう。

    今回の放送ではシューベルトのソナタを省略しているが、前半の重苦しいムードのあとで、ドビュッシーの前奏曲はかなり自由な演奏に開放感があって盛り上がったように思う。このあとのベートーヴェンを友人は「ドビュッシーを引きずっていてベートーヴェンに聴こえなかった。」と言っていたが、アンスネス本人は「20代には気づかなかったが、ベートーヴェンには一種の軽さがある。」と言っているので、初めから意図的に軽い演奏をしたことが分かる。でもベートーヴェンの深い陰影がある構築的な演奏に耳が馴染んでいるので、マティスの描いた絵巻物(そんなものは実際にはない)を提示されたようで面白いけど、なんか違和感を感じたのではないかしら。

    ギレリスとバレンボイムの「月光」を聴いてみたが、私にはギレリスの演奏がベートーヴェンらしく聴こえた。それはおそらく、各楽章ごとに異なる感情表現はあるものの、安定したリズムが理性を感じさせるからだと思う。感情の起伏が激しくて驚くこともあるが、決して一線を踏み越えないというのが私のベートーヴェン像だから。

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    チョン・ミョンフン ツィメルマン ルトスワフスキ ピアノ協奏曲

    2008年11月20日 於:サントリーホール
    チョン・ミョンフン指揮 東京フィルハーモニー交響楽団
    ピアノ クリスティアン・ツィメルマン

    まず1曲目は「メシアン:ほほえみ」だったが、チョン・ミョンフンにしては、あっさりした演奏だったかと。メシアンの曲がフランスらしくきこえなかった。
    しかし、2曲目、メインプログラム ルトスワフスキ ピアノ協奏曲を聴いて仕方ないとも思った。このコンチェルトのリハーサルに時間を割いたに違いない。ツィメルマン先生が細かく音の響きやタイミングを指導したのだろう。曲のイメージやテンポなどについては、指揮者でありピアノの名手でもあるチョン・ミョンフンとツィメルマンが綿密な打ち合わせをしたはずで、終始、ツィメルマンは指揮者をたてていた。しかし、明らかに、ピアノが情熱の配分を支配しリードしていた。
    約20年前の録音であるルトスワフスキ本人がBBCオーケストラを指揮し、ツィメルマンのピアノによる演奏と昨日の演奏が異なるのは当然といえば当然かもしれない。でも、つい2週間たらず前の(講演会で解説しながらの演奏で部分とはいえ)演奏とも印象が全く異なっていた。「ついて来い!」というようなちょっと強引なところも感じられて、珍しいなぁと思ったのだが、まあ、そんな風に鼓舞されたオーケストラが精一杯遅れまいとしているようだった。もっとも、チョン・ミョンフンも相当、煽っていたけど。もっと、粘着質な音作りをする人かと思っていたから、これも驚き。
    第3楽章のカデンツァは愛の告白だと言っていたが、猛アタックで、これでは作曲したルトスワフスキの告白ではなく、ツィメルマンの雄叫びだ。終楽章は最後まで飛ばして果てた。

    昨日の席は1階17列左側だったがサントリーホールは勾配がいい具合で、前の人の頭に邪魔されずにステージがみえる。(オペラシティやオーチャードホールの1階席はステージの前のほう足元がみえない)通常よりも大きく感じられたピアノ用の楽譜は、演奏部分が音符で黒く塗りつぶされたようで、休みのところは休符記号だけで白く、楽譜が白と黒の変則格子模様のようにみえて綺麗だった。ツィメルマンの手元もペダルを踏む足も全部見えてよかった。休憩時間にジャパン・アーツの世界のピアニストシリーズ2009というチラシを見ながら上原彩子のコンサート行きたいなと思っていたら、目の前に本人(だと思う。)がいてびっくり。ピアノコンチェルトのときには気づかなかった。一人静かに座っていたが、後半チャイコフスキーの「悲愴」演奏が終わるとすぐに席を立っていった。
    2階席には学生服を着た男の子の集団が来ていたが、以前新国立劇場であった、高校生のためのオペラ鑑賞教室に来ていた子供たちとは態度が違ったから、どこかの学校のオケ部かな。1階席後方や2階席も空席が目立ったけど、こんなに空いてるなら、現代音楽も聴きたい学生に安く(2000~3000円くらい)開放すればよかったのに。

    さて、実はチャイコフスキーが苦手な私。今回、ベートーヴェンの「運命」を選ぶかチャイコフスキーの「悲愴」を選ぶか迷った。チャイコフスキーは繊細で美しいメロディーが散りばめられているけど、どうも女々しい感じがして、げんなりしてしまうのだ。しかし今回は違った。繊細さを犠牲にしてまでも直球勝負で、グイグイと押してくる野生的な匂いの「悲愴」だった。コンチェルトの激しさはチョン・ミョンフンが仕掛けたものでもあったのね。と、このときになって思ったのだった。ヴィオラがまとまりのある心地よい音だった。

    しかし、連れは「もっと分かりやすい曲をやってくれればいいのに。」と言っていて、だから予習するようにiPod貸したのに・・・日曜日のナチョ・ドゥアトは「ロミオとジュリエット」だから分かりにくいとは言わないでしょうね!

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    NHK BS 放送 2006年ツィメルマン演奏会 

    2006年5/20と6/2のサントリーホールでの演奏会をNHK BSの放送で観た(2006年8/12放送の再放送)。残念ながら、このときの演奏会を直には聴いていない。
    演目は
    モーツァルト ピアノソナタハ長調K.330、
    ベートーヴェン ピアノソナタ第8番「悲愴」、
    ラヴェル 優雅で感傷的なワルツ、
    アンコールが
    ガーシュウィン 3つの前奏曲から。

    まずモーツァルトでいきなり驚いた。鼻歌を歌いながらとても楽しそうに演奏していたのだ。息を吸い込む音がはっきり聞こえる。ペダルを踏み込むとき、パッと放したときの音も聞こえる。次のベートーヴェンでも感情が高ぶってくると激しい息遣いが聞こえ、時折歌い、また第1楽章では涙ぐんでいたようだった。コンサート会場で最前列に座っているか、むしろすぐ傍にいて譜めくりでもしているような臨場感だった。

    「ルトスワフスキを語る」のときに言っていた、音楽の物理的(身体的)喜び(あるいは快楽といったほうがふさわしいように思う)とはまさにこのことなのではないかと思った。音楽が表現する感情の流れを演奏家は単なる音だけでなく身体全体で表現するのだ。----というか、音楽の中に没入してしまうと、自然に身体が動き息遣いも荒くなるし、涙もこぼれてしまうというのが、本当のところだろうと思う。「演技するということではない。」とも言っていたから。 そういえば、アンスネスの演奏会のときはオペラシティ1階18列だったが、舞台に出てきて椅子に腰をかけ大きく息を吸いこむ音が聞こえたし、演奏中も断続的に息を吸う音や大きく吐き出すため息が聞こえた。 では、ツィメルマンが言っていた「最近のデジタル録音技術の進歩により、本来聴くべきでないものまで聞けるようになってしまった。最新の技術をもってモナリザの撮影をすると案外たいしたことのない下着を身に着けていることがわかってしまったように。」というのは、どんな音のことを指すのだろうか。このような事情から演奏家は演奏を録音することを嫌がるようになったといっていたから、なるほど、それでツィメルマンは新しく発売されるCDがないわけね、と思ったのだが、このNHKの放送は了承したわけだから、あの鼻歌や涙はOKなのだ。客席での咳も聞こえたけど、それもOK。ではNGは何?

    2007年のクレーメルとのブラームスプログラム。いつかCDでもDVDでもTV放映でもなんでもいいから、もう一度聴きたいとずーっと願っている。もちろん、このあと二人の組み合わせの演奏を直接聴くことができるのならさらに夢のような出来事だけれど。チョン・ミョンフンとのルトスワフスキ ピアノコンチェルトを今週20日に聴きに行くのがとても楽しみ。

    各曲、どの演奏も聴き応えがあり、私はラヴェルが好みだった。放送に使われたものは、主に5/20の演奏だったようで、ショパンプログラムはなかったが、話題になったピアノソナタ第2番聴きたかったな。
    6/2のコンサート後半の初めに自衛隊派遣に対して反対意見表明を日本語で行ったことはジャパン・アーツ他のサイトで読み、これに備えて日本語の講習を受けたのかもしれないと気づいた。

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    MET ライブビューイング「サロメ」

    先週のことだが、「サロメ」を見て来た。
    オスカー・ワイルドの戯曲にビアズリーが描いた挿絵に強烈な印象を受けたのは、中学生のとき。戯曲そのものは繰り返し読むこともなかったが、ビアズリーの挿絵は思い出してはながめていた。

    さて、その「サロメ」、R・シュトラウスの音楽はビアズリーの挿絵よりも、ずっと生命力に溢れている。サロメもヨカナーンも声に力が漲っていて引き込まれた。話題になった七つのヴェールの踊りは、私が考えていたものとはイメージが少し違って(考えてみたら、バレエダンサーじゃないんだから)案外おとなしいものだったが、カリタ・マッティラは全編通して動き回り、難曲を歌い通しで大変だったろう。最後はそのパワーに圧倒され、感動の涙(サロメを哀れんだのではないし、ましてや王ヘロデに同情したわけでもないのに)がこぼれた。

    ナラボートを演じたヨゼフ・カイザーは私好みのルックスに美声でまた演技が濃厚。失恋の果てに自害するナラボートにも涙が止まらず、実はここが一番泣けた。(いつもサイドストーリーに酔ってしまう・・・)

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    それにしても、ヨゼフ・カイザー(Joseph Kaiser)って、すごい名前だ。
    皇帝(カイザー)フランツ・ヨーゼフ。歴史は苦手だけど、ハプスブルク帝国最後の皇帝で、サラエボ事件をきっかけにしてハプスブルク帝国が崩壊、第一次世界大戦が勃発。

    本名なのか、芸名なのかわからないけど、これからの活躍が楽しみ。

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    日生劇場開場45周年記念公演「魔笛」

    日生劇場は1963年竣工で、私が好きな建築家村野藤吾の代表作。
    その少し前1961年に前川國男東京文化会館が竣工している。
    東京文化会館がストイックで威圧的、雄大な大陸的空気を感じさせるのに対して、日生劇場は有機的曲線を多用し空間の作り方が細やかな日本情緒を感じさせるのだが、イメージは自由奔放で華やか。

    自分で場所は日生劇場と言っていたのに、取り違え帝国劇場の前まで行って、「しまった、間違えた!」時計を確認して、大丈夫十分間にあう。
    この前、東京バレエ団の「ジゼル」のときも、すっかり文化会館と思い込んでいて、上野駅でチケット見直したらゆうぽーとと書いてあり、慌てて山手線を半周して、五反田駅前からタクシーに乗り「ゆうぽーと」といったら「えっ?」と聞き返され、「ゆうぽーと」と繰り返したら、運転手に「ちっ!!」と舌打ちされたことを思い出した。

    「魔笛」はいくつかみたことがあるのだけれど、普段聴いているのはスイトナー指揮シュターツカペレ・ドレスデンの1970年録音、ペーター・シュライヤーがタミーノを演じているもので、タミーノとパパゲーノの出番だけを聴いている、あまりいい聴き手ではない。でも、とりあえず他の人に迷惑はかけていないが、隣はほとんど全編通していびきをかいて寝ているし、後ろの人たちは笑いが止まらず、声をたてて笑い通しでうるさい。もっとも、モーツァルトは一般市民のために分かりやすい歌芝居として作ったもののようだから、堅苦しく鑑賞するものではもともとなかったようだけれど。

    11/9の配役は

    タミーノ     鈴木 准            
    パミーナ    星川 美保子
    パパゲーノ   折河 宏治
    パパゲーナ   直野 容子
    ザラストロ   小野 和彦
    弁者       小田川 哲也
    夜の女王    鈴木 麻里子
    モノスタトス   青柳 素晴
    侍女       和泉 純子、南 智子、与田 朝子 

    パパゲーノ、侍女1(欲目だけでなく)は楽しく伸びやかな声を聴かせてくれた。夜の女王は出番は少ないけれども、有名なアリアを綺麗にまとめていた。
    ただ、最後夜の女王や侍女たちもなんとなくめでたしめでたしとなってしまう演出は物足りなく感じた。海外のオペラハウス引越し公演に比べるとチケットは安いともいえるが、美術などにお金がかかっていなくて、キエフオペラのほうが舞台美術も衣装も豪華。国がオペラに資金援助してくれないからかしら。でも、新国立劇場でのごたごたを見聞きすると、国が芸術を支援する際の姿勢がどうもおかしい気がする。政治家や官僚を批判するだけでなく、市民の中から芸術を大事にする気持ちを育てていけたらいいのにと思う。

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    ツィメルマン ”ルトスワフスキ ピアノコンチェルト” を語る

    一昨日は大変楽しい一日で、午後から大琳派展(2回目)を観た足で、明治学院大学 アートホールに向かった。

    大学内での公演の割には、外部の人が多かったようで、若い人もいれば、私と同年齢かそれより上の人もいて、このままミニコンサートといってもいいような雰囲気。

    にこやかに登場したはずのツィメルマン氏だが、前の席の人の頭でその姿は見えず、表情は見えなかったが、言葉の抑揚やテンポから彼の熱意は伝わってきた。お話の前半はすでにジャパンアーツやその他のメディアで読んだことのある内容だったが、話が進みだんだん興がのってくると
    「ルトスワフスキは大変真面目で服装もいつもきちんとした人だったけれども、ユーモアがあり、それはピアノコンチェルトのあちこちに見出すことができる」
    「そのユーモアは繊細で、第二楽章では辛辣で意地悪、激しく変化する拍子に指揮者は楽譜に首を突っ込んだように前のめりになり、オーケストラはもっと練習しておけば良かったと後悔することになる」
    「musicは音だけによるものでなく、物理的(身体的)喜びがあって、演奏家がどういうふうに楽器と向き合っているのかが見えることでmusicとしての信憑性が生まれる」
    「本当に演奏するのが難しい所を簡単に弾いているように見えては困るのだ、とルトスワフスキは言った」
    「第3楽章はピアノによる愛の告白で作曲家の善き人としての意思表示だ」
    「この曲が書かれた時代はポーランドはまだ苦しく先が見えないときだった」

    話した順番どおりではないが、こんな曲の解説をしながら偶然性の音楽についての簡単な実験も。

    まず200名ほどいた聴衆をソロパートとオーケストラパートの2つに分け、さらにソロパートは4つ、オーケストラパートは3つに分けて、ソロパート1は「・ろ」2は「・ぐ・ろ」3は「てっ・か・ま・き」4は「とー・も・ろ・こ・し」を第1音節にアクセントを置いて、一定のテンポで繰り返す。オーケストラパートの1は「ぶるるるるるるる・・・」2は「しーっ」3は「トゥトゥトゥ・・・」と繰り返す。これを指揮者はシークエンスの始めと終わり、そして全体の強弱を指示するけれども、演奏者に自由を与えることで曲の複雑性とそのときにしか生まれない演奏が・・・この実験が成功したのかどうかはともかく、リズムのうねりは体感できた。

    ちなみに、ツィメルマン氏が最も好きな日本語の単語が「とうもろこし」だそうで、日本人はこれを6音と数えそうなところを5音に数えるところはインド・ヨーロッパ語圏の人で、なるほどと思ったが、日本語の講習を受けたことがあるということには驚いた。音楽家には日本人の配偶者を持つ人もいるので、そういった人たちは、コンサートのときに片言の日本語を披露したりするが、日本人でポーランド語を理解できる、あるいは関心のある人がどれくらいいるだろうか。来日回数も多くなり、このところ年2回ペースになりつつあるので、寿司ねたの名前だけでなく、日本語を覚えようとしたのかしら。それにしても、とうもろこしの一体どこがお気に入り?

    最後に、ジョン・ケージとルトスワフスキの類似と相違についてどう考えるかと、モデレータである岡部真一郎氏からの質問には以下のような答え。
    「ジョン・ケージは音楽が音だけで成り立つものではなく、時間というものを意識させた初めての作曲家ではあるが、これまでの音楽史の流れには乗らないのに対して、ルトスワフスキは新しいものは取り入れつつも音楽史の流れの中にある」
    「ルトスワフスキはポーランドが苦しい時期に多くの人を助けたように、そのすばらしい人間性が溢れている」という、ルトスワフスキへの賛辞と
    「最近のデジタル録音技術の進歩により、本来聴くべきでないものまで聞けるようになってしまった。音楽では時間の流れ、時間の中で感情がどう動くかが最も大切なことなのに。」

    と、かなり長いことお話してもまだまだ話し足りないようだったが、「続きはまた別の機会を設けて話していただきましょう」と締めくくられた岡部氏。芸術家の本心の一端を聞くことができ、私にとって有意義な2時間あまりだった。

    尚、この文章は私なりの要約で、独自のメモに基づくということをご承知おきください。多少ツィメルマン氏の言わんとした事から、外れた部分があるかもしれません。

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    クリスティアン・ツィメルマン講演会

    今週金曜日、明治学院大学でのクリスティアン・ツィメルマン講演会に出かける予定。
    11/20 サントリーホールでのルトスワフスキ ピアノコンチェルトを聴きにいく前に予習。

    11/20はクラシック音楽にはあまり興味のない家人が一緒なので少々心配でもある。
    この日の演奏曲は、他に
    メシアン「ほほえみ」と
    有名なチャイコフスキーの交響曲第6番「悲愴」。
    おそらく作曲家のルトスワフスキやメシアンの名前も知らないだろうけれど、音楽を聴く耳は確かなので、きっとどこかに感じるところはあるはず!と信じて、そろそろルトスワフスキのピアノコンチェルトや「ほほえみ」の曲の一部を機会を作って聴かせよう。ツィメルマンについては、ショパンやシューベルトを演奏するDVDを見せ、ドビュッシーの前奏曲集のCDを聴かせて、略歴は話してある。
    積極的、能動的なファンでなくとも、受動的ファンくらいにはできるだろう。

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    Leif Ove Andsnes Oct.27,2008 Tokyo Opera City Concert Hall

    昨夜の演奏をなんと表現すべきか少々戸惑っている。この人いったいどうしちゃったのかしら・・・

    ヤナーチェクはおどろおどろしい低音が響き(ビリビリいうその音はピアノ自体の音もあるけれどステージの床が共鳴しているようだった)、シューベルトは19番全体が20番の第2楽章に聞こえるくらい息苦しくて、ギリシア神話の冥府の神ハーデースかその番犬ケルベロスに睨みつけられた様。休憩時間に冷たい紅茶を飲んでやっと息をついた。

    後半のドビュッシーで初めて私のアンスネス像とイメージが合致。ベートーヴェン ピアノソナタ14番 幻想曲風ソナタ-2「月光」は軽く流して、アンコールでのドビュッシーは生き生きと、ベートーヴェン ピアノソナタ13番 幻想曲風ソナタ-1、こちらは熱演で、スカルラッティにいたっては、こんな熱苦しいスカルラッティ聴いたことがない・・・

    TVカメラが入っていたので、おそらくこの演奏会はNHKクラシック倶楽部かなにかで放送予定があるのだろうと思うし、N響との共演、ラフマニノフピアノ協奏曲2番はFMで生放送、11月にはTV放映があるので、それまで少し頭を休めよう。

    アンコール曲

    *ドビュッシー:前奏曲集より アナカプリの丘(第1集5番)

    *ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第13番より 第3楽章・第4楽章

    *スカルラッティ:ソナタK.492 ニ長調

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    アンスネス 曲順変更

    アンスネス 10/21の王子ホールでの演奏曲目は

    ベートーヴェン/ピアノソナタ第13番
                     第14番

    ドビュッシー/前奏曲第1集・第2集より
     霧                            (第2集より第1曲)
     野を渡る風                (第1集より第3曲)
     アナカプリの丘            (第1集より第5曲)
     雪の上の足あと          (第1集より第6曲)
     ビーノの門                 (第2集より第3曲)
     西風の見たもの          (第1集より第7曲)
     ヒースの草むら           (第2集より第5曲)
     さえぎられたセレナード (第1集より第9曲)
     エジプトの壷               (第2集より第10曲)
     オンディーヌ               (第2集より第8曲)
     月の光がそそぐテラス  (第2集より第7曲)

    アンコール

    スカルラッティ/ソナタ ニ長調
                                    嬰ハ短調

    ヤナーチェク/『霧の中で』より第3曲

    だったようだ。

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    来週 10/27 オペラシティでの曲順変更が発表になった。

    ヤナーチェク:霧の中で
    Janacek: In the Mist
     
    シューベルト:ピアノ・ソナタ第19番ハ短調 D.958
    Schubert: Piano Sonata No.19 in C minor D. 958

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    ドビュッシー:前奏曲集より
    Debussy: 5 Preludes
             ビーノの門 (第2集より第3曲)
             西風の見たもの (第1集より第7曲)
             ヒースの茂る荒地 (第2集より第5曲)
             とだえたセレナード (第1集より第9曲)
             オンディーヌ (第2集より第8曲)

    ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ 第14番 嬰ハ短調 作品27-2「月光」
    Beethoven: Piano Sonata No.14 in C sharp minor Op27-2「Moonlight」

    前半ヤナーチェクとシューベルトが入れ替わった。当然といえば当然か。In the Mistは綺麗だけれど、同じヤナーチェクのソナタ1905年10月1日ほどには盛り上がりに欠けるし、シューベルトD.958の方が有名だと思うし。プログラムの最後をベートーヴェンの「月光」の第3楽章を高速フォルティッシモで締めれば、かなり気分が高揚するだろう。

    アンコールは何かな?スカルラッティは小さな王子ホールだからという気がするし、かといってベートーヴェンのピアノソナタ13番全曲(16分くらい)じゃ長すぎる。
    この秋のリサイタルではラフマニノフ、シェーンベルグ、モーツァルト、ムソルグスキーなどを演奏しているよう。
    モーツァルトかニールセンの小品だといいな。いずれにしても、来週が楽しみ。

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    Spivakovsky,Tossy のシベリウス ヴァイオリン協奏曲

    スピヴァコフスキーというヴァイオリニストの名前をはじめて目にした。年代的にはハイフェッツとかオイストラフと同年代の人なのだけれど、私の耳には前出のヴィルトゥオーソの演奏は録音のせいか、少々古臭く聴こえることが多い。ところが、YouTubeにアップされていたこのスピヴァコフスキーVn ハンニカイネン指揮ロンドン交響楽団のシベコン第3楽章、繊細透明にしてなおかつ力強い演奏で、鳥肌がたった。

    ちなみに第3楽章の録音された演奏時間は

    スピヴァコフスキー+ハンニカイネン+LSO     6:47
    チョン・キョンファ+プレヴィン+LSO         7:39
    ギドン・クレーメル+ロジェストヴェンスキー+LSO 7:28
    ヴェンゲーロフ+バレンボイム+シカゴ響      7:54

    クレーメルより40秒も速い、しかも1音たりともおろそかにされていない超高速パッセージ。1楽章からすべての演奏を聴きたい。

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    この録音は1959年のもので同じLSOとのものだから、おそらくチョンやプレヴィンもクレーメルやロジェストヴェンスキーも、聴いたことがあるものだと思われる。
    1957年にシベリウスが亡くなり、葬儀の際このヴァイオリン協奏曲を演奏した指揮者がシベリウスと親交のあったハンニカイネンとのことだ。シベリウス本人はこの曲をどう演奏したのだろうか。
    やはりヴァイオリンの名手で同時代の作曲家イザイに比べると、親しみやすいメロディーとリズムを紡ぎだしたシベリウス。フィンランドとかチェコとかポーランドとかユダヤ人など大国に蹂躙されてきた国民に共通する屈折したパッションを表現した演奏が心を打つのだと思う。

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    YouTubeは本当に便利でありがたい・・・
    残り1、2楽章もアップされていた。しかも、チャイコンまで。
    しばらくの間、他の人の演奏も含めてシベコンの旅が続きそう。

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    シベリウス ヴァイオリン協奏曲

    先日、ギドン・クレーメル+クレメラータ・バルティカ+オーケストラ・アンサンブル・金沢+井上道義の演奏を聴いてから、そのヴァイオリンの響きが頭の中から離れず、他の演奏をいくつか聴き比べてみた。

    1. ギドン・クレーメル 
      ロジェストヴェンスキー指揮ロンドン交響楽団
      1977年録音

      ロジェストヴェンスキーらしい野生的で厚みのあるオーケストラの響き。正確な音程と変幻自在な音色とテンポ操作はいかにもクレーメルらしく先鋭的で自信に溢れ、躍動感が強く、互いに触発しあう大変スリリングな演奏。先日のオペラシティでの演奏と最も異なるのは、録音と生演奏との違いもあるけれど、音色の多彩さ。

    2. チョン・キョンファ
      アンドレ・プレヴィン指揮ロンドン交響楽団
      1970年録音

      ロジェストヴェンスキーに負けない爆音を鳴らすプレヴィンにちょっと驚く。この中では最も古い録音ながら現代的感覚がするのはリズムとテンポのせいだろうか。当時の年齢がこの中では最も若いチョンが挑みかかるようにビュンビュン飛ばしていき、このヨーロッパデビューでセンセーションを起こしたというのが良く分かる。

    3. マキシム・ヴェンゲーロフ
      バレンボイム指揮シカゴ交響楽団
      1996年録音

      華やかな金管と上品な弦楽器と木管で、オーケストラの技量を十分引き出してるバレンボイムはさすがなのだが、おだやかなテンポが幾分この曲のスリリングさを消しているように思う。ヴェンゲーロフは十分に美音を奏でているが数箇所音を外していて、この曲の難しさに改めて気づく。
     先日のクレーメルの演奏を聴くまでは、この演奏が一番のお気に入りだった。

    4.神尾真由子
     原田幸一郎指揮日本フィルハーモニー管弦楽団
     2007年サントリーホール録音

      チャイコフスキーコンクール優勝凱旋公演。2のチョンとほぼ同年齢。なのだが、ダイナミクスに欠ける。音量は十分あるので今後に期待したい。シベリウスのあと演奏したチャイコフスキーのコンチェルトのほうがのびのび演奏していて向いているようだった。オーケストラは管楽器の技量不足による歯切れの悪さと全体的に重いのが気になった。
      

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    デジタルオーディオプロセッサー 

    自室で仕事をするときはデスクトップPCを使うが、このPCでiTunesを使っていると、他のアプリケーションが阻害されて、作業効率が落ちるので、iPodに外部スピーカーを接続したり、ノートPCでiTunesを起動させたりしている。ところが、ノートPCは何かジーッという雑音が入りどうも気に入らなかった。

    母のためにスピーカーを選んでいるときに、ONKYOのデジタルオーディオプロセッサー(SE-U55SX)を見つけ、以前からサウンドカードが欲しいと思っていたので、買ってみた。ノートの音が各段に良くなったのはもちろんだけれど、デスクトップに接続したときに他のアプリケーションが普通に動いてくれることがうれしい。

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    いままで、iTunesはクラシックの演奏には向かないらしいとは思っていたが、SE-U55SXにバンドルされていたONKYOのCarryOn Musicを使って、オーディオプロセッサーを接続せずにこれまでどおり直接外部スピーカー(YMAHA YST-MS201)に繋いでみた。音の解像度が違う。特にこれまで聴こえなかった小さな音の高音がはっきり聞きとれる様になった。ちなみにWindowsMadiaPlayerはこの2つのソフトの中間くらい。弦楽器の揺れる音がはっきり聴き取れるのはやはりCarryOn Music。スピーカーとの相性もあるかもしれないが。

    聴き比べたCDは以下の2枚

      MAXIM VEVGEROV & DANIEL BARENBOIM 
      & Chicago Symphony Orchestra
      Sibelius/Nielsen Violin Concertos
      TELDEC

      Bolero La Mer
      Prelude a l'apres-midi d'un faune
      Berliner Philharmoniker
      HERBERT VON KARAJAN
      EMI

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    シベリウス ヴァイオリン協奏曲 Vn.ギドン・クレーメル

    東京オペラシティ 「ウィークデイ・ティータイム・コンサート7」に行って来ました。夢のような2時間でした。お得な6000円。1階16列。
    Image1

    シベリウス《カレリア》
    アンサンブル金沢は小さなオーケストラだけれど、オペラシティのコンサートホールは音が良く響くので、音量も十分。オーケストラのあらは金管、特にホルンで目立つことが多いけれど、そつなくこなして一安心。トロンボーンはきれいだった。

    シベリウス ヴァイオリン協奏曲
    クレーメルは不機嫌なのか、ヴァイオリンを肩に担ぐような高い位置に持ち上げて登場。今日の装いも少しカジュアルな黒の長めのベスト・アンサンブル。白いシャツの袖口カフスの黒のパイピングがお洒落。
    出だしは、乾いた音で、あれっ。しかし、徐々に艶が増し、カデンツァは渋いながらも朗々と歌い上げ、少し長めの演奏だったような。第2楽章、演奏の温度が少し上がり、暖かいぬくもりを感じた。それはヴァイオリンのせいだけでなく、オーケストラが、アンサンブル金沢+クレメラ-タ・バルティカと人数がかなり増えて、初めは様子見だったものが、全体の呼吸があってきたからのような気がする。第3楽章、自然に身体が縦ノリになってしまうような疾走感の心地よさ。この音楽自体が本来持っている様々な色彩と響きをさらに強調、増幅させるかのように、百面相の変化を見せるクレーメルのヴァイオリンを堪能。昨年聴いたブラームスのヴァイオリンソナタのときの楽器は、ニコロ・アマティだったようだが、今日の楽器は別物のような音だった。気のせいかな。だとすると、昨年はクリスティアン・ツィメルマンのピアノと器(サントリー・ホール)の違いかしら・・・もっと甘い音色だったけれど。

    アンコールはカンチェリ、V&V。
    カンチェリはグルジア出身ということで、ロシアとグルジアが戦争状態にあることを「馬鹿だ。」とクレーメルは井上に言ったそう。平和を祈ってとのことだった。初めて聴く曲だった。ヴァイオリンの細い冷たい音が静かに響いて、祈りだということが伝わる。万雷の拍手。

    今日の聴衆は年配の方が多く、咳をしたり、くしゃみをしたり、何か物を落としたり、雑音が気になる場面もあったのだけれど、演奏者は集中力を切らせることなく無事演奏できてよかった。

    後半はグリーグプログラム。
    バルティカのホルベアの時代よりも合同のペール・ギュントもさっきのクレーメルの演奏を聴くのに集中力を使い果たして、リラックスして少々眠気が・・・
    フルートやオーボエ、クラリネットなど木管もきれいに響いたし、弦楽器全体、まとまっていてよかった。と、簡単すぎ?
    クレメラータ・バルティカがステージにでてきて着席したら、チューニングしないでいきなり演奏始めたのが、格好良かった。ペールギュントは一応全員でチューニングして用意ができたところで、井上が走ってきて、さっと演奏開始。時間が押していて焦っていたのね。アンコールのときも、時間がないと言っていた。

    そのアンコールは元気よく
    スーザ 海を越える握手

    井上がギドンと僕は同じ年と言っていた。私にはそうみえるけど。
    クレーメルの髪が昨年以上に真っ白だった。

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    ホームシアター用スピーカー

    先々週1週間我が家に泊まっていた母が、自分もテレビの音をもっと綺麗な音で聴きたいからスピーカーを選んでほしいと言って来た。昨年シャープの液晶TVに買い換えたのだが、音響が良くないらしい。以前からうちのTVは音が綺麗だと言っていたが、外付けのアンプやスピーカーの電源やらリモコンやらはTVの電源とはリンクしていないので、年寄りには操作し難いだろうと思い、シャープの純正スピーカーを調べたら、TV台と一体型しかないし、値段も安くない。実際の音を確認してないのではっきりしたことは分からないが、音響メーカーのスピーカーのほうが安心だろうと思い、ONKYOとDENONの製品を調べてみると、すべての製品でできるわけではないけれど、一応新しい型番のものであればリンクできるらしいことがわかった。手ごろな実売価格4~5万円前後のものを選んで資料を送った。あとは近所で懇意にしている電気屋さんに頼んで設置して貰うと言っていた。

    ONKYO HTX-22HD
    DENON  DHT-FS5

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    山下洋輔 『ラプソティ・イン・ブルー』

    9.11事件からちょうど7年目の昨夜、ニューヨークに関係の深い二人の作曲家の演奏会に行ってきた。

    前半は生誕90周年のレナード・バーンスタインの代表作『ウェスト・サイド・ストーリー』から。
    鈴木慶江、錦織健の二人の歌唱とメドレー。

    後半は生誕110周年ジョージ・ガーシュウィンの作品を中心に。
    まず、19歳中野翔太の『スタンド・バイ・ミー』この曲は私の中でベスト1がベン・E・キングと決まっているので、ふ~ん。という感じだったけれど、山下洋輔のピアノで歌った『サマー・タイム』は良かった。女の子のような高い声がちょうど嵌っていた。
    圧巻は山下洋輔の『ラプソディ・イン・ブルー』沼尻竜典率いる東京フィルも頑張ってはいたが、山下の迫力はそれを上回り、それはおそらく9・11事件へのレクイエムであり同時に応援歌でもあったように思う。すばらしかった。

    会場は渋谷bunkamura オーチャードホール。此処に来たのは久しぶり。
    1階席だけれど、2階席がかぶる30列、音響的にはいまいち。天井からの反響音が少ないので音量が小さい。これでS席というのはどういうものか?次このホールへ行くのは、来年のミハイロフスキー劇場ガラとコルプの世界だけれど、どうか前の席の人が、いい人でありますように。 

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    iPod Touch その4

    いつもできれば良いのにと思うことの一つに、【デジタル放送の録画をiPodに転送したい】ということがある。デジタル放送を録画した番組はCDやDVDで発売されてない最新の映像や音楽がたくさんある。これを友人にハイライトだけでも見せてあげたい、聴かせてあげたい、と思うのだけれど、そうするとYouTubeでも配布できるから難しいのかな・・・

    著作権は大事だけれど、ダビング10とかCPRMって、なんか不便。

    そのYouTubeではかつて販売されていたけれど、現在では入手困難、不可能なDVDやVIDEOの映像がたくさん流されている。著作権に関わる違法行為なのだろうけれど、買いたくても買えない(売ってない)映像作品は多い。だから、わざと映像の質を落として販売側が売れそうかどうかみるために流しているのではないかと思われるものもある・・・

    デジタル放送の録画映像と音声ををアナログ出力したものを、MP4とかに書き出せばできそうだけど、それってものすごく手間がかかって面倒。CPRM対応iPod、プレイステーション、ニンテンドーがあったらいいな。

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    iPod Touch その3

    もっといい音で鳴らせないかと思い、iTunesでのCDからインポートする際のエンコーダをAAC128kbpsからアップル ロスレスエンコーダにしてみた。確かに以前より音は豊かになったけれど、データ容量が3倍以上になる。全てをこのエンコーダで再インポートするのは不可能。ビデオを少し減らしてみたものの、この方法は手間もかかる。iTunesで曲を右クリックすると選択項目をApple ロスレス に変換というのがあるが、一旦切り捨てられたデータが回復されるはずはなく、この方向への変換は無意味。

    次は、ミニコンポの外部入力端子から、リビングの5.1chサラウンドスピーカー(YAMAHA)にアナログ接続してみた。ミニコンポよりむしろ軽快な音がした。これならHD付DVDにCDをかけてTV画面で曲順を確認するよりもずっと便利。大きなTV画面でみられるのはいいのだけれど、曲の詳細情報を確認できない。それとも出来る方法があるのかしら・・・
    いずれにしても、これではお風呂では聴けない。

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    iPod touch その2

    昨日、電機量販店で
    「お風呂でiPodの音楽を聴きたいのだけど、
    洗面所にオーデイオ本体は置いて使いたい。
    安いスピーカーとかヘッドフォンだと高音が抜けるのが気になる。
    だから、低音もいいけど、高音がいいものがほしい。」と話したら、
    「高音はONKYOかKENWOODがいいですよ。」と勧められた。
    そのときは、自分のiPodを持っていなかったので、
    あとで実際に自分のiPodを鳴らしてみて決めると言って帰ってきた。

    新しいミニコンポをかってもいいのだけれど、
    まずは今持っている機材で、少しでもいい音を出してみようと思い、
    10年近く前子供に買ってあげて
    今では使っていない(CDを読み取れない)
    AIWAのミニコンポとBOSEのスピーカーを接続して、
    外部入力端子にiPodを繋いでみた。
    PCの外部スピーカー(YAMAHAのサブウーファー付)
    に直接繋いだときよりは、いい音がした。
    でも、ミニコンポでMDをかけたときのほうがいい音がしたなぁ。
    やはり、これはiPodかiTunesのせいか・・・

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    N響 ”夏 2008”

    BSでファビオ・ルイージを迎えてのN響の演奏会を見た。

    チャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲は面白くなかったので、ほとんど聴いてなかった。
    次に、ベートーヴェン交響曲第7番!!この曲は大好き。

    第1楽章からこの曲についての今までの私の印象とはかなり異なる演奏で、えっ、えー?!
    第2楽章も元気な演奏。
    第3楽章、指揮者が踊ってる。
    第4楽章、指揮者が髪振り乱して、まるで狂ったように踊ってる!!

    以前見たときも、身体の動きが激しくて、初めはきれいに撫で付けられていた髪型が崩れて波打ち、まるで試合後のネスタのようだった。この人はイタリア人だからネスタと似ていたとしてもおかしくはないのだけれど・・・

    これが、N響でなく、シュターツカペレ ドレスデンだったら、どんな音だったのかしら。
    昨年東京文化会館にみに行った、チケット販売開始時にはルイージのはずだったのが交代した、準・メルクル指揮の『タンホイザー』の演奏は確かにきらびやかなところもあったけれど、なんとなくしっくりこなくて残念だった。
    後で、映像なしの音だけできいてみよう。

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    レイフ・オヴェ・アンスネス

    10月に聴きに行く予定のコンサートプログラムは、
    シューベルト ピアノ・ソナタ19番
    ベートーヴェン ピアノ・ソナタ14番『月光』
    ヤナーチェク 『霧の中で』

    ということで、アンスネスのシューベルトとヤナーチェクのCDを聴いてみました。Photo_2
    上龍がアンスネスのシューベルト ピアノ・ソナタ17番を気に入っているそうです。確かに17番(D.850)は何度も聴き返すほどに人生の様々な色彩が点描されていて飽きませんが、この後期ソナタの中で最も気に入っているのが20番(D.959)の第二楽章です。諦観と思われる暗いピアノ部の一つ一つの音の明瞭感が秀逸。
    今回はあまりドラマティックではないけれど美しいメロディーの19番(D.958)を持ってくるあたりに彼の姿勢が感じられます。

    シューベルトのあとはベートーヴェン『月光』
    静かで暗い情景の第1楽章と激しい情念の第3楽章との対比で有名な曲だけれど、この第3楽章は超速パッセージを弾きこなす爽快感もあるのだけど、ペシミスティックながらも折れない気持ちの強さがあって、このあたり、アンスネスの自分の演奏に酔わない、冷静なところがあっているのではないかと思われます。

    Photo_4 そして、ヤナーチェク&ニールセン。
    ヤナーチェクの『霧の中で』の演奏は、冷たい湿った空気と薄暗い中のかすかな光が感じられて優れた演奏だと思うのですが、私はニールセンのユモレスクの官能的な演奏に降参です。彼は、ペダルの使い方がうまいです。この辺りは、今回の演奏会でしっかり見て来ようと思います。

    N響の定期演奏会にも出演することに気づいたときは、すべてSold Outでした。
    こちらは、ラフマニノフ ピアノ協奏曲第3番。
    ラフマニノフ 練習曲 音の絵。
    あとレスピーギ ブルレスカ。この曲は聴いたことがありません。
    当日券はでないのでしょうか。

    ランランのようなパフォーマンスに優れた演奏は楽しいけれど、私は神経質で少し取り澄ましたような、それでいて芯の強い演奏をするアンスネスに嵌りそうです。
    ヴェルビエ音楽祭ではランランとキーシン、アルゲリッチ等と豪華な競演をしていて、お気に入りの映像です。

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    iPod touch

    こちらに引っ越してきて、あまりの暑さに、一日に何度かお風呂に入ることが多くなった。

    このとき、iPodで音楽を聴きたいのだが、なかなか良い方法が見つからない。iPod用アンプ内臓防水スピーカーというものもあるのだけれど、touchには対応していなかったり、あるいは出力が小さくて、私が聴きたいクラシックには向いていなかったり。(小さいスピーカーの宣伝文句に多い低音もしっかり響くといものだけれど、高音が聞こえないことが多い。これは年をとって高音が聞き取りにくいせいもあるかもしれないが・・・)

    そこで仕方がないので、普段PCに接続しているサブウーファー付の外部スピーカーを脱衣室において浴室の扉を開けてぬるいバスタブに浸かっている。東京ガスのショールームでミストサウナの体験をしたときヤマハのシステムバスもあったのだが、これには脱衣室側に外部音源接続端子があって、天井のスピーカーと壁全体のウーファーとで音楽を聴くことができてよかったなぁ。ここを改装するわけにはいかないが、なんかいい方法はないかしら。理論的にはユニットの壁全体をスピーカーにすることはできるのだけれど・・・

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    VOLKS OPER wien

    Image14 5月25日(日)2:30開演 於:東京文化会館
    ウィーン・フォルクスオーパー
    ヨハン・シュトラウス作曲『こうもり』聴いてきました。

    有名な序曲が演奏されると、期待が高まり、胸がワクワクします。
    4階席左側ですが、最前列だったので、比較的観やすく、オーケストラの響きはきれいでした。オーボエのソロがよかったな。

    オルロフスキー公爵、カウンター・テナーのヨッヘン・コワルスキーはその風貌に似合わない声で驚きとともに、妙なおかしさが感じられます。
    また、アデーレのダニエラ・ファリーは声も美しいけれど、なにより芝居に元気があって楽しめます。
    往年の名テナー、ルネ・コロが主人公ロザリンデの元恋人役で、見かけはおじいさんでとても恋人に見えないのですが、声はさすがに美しく、70歳過ぎには思えません。このミスマッチが、またおかしいところでもあります。
    他の歌手も、皆声がきれいだし、芝居上手です。

    ただ、難をいえば舞台が狭いので、2幕の舞踏会でのシーン、歌手たちに混じってバレエダンサーの踊りが窮屈そうでした。ウィーンフィルのニューイヤーコンサートでみたことのあるダンサーもいて、もっとじっくりみたかったのに・・・

    オペラはあまり詳しくない私ですが、この演目は超有名ですから大体のストーリーはわかっていたし、音楽も知っているし、ドイツ語は全く分からなくても楽しめました。
    3幕 刑務所長の部屋にアルフレートが連れて来られて、「職業は何?」と尋ねられたとき「テナー」といってました。字幕には「フォルクスオーパーの歌手」と出ていましたが・・・

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    レイフ・オヴェ・アンスネス

    王子ホールでのコンサートチケットがとれなかった。
    王子ホールは客席数315という小規模ホールで、演奏者との距離感が近いので好きなホールだ。
    仕方ないので、東京オペラ・シティでのコンサートチケットを申し込もう。チケットぴあやe+からのメールで気づかなかったのが、失敗だった。

    ツィメルマンのファンによれば、昨年クレーメルとの演奏では遠慮して弾いていたのではないかと言われていたようだったが、数箇所のミスタッチは気になったものの、透明感のある明るい音色は抜群だった。あれは、我が家のCDやDVDでは分からなかった。録音ではなく、ライブで聴けてよかった。もちろん、クレーメルは大好きだから、夢のようなひと時だった。

    アンスネスはライブではまだ聴いたことがない。今度こそチケットとらなくちゃ。

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    モーツァルト 協奏交響曲K.364

    音楽を聴く時、TVでDVDをかけることが多くなった。バレエをDVDで観る習慣のせいもあるかもしれない。聴覚だけが頼りのCDとは楽しみが異なる。

    Photo アーノンクールが振るウィーン・フィルとクレーメルのヴァイオリン、カシュカシアンのヴィオラ。1980年代の録画だから皆、若い。
    音の一つ一つが際立つ、なつかしいクレーメルの音だ。
    カシュカシアンのヴィオラはまるでチェロのような懐の深い音でヴァイオリンの音に寄り添う。クレーメルがヴィオラの演奏にだんだん乗せられていくのがわかる。
    カシュカシアンはまるで睨み付けるようななまざしでクレーメルを見ながら演奏していたのが、第三楽章のヴァイオリンとヴィオラの掛け合いでは、クレーメルに微笑みかけていた。そしてクレーメルも。
    そして、アーノンクールは大きな碧眼をグリグリ動かしながら、楽員たちを思いどおりに動かしていく。

    いつかはウィーン楽友協会ホールでウィーンフィルを聴きたい。

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    「タンホイザー」準・メルクル指揮 ドレスデン国立歌劇場 

    オペラは詳しくないけど、結果から言うと、まあまあだったかな。

    一幕前半ところどころ寝てました。
    舞台は幕が開いた瞬間不思議な光景が広がって面白かったのですが・・・
    タンホイザーと思しき、あるいはそのような類の人物のモティーフであるお人形が空中に放り投げられ、緑色の女性たちが滑り台を滑り降りてきます。なんだぁ?
    明るくなると、球を4分割した曲面が滑り台になっていたことが分かり、舞台装置に感心しましたが、なんかヴェーヌス(エヴリン・ヘルリツィウス)もタンホイザー(ロバート・ギャンビル)も声がくぐもっていて魅力がないぞ!?そのうち、お人形の首がちょん切れて、薄気味悪いし。

    大きな羽を背負った小さな羊飼い(クリスティアーネ・ホスフェルト)が出てくると、ころころと転がるようなソプラノで此処で初めてなんか安心。

    舞台とオーケストラピットを交互に見ていたけど、指揮者のアクションと演奏があってなくて、目の錯覚かと思ったけど一度ならず、度々のそのずれに思い悩む。もしかしてシュターツカペレとメルクルってリハーサルしてない?それとも指揮者を無視してる?

    二幕になり、エリーザベト(カミッラ・ニールンド)、急遽代役のヴォルフラム(アラン・タイトス)は可もなく不可もなくという感じ。
    領主へルマン役のハンス=ペーター・ケーニヒは美しい声でやっと来た甲斐があったと思った。
    舞台装置は今度は大階段が設置され、そこから響くファンファーレと合唱は迫力があった。有名な合唱部分はさすがにすばらしかった。心が浮き立つメロディラインで思わず一緒に歌いそうになった。

    三幕は左側に一輪の大きなドライフラワーのようなものがあってとても気になったのだけれど、あれは何の花だったのだろう?酔っ払っていたはずのヴェーヌスが最後、エリーザベトとタンホイザーを抱きかかえていたけど、あの枯れた花のせいで、二人はこの世では幸せになれなかったことが強調されたようで、なんともすっきりしなかった。もっと、勉強していけばよかったな。

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    GIDON KREMER & KRYSTIAN ZIMERMAN

    ギドン・クレーメル & クリスチャン・ツィメルマン 演奏会
    昨夜のプログラム

    ブラームス ヴァイオリン・ソナタ第2番

                       第1番

                       第3番

    アンコール

    ニノ・ロータ La Dolce Vita 甘い生活

    モーツァルト ヴァイオリン・ソナタ第39番 第1楽章、第2楽章

    **************************

    穏やかな気分で始まったコンサートは、非常に透明性の高い軽快なピアノに誘われて、メランコリックになることもなく心地よいヴァイオリンのメロディーが流れる。穏やかで温かな気持ちのまま2番は終わる。

    そして1番。すごい!ノッてきた。なんだかクレーメルとツィマーマンが天使と悪戯っ子を交互に演じ分けているかのような扇情的な演奏で、まるで若者のよう。うっとりとした気分が会場を覆う。ステージ上部のアクリル製の反射板にそれぞれ異なる角度の二人の動きが映ってとても面白かった。

    休憩を挟んで、3番。出だしが恐ろしく早い。悲しみに打ち沈んでる暇などないといっているかのように矢の様な演奏。だんだん、落ち着いてはきたけれども、正確な音階の中に突然含まれる意表を突く音が、昔のクレーメルの音を思い出させた。呼応するツィマーマンが、2番のときとは別人のような激情を見せる。結局あっという間に終わってしまった。

    甘い生活はそのまま、とてもロマンティックで軽妙な演奏。二人とも楽しそう。聴いているこちらもすごく楽しい。

    モーツァルではこのままこの夢見心地が続いたらいいのにと思いつつ、アンコール終了。

    全然関係ない、ヴィム・ヴェンダース監督の「ベルリン 天使の詩」を思い出した。

    サントリーホールの4列目右側で、演奏者に近く直接音が間近に聴こえて、得した気分で帰宅。

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    ギドン・クレーメル

     今週、クレーメルとクリスティアン・ツィマーマンのブラームスヴァイオリンソナタ全曲リサイタルとドレスデン歌劇場:準メルクル指揮の「タンホイザー」を聴きに行く予定。

     クレーメルは1980年代から好きで、曲者と思ってきた人だが、最近はなんか温和になったというか棘があまり刺さらなくなってきたように感じる。クレーメルとアファナシエフとのブラームスヴァイオリンソナタはCDでしか聴いたことないが3番が特に美しい。メロディーは2番が好きだが、演奏はメランコリックに成り過ぎない3番が素晴らしいと思う。
     今年の6月のクレメラータ・バルティカとの演奏を聴いた感じでは、マーラーの交響曲10番アダージョでも切なさが迫ってくる感じではなく、喪失感を漂わせているのがクレーメルだけなのは致し方ないものか。
     ショスタコーヴィチのヴァイオリンソナタのアレンジは面白かった。ヴァイオリンもクレーメルのソロだけではないので、重厚な中にも華やかさもあった。ショスタコーヴィチが62歳のときの作品だから今のクレーメルに近いのね。
     カンチェリ リトル・ダネリアーダは、可愛らしい曲を可愛らしく素直に演奏するクレーメルを初めて聴いた気がする。
     ピアソラはソロではなくてクレメラータがいるので、割と普通。

     ツィマーマンとの競演はどうなるのか、とても楽しみ。

     そして問題(?)のドレスデン歌劇場、指揮者の交代劇があって、今度は歌手が病気で出演できなくなった。大丈夫か?指揮者はメルクルのほうが「タンホイザー」に慣れているからということのようだが、ファビオ・ルイジ聴きたかった。イタリア人指揮者が振るゼンパー・オーパーというと、ジュゼッペ・シノーポリ。シノーポリが振ったタンホイザーはバイロイト祝祭管弦楽団のDVD観て予習したけど、舞台装置が好みじゃなかった。先だって小澤征爾指揮、ロバート・カーセン演出の画家 タンホイザーをテレビで観ておもしろかった。
     オペラって、正直言ってバレエより出演者がビジュアル的に美しくないし、声が大きすぎて頭に響くので疲れる。幕間の休憩時間が大切なのはわかるけど、30分×2は長すぎないか?今回のゼンパー公演。舞台の設置に時間がかかるのかなぁ。

     海外のオペラハウス(バレエも含む)引越し公演って、やたらとチケット高いので、自国のチケット料金見ると安くてびっくり。日本でも新国立劇場の舞台は比較的安いから、そんなものかもしれないけど・・・
     ウィーン・フォルクスオーパーの「こうもり」だってチケット代高かったが、ゼンパー・オーパーの半額だった。ウィーン国立歌劇場公演 来年 来日するけど、これもきっと高額に違いない。これに行くなら、バレエ3回観られそう。
     

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    opera 蝶々夫人

    Photo_12

    少し前になるが、新国立劇場で高校生のためのオペラ観賞教室『蝶々夫人』を観て来た。
    高校生は2100円、一般にも当日券のみ4200円で販売があり、1階22列34、35、36番 1階の最後列の右端(とはいっても中央よりも少し右より程度)での観賞してきた。

    高校生のためのオペラ観賞教室は新国立劇場開館以来ずっと続いている企画らしくこれまでもカヴァレリア・ルスティカーナ、カルメン、トスカなどの公演があったとのこと。劇場内は初めてオペラを観る高校生がほとんどなので、開演当初はすこしざわめきがあったりしたけれども、演奏するほうも美術も脚本も手抜きなしで見ごたえがあった。

    蝶々夫人を演じた方が知り合いなので、楽屋にお祝いを述べに伺ったのだが、さすがに新国立劇場の舞台裏は広い。今度、劇場内ツアーに参加させてもらって館内をぐるっと見てみたい。

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    オルフ「カルミナ・ブラーナ」全曲 バレエ付

    叔母が入っている合唱団サウンドブリッジ公演を観にいった。
    みなとみらいホールは交通が便利だし、音響も心地良く、何よりこの企画・演出がすばらしかった。とても幸せな気分。また隣の席に座った男性のグループは席に着いたときから、関係者だろうと思われるカッコいい人たちだったが、終演後舞台に呼ばれて花束をもらっていた。合唱の指導スタッフの方たちのようだ。(初谷敬史さんはまるで俳優のようなオーラでした。)

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    指揮:内藤彰
    演出:中津邦仁
    バレエ振り付け:小仲井宏美
    舞台監督:中杉雄一 
    照明:勝又伸夫

    演奏について

    東京ニューシティ管弦楽団は温かみのあるやさしい演奏で好感がもてる。
    ソプラノ 針生美智子は日本人離れした声量ですばらしかった。魔笛 夜の女王のアリアは全体的には安心して聴けた。ただクライマックスの高音部分がもう少し軽やかだとよかったかな・・・とはいっても有名なこの難曲、なかなか満点!という歌唱にはであえない。
    バリトン 安藤常光は安定した美声と歌唱法で快い気分にさせてもらった。
    バレエの振り付けもおもしろかったが、男性舞踊手のサポートがうまくいかない場面が目立ったが、舞台が狭いので派手なジュテなどはできないので、もっと柔らか味のある踊りが観たかった。
    合唱は当初、オケとタイミングがずれてリズム感が悪く心配したが、だんだん合ってきてよかった。これだけの舞台、リハーサルもおそらくままならなかっただろうと思うと、よくやっていたほうかな。

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    いずれにして、合唱団の家族や友人が観客の多くを占めていたと思われるが、みんな思った以上に楽しめて得したのではないかと思う。

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