音楽

2018年4月21日 (土)

定額制音楽配信サービス

少し前から気になっていたSpotifyですが、無料プランに登録してみたら、他のサービスに比べてクラシックに関しては断然登録されているアーティストも曲数も多くていい感じだと思われた。プレミアムに登録しても初めの3か月は100円。
次々と気になる演奏家を検索して登録すると、最新アルバムから古いものまでかなり万遍なく(もちろんないものもあるけど)表示してくれる。
このまま、月額980円払ってもいいかもしれないと思い始めていたりする。

apple musicでクラシックを検索するとニューアルバムが表示されて、古澤巌とかTUKEMENとかが表示され、日本向けに特化されているのが面白い一方、何気にcuratorにはChandosとかDeutsche Grammophon、Naxos、Decca、harmonia mundi、はたまたMETとかBBC等もあって各レーベルが今売りたい音源はある。はじめてのクリスチャン・ツィメルマンとかはじめてのスヴヤトスラフ・リヒテルというような「はじめてシリーズ」プレイリストもあったりして親切。今まで長いことiTunes使って音源管理してきたから馴染深い。でも表示が、がちゃがちゃしてうるさいのは好みの問題かな。

CDとかDVDとかの媒体からストリーミングサービスに移行しているのは時代の流れで仕方ない気もするけれど、やはりレコードとかCDとかを持っているとなんとなく安心するけれど、これらを管理するのも大変で、実際にはこれまでもHDに取り込んでiTunesで管理していたわけでね。

2018年3月16日 (金)

ダニエル・ゼペック 無伴奏

2018.03.07 トッパンホール

テレマン:12のファンタジーより第9番 ロ短調 TWV40:22
ルチアーノ・ベリオ:セクエンツァ 第8(1976)
ビーバー:《ロザリオのソナタ》より第16曲〈パッサカリア〉
ボッソベ
スティーヴ・ライヒ:ヴァイオリン・フェイズ(1967)
J.S.バッハ:無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第2番ニ短調BWV1004

アンコール
カプスベルガー:アルペッジャータ

私は古楽が苦手で、バロック音楽というとバッハ(1685-1750)、ヘンデル(1685-1759)、スカルラッティ(1685-1757)、ヴィヴァルディ(1678-1741)くらいしか普段聴かないし・・・テレマン、ビーバーは名前しか知らないけれど、ゼペックの演奏なら安心。きっと満足できると思って出かけた。
テレマンの曲は初めて聴く曲だった。私と同じように古楽には興味がなさそうな人が結構いて眠っている人が散見された。(私はかなり前の中央にいたにも係らず)。
ベリオは不協和音の重音が反復される中に、静かなフレーズ、激しいフレーズが挟み込まれてとても演奏するのが難しそうな曲だけれど、現代曲として聴きやすい曲。
ここまで無難な立ち上がりのゼペックだったが、ビーバーのパッサカリアは、以前ロザリオのソナタを録音しているだけあって、熱演だし、完成度の高いすばらしい演奏だった。本人も満足の行く出来栄えだったようで、うれしそうだった。

驚いたのが、休憩明けのボッソベ。PAを使って流した民族音楽だけれど、音がクリアで大迫力。初めは立っていたゼペックが、音の状態を確認すると舞台上にしゃがみ込んでしまった。民族音楽がフェイドアウトして連続してライヒの曲がはじまるのだけれど、PAの音響が素晴らしすぎて、ゼペックが自分で録音した音の重なりと、目の前で演奏している生の音との区別がつきにくい。影分身の術!それとルトスワフスキのピアノ協奏曲をツィメルマンがレクチャーした時に聴講生を4つのパートに分けて「とろ」「まぐろ」「てっかまき」「とうもろこし」と言わせて音のうねりを実験させた時のことを思い出して楽しくなった。

http://luncheon-today.cocolog-nifty.com/blog/2008/11/post-1dfa.html

バッハのパルティータ第2番は非常に丁寧に真摯な演奏で、ダニエル・ゼペックという人は奇をてらわない真面目で誠実な人なのだろうと思った。自分の個性を前面に押し出すことよりも曲そのものが持つ力を表現することに力を注ぐ。結果として今回のテーマでもある反復と宗教という枠を通り越してぐるぐると旋回しながら外へ外へと広がりながら無限大へと向かっていくように感じられた。

アンコール曲はリュート用の曲をゼペックがヴァイオリン用に編曲したものとのこと。

カンブルラン;ルガンスキー:読響 第575回定期演奏会

2018.02.16 サントリーホール

チャイコフスキー:幻想曲「フランチェスカ・ダ・リミニ」作品32
ラフマニノフ:パガニーニの主題による狂詩曲 作品43
ラヴェル:組曲「クープランの墓」
レスピーギ:交響詩「ローマの松」

アンコール
ラフマニノフ:前奏曲 作品32-5


多​彩​なで華やかなプ​ロ​グ​ラ​ム​の一夜。
​演​奏​会​の​テ​ー​マ​は​「​イ​タ​リ​ア​」​と​「​死​」なのか。
1曲目の「​フ​ラ​ン​チ​ェ​ス​カ​・​ダ​・​リ​ミ​ニ」​は​ダンテ「​神​曲​」​地​獄​篇​に​登​場​す​る​ラ​ヴ​ェ​ン​ナ​領​主​の​娘​。2曲目の「​ニ​コ​ロ​・​パ​ガ​ニ​ー​ニ」​は​イ​タ​リ​ア​人​。3曲目、​ク​ー​プ​ラ​ン​も​ラ​ヴ​ェ​ル​も​フ​ラ​ン​ス​人​だ​け​れ​ど​、​「​ク​ー​プ​ラ​ン​の​墓​」​の​中​の​フ​ォ​ル​ラ​ー​ヌ​は​イ​タ​リ​ア​起​源​の​舞​曲​。​4曲目「​ロ​ー​マ​の​松​」​は​言​わ​ず​と​知​れ​た​イ​タ​リ​ア​人​作​曲​家​に​よ​る​イ​タ​リ​ア​の​情​景​を​描​い​た​も​の​。​プ​ロ​グ​ラ​ム​後​半​の​色​彩​の​豊​か​さ​と​ユ​ー​モ​ア​が​秀​逸​で​テ​ミ​ル​カ​ー​ノ​フ​は​素​晴​ら​し​か​っ​た​。​そ​れ​に​応​え​た​読​響​も​良​か​っ​た​。


​ル​ガ​ン​ス​キ​ー​目​当​て​で​取​っ​た​チ​ケ​ッ​ト​だ​っ​た​け​れ​ど​、​ピ​ア​ノ​協​奏​曲​と​し​て​は​い​ま​い​ち​の​出​来​だ​っ​た​か​も​・​・​・​オ​ー​ケ​ス​ト​ラ​と​合​わ​せ​る​時​間​が​な​か​っ​た​の​か​な​。​ア​ン​コ​ー​ル​で​弾​い​た​ラ​フ​マ​ニ​ノ​フ​の​前​奏​曲​は​素​晴​ら​し​か​っ​た​。

2018年3月13日 (火)

ルノー・カプソン & 児玉桃 2018

2018.03.12 トッパンホール

ラヴェル ヴァイオリン・ソナタ(遺作)
フォーレ ヴァイオリン第1番イ長調 Op.13
メシアン 主題と変奏
サン=サーンス ヴァイオリン・ソナタ第1番ニ短調 Op.75
ラヴェル ツィガーヌ

アンコール
ドビュッシー ヴァイオリン・ソナタ 第3楽章
マスネ タイスの瞑想曲

2013年4月と2015年6月にトッパンホールでカドゥシュとのリサイタルを聴いて以来の生カプソン。ピアノが児玉さんなので大いに期待して出かけた。この演奏会のチケットは早くから売れていたので、私にしては珍しく中央通路よりも後ろの席だった。

ラヴェルのヴァイオリンソナタはよく聴くト長調ではなくイ短調の物憂げで、ラヴェルにしては寒色系の色彩で彩度の差が大きくない曲。児玉さんがかなり楽譜をがん見していて、いまいち息が合っていない感じで、もう少しピアノの音量を抑えた方が良いかもしれないなぁ、などと思いながら聴いていた。尤も、メニエール病を治療中で私の耳が万全じゃないので、いい加減だけれど。この曲の初演をエネスクはどんな風に演奏したのだろうか。カプソンはいつものように丁寧で綺麗な音づくり。

いったん舞台袖に下がってからあまり間をおかずに、前のラヴェルの哀切を引き継いだかのようにイ長調のフォーレのヴァイオリンソナタは始まった。この曲は前の曲に比べてずっと演奏機会の多いものだし、ピアノパートがピアニスティックなので、この二人のギアがちょっとずつローからミドルくらいに上がってきて、私の席からでも、ときおりカプソンの息遣いが聴こえるようになり、こちらの心拍数も上がってくる。

休憩時間にピアノの調律をしていた。私はブラームスのピアノ四重奏のCDを買ってブックレットにゆっくり目を通した。この演奏は2008年とのことなので10年も前のものだ。今でもCDを発売しているけれど、日本以外でも売れているのかしら。

休憩明け、少し帰った人がいて私の前の席が空いた。
メシアンの曲は変奏を繰り返すうちにどんどん螺旋状に宇宙が広がっていき、エネルギーが増していく。たっぷりとした厚みのあるピアノの音はまるでオルガンを聴いているようで、素晴らしい演奏だった。調律したピアノと前の席が空いたせいもあって、音がクリアで直接音が聴き易くなった。このピアノに触発されてヴァイオリンの方も熱くなっていく。メシアンの曲は演奏する人によっては、理知的で魅力的であっても金属的な印象を受けるものだけれど、ここではグァルネリの少し野性的な暗い音色が生き生きとして官能的魅力を発揮する。

そしてサン=サーンス!!前半同様メシアンの後一旦袖に下がるけれども、すぐに先ほどの熱が残っている舞台に戻ってきて演奏開始。この曲はとても深く激しい愛情の交歓に嫉妬とか憎悪とか慰めとか、ありとあらゆる感情がめまぐるしく変化するスケールの大きな大好きな曲の一つ。先ほどのメシアンではオルガンの様なと表現したけれど、この曲に関しては舞台にオーケストラが載っているかのようなダイナミクス。先ほどまでほとんど眠っていた人たちが、はっとして目を開いたのがわかる。そう、これこそクラシック音楽なんてとか、室内楽なんて退屈と思っている人でも驚く激しく熱いパフォーマンス。カプソンさんにまるでテツラフさんが乗り移ったかのように周囲を焼き尽くすまさに阿修羅のようだった。
BRAVI!!!
この曲の録音で好きなのは五嶋みどりとロバート・マクドナルドの演奏で、初めてこのCDを聴いたときに二人はプライヴェートなパートナーなのかと思ったほどだったけれど・・・

大喝采のあとのツィガーヌ。
いかにもカプソンらしい骨太で筋肉質な長い息遣いの音でこれも素晴らしい。

アンコールの定番タイスの瞑想曲だけれど、この曲で泣かされたのは2回目。以前はムターの慈愛に包まれタイスの心境そのものに心動かされた。この日はアタナエルの腕の中で天に召される法悦のタイスだったような気がする。

2017年10月 8日 (日)

レオニダス・カヴァコス

来月11月にはレオニダス・カヴァコスとエンリコ・パーチェの公演があって、私はとても楽しみにしている。

カヴァコス一人でもぜひ聴きたいけれど、そこにパーチェがいるなんてとっても贅沢。
明るく澄んでいながら暖かい音色のカヴァコスは演奏技術がピカイチなのに、それを誇示することがなくて聴いている人に緊張を強いることがない。一方パーチェの方はキレキレの演奏で尚且つ情熱的。パーチェはツィンマーマン親子(フランク・ペーター&セルゲ)とも演奏しているけれど、やはり超絶技巧を誇りながらもどっしりと構えた演奏のフランク・ペーターに対して、パーチェはまるで挑発し追い込んでくるかのようなところがあって実に面白い。
なんといっても現在のヴァイオリン奏者の中では最も脂が乗り旨味のあるカヴァコスは聴き逃せない一人だ。
それなのになぜかさいたま芸術劇場ではまだチケットがたくさん残っている。どうして~。さいたま市民だけでなく、ぜひぜひ聴きに行って欲しい。さいたま芸術劇場のHPで人気者アンドレアス・オッテンザマーに彼らのPRをさせている。彼のようなイケメンではないけれど、カヴァコスの人懐こい大型犬のような姿を直に見て欲しい。あの大きな体格だからこそ生れるしなやかで力強いエネルギーをぜひ体験して欲しい。
ちなみに、トッパンホールは売り切れでーす。

2017年7月20日 (木)

ツィメルマン新譜

今年はヨーロッパでバーンスタインの交響曲第2番『不安の時代』を演奏予定のツィメルマン。日本での演奏予定はなさそうで淋しい限りですが、9月に新譜が出るようです。

シューベルトのソナタ20番と21番(D.959とD.960)で早速予約はしたのですが、なんとレコードも出るのですね。レコードは今はやりですし、以前彼はCDよりもSPレコードの方が良かったと言っていた気がします。発売されるのはLPのようですね。2枚組となっています。2枚組?片面?
なんだか欲しいけれど、我が家のレコードは10年ほど前の引越時に全て捨ててしまって、プレーヤーも同時に捨てたので新たにプレーヤー買わないと聴けません・・・
というか、DGとの揉め事は解消したのでしょうか。
ショパンのソナタ2番と3番も新譜出してください。ライヴ録音いっぱいあるでしょう?
ドビュッシーの映像も背筋がゾクッとして寒気を感じるほど感銘しましたし。
ブラームスのコンチェルトもベートーヴェンのコンチェルトも良かったけれど、やっぱりリサイタルの方が好きです。シューベルトのリサイタルはこのブログに感想書いていませんが、所沢とサントリーホールで聴きました。これまで聴いたことのある誰にも優る音楽の愉悦性を感じました。特にD.959では左足がリズムセクションのようになっていて、とても楽しくなりました。
録音は柏崎でのものとのことです。手許に届くのが待ち遠しいです。

2016年1月 2日 (土)

2015年 舞台鑑賞記録(3)

15) 11.15 ピレシュ ★★★
さいたま芸術劇場 音楽ホール
●シューベルト:4手のためのアレグロ イ短調 D 947
                        「人生の嵐」
●ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第31番 変イ長調 作品110 [ピリス]
●ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第21番 ハ長調 作品53
        「ヴァルトシュタイン」[グーアン]
●シューベルト:幻想曲 ヘ短調 D 940
【アンコール】
●クルターグ:《遊び 第3集》より
              〈シューベルトへのオマージュ〉

グーアンはテクニックには問題ないし、十分聴かせることのできる表現力もあると思う。でも、やはりピリスのもつ芸術性の前には赤子同然だった。ベートーヴェンのソナタ31番における迫力たるやアルゲリッチ、ポリーニやツィメルマンに勝るとも劣らないもので、あの小柄な身体のどこにあれだけのパワーが秘められているのかと不思議に思った。
特に、2日前11月13日にあったパリの同時多発テロ事件(その真相はともかく100名以上の人が亡くなった)の直後であったためか、沈鬱な嘆きの歌の後のゴーン、ゴーンと鳴り響く鐘の音は激しい怒りの表出でもあった。その感情の渦に巻き込まれて、なす術もなくただ茫然とし、涙が落ちるままだった。
最前列で見るピリスの顔は、非常に個人的なことで恐縮だけれども、在りし日の祖母の顔にそっくりで、余計に私の心が揺さぶられたのだった。

16) 11.26 マリインスキー劇場 バレエ「ジュエルズ」
    アレクセイ・レプニコフ:マリインスキー管弦楽団
文京区シビックホール
●エメラルド ★
 ヴィクトリア・マクラスノクーツカヤ  アレクサンドル・セルゲーエフ
 ヴィクトリア・ブリリョーワ  ローマン・ベリャコフ
 ナデージダ・ゴンチャール  スヴェトラーナ・イワノワ
 エルネスト・ラティポフ
●ルビー ★★★
   ナデージダ・バトーエワ キミン・キム
   エカテリーナ・コンダウローワ
   デニス・ザイネトジノフ ワシリー・トカチェンコ
ヤロスラフ・バイボルディン アレクセイ・ネドヴィガ
●ダイヤモンド ★★
   クリスティーナ・シャプラン ティムール・アスケロフ
   エレーナ・アンドローソワ エカテリーナ・イワンニコワ
   ディアナ・スミルノワ ズラータ・ヤリニチ
   ローマン・ベリャコフ ヤロスラフ・プシュコフ
   アンドレイ・ソロヴィヨフ アレクセイ・チュチュンニック

バレエを見る回数が少なかった2015年だけれどこれは見に来て良かった。まず、マリインスキー管弦楽団は2軍だろうか、3軍だろうかと心配したけれど、バレエの公演でこれだけの演奏を聴けることは非常に珍しい。特にストラヴィンスキー、チャイコフスキーはさすがにお国ものだけあり、音楽だけでも十分聴ける出来栄え。ボリショイ劇場もバレエ公演時に劇場オケを同伴するが、オケの実力ではさすがにマリインスキーの方が上手だった。新国立劇場バレエ公演における東京フィルの演奏も立派なので、他のバレエ団もこれらに負けないような演奏をしてほしいものだ。 舞台美術と衣装も美しい。英国ロイヤルとかパリ・オペラ座の様な豪華なセットではないのに、シンプルでありながら安っぽくならないところがさすが。
エメラルドは特に可もなく不可もなくというところ。
ルビーはバトーエワの柔かくしなる肢体と俊敏な動きが素晴らしく、コケティッシュな表情に魅了されっぱなし。キムも体つきは少し貧弱だけれど、バトーエワのパートナーを立派に務めた。それにコンダウローワがストラヴィンスキーのジャズィーな曲調に合わせて大輪の花が舞っているようだった。この三人の華やかさと音楽のノリの良さが相まって、当初はヴィシニョーワで見られなくて残念だと思っていたのに、結果的にこれまで見たルビーの中で最も印象的なものとなった。
ダイヤモンドはいかにもマリインスキーらしい、正統派の白のバレエの決定版ともいうべき端正な美しさだった。

17) 11.29 ツィメルマン ★
所沢ミューズ アークホール
後述

18) 12.09 ギエム ラスト ★
川口りりあ 大ホール
後述

12.11 ツィメルマン
東京文化会館 中止

 

12.16 ボリショイ・バレエ・inシネマ 「くるみ割り人形」
アンナ・ニクーリナ デニス・ロヂキン
アンドレイ・メルクーリエフ ヴィターリー・ビクティミロフ

これは映画だけれど、家のTVで見るのとは映像も特に音の迫力が違うので3000円払うだけの価値はある。
ニクーリナもロヂキンも若くて美しいから、この演目にふさわしい。メルクーリエフもドロッセルマイヤー役とはいえ、まだまだ踊れる。それにこの演出は子供っぽくないので、最後まで楽しめた。「椿姫」が上映される1/13はツィメルマンのリサイタルがあり、ザハロワとチュージンが見られないのは残念。再上映があるといいのだけれど。「じゃじゃ馬ならし」と「ドン・キホーテ」はぜひ見たい。

19) バッハコレギウムジャパン
  さいたま芸術劇場 音楽ホール

●ヘンデル オラトリオ ★★

後述

2015年 舞台鑑賞記録(2)

09) 07.11 アンサンブル・ウィーン・ベルリン ★
  さいたま芸術劇場音楽ホール
カール=ハインツ・シュッツ(フルート)
クレメンス・ホラーク(オーボエ)
アンドレアス・オッテンザマー(クラリネット)
リヒャルト・ガラー(ファゴット)
シュテファン・ドール(ホルン)
●ハイドン:ディヴェルティメント
●メンデルスゾーン:《真夏の夜の夢》木管五重奏版
●ドヴォルジャーク:《スラヴ舞曲集》より
●バーバー:夏の音楽 作品31
●デリベラ:アイレス・トロピカレス
●ガーシュウィン:《ポーギーとベス》木管五重奏版
【アンコール曲】
●ドヴォルジャーク(シェーファー編曲)
                       :《弦楽四重奏曲第12番 ヘ長調》作品96
                         「アメリカ」より 第3楽章

連日徹夜に近い状態で疲れがたまっている時期だったので、もしかして演奏中に寝ちゃったらどうしようかと一抹の不安を抱えていた。しかし全くの杞憂だった。楽しかった~!!一気に疲れが吹き飛んだ。 オーボエがジョナサン・ケリーからクレメンス・ホラークへの変更になったせいか、オーボエが少々おとなしく感じられたのと、オッテンザマーが一番若いのでスタンドプレーがなかったせいで、アンサンブルとしてはうまくまとまっていた。普段はあまり目立つことの少ないファゴットの音が一際美しく響いて印象的だった。

10)  09.11 アントン・バラホフスキー;ナジ=タカーチ
       :紀尾井シンフォニエッタ東京
  紀尾井ホール

【紀尾井シンフォニエッタ東京第101回定期演奏会】
●ベートーヴェン:劇音楽「シュテファン王」序曲Op.117
●チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲二長調Op.35 ★
●メンデルスゾーン:交響曲第5番二長調Op.107「宗教改革」★★
【ソリストアンコール】
●チャイコフスキー「エフゲニー・オネーギン」より
          第2幕レンスキーのアリア「青春は遠く過ぎ去り」★
【オーケストラアンコール】
●ペルト フラトレス ★

バラホフスキーの名を初めて知ったのは、ハンブルクバレエ「人魚姫」でのソロ演奏。これがとても良くて、難しそうなアウエルバッハの曲が素直に心に響いたのを覚えている。今回コンサートマスターとしてではなく彼がソロ演奏するということでぜひ聴いてみたいと思った。また、指揮がタカーチ=ナジとあって興味を惹かれた。タカーチSQのバルトーク弦楽四重奏曲のCDは84年版も96年版も好きだし、アンドラーシュ=シフとのブラームスピアノ五重奏曲も好きだ。でもタカーチ=ナジの演奏を生で聴いたことはない。演奏曲目が別のものだったら良かったのにと思いつつ、興味本位でチケットを買った演奏会だった。 少し早く四ツ谷についてのんびりとお堀に沿って歩いていたら、ニューオオタニの方からタカーチ=ナジとコンサートマスターの千々岩さんと思しき二人連れが歩いて来るのが見えた。ナジは髪が薄くなったとはいえ長身で素敵だった。いつも大きいなと感じるバラホフスキーとステージで並んでも、さほど身長は違わなかった。 紀尾井シンフォニエッタは室内オケとは思えないほど音量が豊かで、室内オケだからこそのアンサンブルの良さがあって心地よい。チャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲は特に好きな曲ではないけども、バラホフスキーの演奏はソリストとして目立ちすぎることなく、無難ではあるけれども凡庸な演奏ではなかったため、新鮮に感じられた。 この日はアルヴォ・ペルト80歳の誕生日ということで、またおそらく911への追悼と鎮魂を込めてフラトレスがアンコールで演奏された。クレーメルの演奏を聴きなれていたせいか、それと比較すると攻撃的でない穏やかな静けさが感じられた。

11)09.14 ニコライ・ルガンスキー
  ヤマハホール

●フランク,H.バウアー編曲:前奏曲、フーガと変奏曲ロ短調Op.18
●シューベルト:ピアノソナタ第19番ハ短調D958 ★★
●グリーグ:抒情小曲集より第1集Op.12-1アリエッタ
     第3集Op.43-1蝶々★
     第8集Op.65-6トロルハウゲンの婚礼の日★★
●チャイコフスキー:ピアノソナタ(大ソナタ)ト長調Op.37★
【アンコール】
●N.メトネル/忘れられた調べ より カンツォーナ・セレナータ
●S.ラフマニノフ/楽興の時 第4番 ホ短調 Op.16
●N.カプースチン/インテルメッツォ ★★★
●P.チャイコフスキー(ラフマニノフ編)/ララバイ Op.16
●F.ショパン/ワルツ 第7番 嬰ハ短調 Op.64-2

ロシア人の体力は底知れずなのか?アンコールだけで30分以上演奏していた。 年齢からすると今のルガンスキーはテクニックの冴えと表現の豊かさとのバランスが取れている時期なのだろう。ヤマハホールという小さな器ではもったいない様な気がした。もっと多くの人に聴いてもらえたらいいのに、ということと同時に、決して音響が悪いホールではないけれども、全身に音を浴びるような感覚を味わえるホールが他にある。ステージ前方からの音圧が強い分明瞭な音は聴こえるので、ピアノのレッスンをしている人には聞きやすくていいかもしれない。ヤマハのピアノは芯のある素直な立ち上がりの音をしていたと思う反面、華やかさは少な目だったかも。

12)09.30 ペライア;ハイティンク:LSO 
  川崎ミューザ

●モーツァルト ピアノ協奏曲第24番ハ短調K.491
●ブルックナー 交響曲第7番(ノヴァーク版)★★★

ペライアのモーツァルトは美しかったとは思うのだけれど、感動には至らず途中で眠くなってしまった。一方ブルックナーの方は、感動と興奮が押し寄せてきて、圧倒された。正直言ってブルックナーの曲は少し前まで掴みどころがなくて苦手だったのだけれど、チェリビダッケのCDを集中して聴いてから面白さが多少なりとも分かりかけてきた気がする。とにかく音楽の内容を理解できようが、できまいが、生の演奏ではエネルギーの発散と収束がダイナミックに変化して渦巻くさまに魅了される。ワーグナーチューバの不安定な音に多少の戸惑いはあったが、そんなことは些細なことだった。弦楽器も木管楽器も力強く、金管楽器は神々しかったし、炸裂するティンパニーも魅力的だ。ハイティンクは大仰なことはせずとも要所を押さえて精力的な指揮ぶりであった。ブルックナーの交響曲こそ、川崎ミューザが本領を発揮するホールであることを示した。

13)10.04 ハーゲンカルテット&イェルク・ヴィトマン
  トッパンホール

●モーツァルト 弦楽四重奏曲第20番ニ長調K499
          《ホフマイスター》★
●モーツァルト クラリネット五重奏曲イ長調K581 ★★
●ブラームス クラリネット五重奏曲ロ短調Op.115 ★★

ハーゲンカルテットが優れた演奏家であることは周知のこととして、ヴィトマンについては全く予備知識がなかったけれども、モーツァルトとブラームスのクラリネット五重奏曲が聴きたくてこの演奏会を楽しみにしていた。期待を裏切らないしっとりとした情感溢れる演奏だった。 ハーゲンカルテットも依然はもっと尖がった音楽を奏でていたと思うが、今回はプログラムのせいもあるかもしれないが、全体的に柔らかさを感じられる演奏だった。

14) 11.14 クリスティアン・テツラフ バッハ無伴奏 ★
  紀尾井ホール
旅行先の青森から向かったので少々疲れていて、寝てしまったらどうしようかと心配しながら席に着いた。2011年の演奏は、いかにもテツラフらしい鋭利な刃物のような切れ味の、鬼気迫るものだったが、今回の演奏は全体的には無理をせず細部まで丁寧に作りこんだ演奏だった。2011年トッパンホールでは2晩に分けて演奏したものを1晩で全曲演奏したのだから、相当疲れたに違いない。最後は少し雑になったところもあったようだけれど、それでも全体としては十分な量感と滑らかな質感をもった石の彫刻を仕上げたかのような達成感があった。

2015年 舞台鑑賞記録(1)

舞台鑑賞記録の一部を。

01) 02.07 名曲全集/後期第105回

シュテファン・アントン・レック:東京交響楽団
オルガン:ルドルフ・ルッツ東京交響楽団
ミューザ川崎 シンフォニーホール
●レスピーギ:交響詩「ローマの噴水」
●バーバー:トッカータ・フェスティーヴァ 作品36
【オルガン アンコール】
●バルトーク:管弦楽のための協奏曲

2014年末のBRの演奏を思い出した。同じ2階席中央で聴いたにもかかわらず、音圧が全く異なる。東京交響楽団が下手でこの日の演奏が特に悪かったとは思わないけれど、このオケは女性奏者が多いせいか音量が足りず迫力不足だったのは否めない。

 

02) 02.26 アンドレアス・オッテンザマー
       ピアノ:ホセ・ガヤルド
   トッパンホール 
●ウェーバー:大協奏的二重奏曲 変ホ長調 Op.48
●ピアソラ:《タンゴの歴史》より 〈ボルデル1900〉〈カフェ1930〉〈ナイトクラブ1960〉
●ガルデル:ポル・ウナ・カベサ ★
●アンヘル・ビジョルド:エル・チョクロ *ピアノ・ソロ
●レオ・ヴェイネル:ペレグの新兵募集の踊り Op.40 ★
●ブラームス:クラリネット・ソナタ第1番 ヘ短調 Op.120-1 ★★
●レオ・ヴェイネル:2つの楽章
【アンコール】
●テンプルトン:ポケットサイズソナタ第3番
●ガーシュウィン:前奏曲第1番 ★
●テンプルトン:ポケットサイズソナタ第1番

 

03) 03.03 イェフム・ブロンフマン
   トッパンホール
●プロコフィエフ:ピアノ・ソナタ第6番 イ長調 作品82 ★
                  第7番 変ロ長調 作品83 ★★                   第8番 変ロ長調 作品84 ★★★
【アンコール】
●スカルラッティ:ソナタ ハ短調 K11 ★★
●ショパン:12の練習曲より 第8曲 ヘ長調 Op.10-8 ★★

04) 03.04 ハーン;サロネン:フィルハーモニア管弦楽団
  サントリーホール
●シベリウス:トゥオネラの白鳥 ★★
●ブラームス:ヴァイオリン協奏曲 ★★★
【ヴァイオリン アンコール】
●バッハ:無伴奏パルティータ3番 ジーグ ★★★
●シベリウス:交響曲第5番 作品 ★★
【アンコール】
●シベリウス:悲しきワルツ ★★


05) 03.31 アレクサンドル・メルニコフ
  上野学園石橋メモリアルホール
 東京・春・音楽祭2015 《24の前奏曲》シリーズ
vol.2 ~銘器プレイエル(1910年製)で弾くドビュッシー
●ドビュッシー 前奏曲集第1&2巻 ★★
【アンコール】
●プロコフィエフ 束の間の幻影 より Ridicolosamente
●ラフマニノフ 13の前奏曲 より 第5番 ト長調
●ブラームス 幻想曲 作品116-2 ★
年代物のプレイエルからメルニコフは柔らかな音を紡ぎだし、その音は反響した後もそれぞれの軌跡が見えるようで、ドビュッシーの描く世界を堪能した。そこには強い感情の渦はなく、環境音楽のように情景が次々と流れていくようだった。一方、メランコリーが溢れるブラームスの演奏はお手の物で、今回のプログラム全体を通して微妙な色彩の変化を描くことにかけては優れている。


06) 05.24 庄司紗矢香&カシオーリ
  さいたま芸術劇場音楽ホール
●モーツァルト:ヴァイオリン・ソナタ第35(27)番 ト長調 KV 379(373a)
●ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ第6番 イ長調 作品30-1
●ストラヴィンスキー:イタリア組曲 ★★
●ラヴェル:ヴァイオリン・ソナタ ト長調 ★★
【アンコール曲】
●シュニトケ:祝賀ロンド
●シルヴェストロフ:《ヴァイオリンとピアノのためのポスト・スクリプトゥム》より第2楽章
前回この二人のベートーヴェンを聴いたときには、相性が良くないのではないかと思い満足できなかったけれど、今回もベートーヴェンに関しては前回よりはぎこちなさを感じずに聴くことができたかな、という程度だった。しかし後半に入って、近・現代の作品になった途端、二人が自由に呼吸ができ、楽しく聴くことができた。


07) 06.08 ルノー・カプソン&ダヴィッド・カドゥシュ
  トッパンホール
●モーツァルト ヴァイオリンソナタ変ロ長調K454
●ベートーヴェン ヴァイオリンソナタ第7番ハ短調Op.30-2
●シューベルト 幻想曲ハ長調D934 ★★
【アンコール曲】
●クライスラー : 愛の悲しみ ★★
●パラディース : シチリアーナ ★★★
カプソンに関しては、いつ聴いても満足できるクオリティを持っている。ただ、カドゥシュは表現力が弱いというか、前回も今回も準備不足ではないかという気がしている。メインプログラムとして据えたシューベルトの幻想曲はピアノパートも難しいと思うのだけれど、この曲は二人の息が合ってシューベルトらしい妖しく美しい歌が情熱的に繰り広げられた。またアンコールのシチリアーナは美音を満喫させてくれた。彼の演奏会は今回も早めに終了し、幸せな気分で家路に着いた。


08) 06.25 アファナシエフ
  トッパンホール
●J.S.バッハ: 平均律クラヴィーア曲集第1巻より 第1番 ハ長調 BWV846
     / 第8番 変ホ短調 BWV853
     / 第22番 変ロ短調 BWV867
●シルヴェストロフ:オーラル・ミュージック
●シルヴェストロフ:サンクトゥス/ベネディクトゥス
●J.S.バッハ: 平均律クラヴィーア曲集第2巻より★★
         第5番 ニ長調 BWV874
       第7番 変ホ長調 BWV876
       第8番 嬰ニ短調 BWV877
       第9番 ホ長調 BWV878
      第14番 嬰ヘ短調 BWV883
       第16番 ト短調 BWV885
【アンコール】
●ショパン:マズルカ第47番 イ短調 Op.68-2 ★
いつか聴きたいと思っていたアファナシエフの実演にやっと接することができた。独特のリズム感とフレージングが効いてユニーク。 前半は最前列中央で終始居眠りする人のすぐ後ろの席だったため、私も含めてあまり良い気分ではなかったけれど、彼の眠り人は休憩時間に移動させられたようで後半はアファナシエフもノリノリの演奏。盛大な拍手を貰って照れくさそうに笑う様子が印象的だった。

2015年4月18日 (土)

メルニコフ プレイエル ドビュッシー

東京・春・音楽祭―東京のオペラの森2015

≪24の前奏曲≫シリーズ vol.2 ドビュッシー

上野学園 石橋メモリアルホール

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