映画「Pianomania」試写会+エマール トーク
ピーター・ウィスペルウェイの演奏を聴いた感想をまだ書いていないのだけれど、それはもう少し後にして先にエマールのトーク イヴェントの覚書を。
2011.11.17 15:00より トッパンホール
「Pianomania」はドキュメンタリーとして見れば、ピアノ調律師とピアニストとの「プロフェッショナルの現場」ということになるけれど、エマールの話を聞くと、企画が持ち込まれた段階でいかに面白く見せることができるか、制作と出演者との間で協議されていたようだ。イグデスマン&ジョーのコメディ要素も盛り込まれている。
エマールのピアノの音質や音の広がり方に対するこだわりが分かる映画よりも、実は後の語りの方が面白かった。映画の中で話すドイツ語や英語も穏やかだったけれど、聞きとり易くするためにゆっくり話されるフランス語はさらに穏やかな口調ではあっても、内容には曖昧なところはなく、口当たりの良い辛口のシャンパーニュのようだった。
ツアー先に自分の楽器を持ち運ぶピアニストもまれにいるが(ツィメルマンのことかしら)、楽器は運搬途中や運搬先のホールのコンディションで、自宅にある時と同じようにはならないので、エマールは楽器も調律師も専用・専任ということではなく対応している。その様子が映画の中で描かれているのだが、映画はその極端な例である。
現在のピアノはグローバル・スタンダード化して、発展を停めてしまっている。ヤマハの新しいコンサート・ピアノの音が素晴らしいことをもっと多くの人に知ってもらえたらいいと思うが(と、日本国内向けリップサービス)、だからと言ってみんなヤマハのようになるのではなく、様々なメーカーが独自の発展をしていくことが望ましい。
ピアニストの中にはピアノという楽器が音を出す仕組みや構造についての知識が不足している人がいる。
優れた先達であるアルトゥール・ルービンシュタインとクラウディオ・アラウは演奏スタイルは対極にあると言えるほど異なったが、共に語彙が豊富で多くの本を読み知識があった。専門は音楽でも文化を広く知り捉える事が必要である。
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