ギエム オン ステージ Aプロ
ギエム オン ステージ Aプロ
2011年10月25日 東京文化会館
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「白の組曲」
振付:セルジュ・リファール
音楽:エドアール・ラロ「ナムーナ」からの抜粋
初演:1943年 チューリヒ パリ・オペラ座バレエ団
シエスト:乾知子 高木綾 渡辺理恵
テーム・ヴァリエ(パ・ド・トロワ):田中結子 木村和夫 後藤晴雄
セレナード:西村真由美
プレスト(パ・ド・サンク):佐伯知香 松下裕次 氷室友 長瀬直義 宮本祐宜
シガレット:吉岡美佳
マズルカ:木村和夫
アダージュ(パ・ド・ドゥ):上野水香 柄本弾
フルート:小出領子
東京バレエ団
演奏が時々ファリャの三角帽子に聴こえたりして、ラロらしさに欠けたような気がしたけれど、幕が開いた瞬間と最後のフォーメーションの美しさには感動した。パリ・オペラ座で頻繁に上演されるのが頷ける。ただしダンサー個人の技術とスタイルが目立つので男性で綺麗だと思えたのは木村和夫一人だった。女性では吉岡、上野、小出等は個性が生きていたと思う。
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「マノン」より第1幕(寝室)のパ・ド・ドゥ
振付:ケネス・マクミラン
音楽:ジュール・マスネ
初演:1974年 英国ロイヤル・バレエ団
マノン:シルヴィ・ギエム
デ・グリュー:マッシモ・ムッル
ギエムのマノンには幼さはなく、かといって妖艶な娼婦という感じでもなく、大人の女性が恋人に対してちょっと甘えて見せているように、またムッルは気が弱くて優しいけれど、その分存在感が少々希薄なデ・グリューだったように感じられた。
「マノン」という演目自体が私は少々苦手なため、ギエムの腕や脚の描く美しい軌跡を追っていた。
アンソニー・ダウエルは初演を務めている。
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「スプリング・アンド・フォール」よりパ・ド・ドゥ
振付:ジョン・ノイマイヤー
音楽:アントニン・ドヴォルザーク セレナーデ ホ長調 Op.22
初演:1991年 ハンブルク国立歌劇場
吉岡美佳 高岸直樹
ノイマイヤーの舞台美術や衣装はシンプルだけれど色彩もフォルムも洗練されているものが多い。この演目も幕が上がった瞬間にノイマイヤーの世界が浮かんだけれど、肝心のダンスが動きに切れがなくパッとしなかった。
ルグリのスーパー バレエ レッスンを思い出しながら見ていた。いつかハンブルクのダンサーで見られたらいいのだけれど。
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田園の出来事 “A Month in the Country”
振付:フレデリック・アシュトン 振付指導:アンソニー・ダウエル
音楽:フレデリック・ショパン 編曲:ジョン・ランチベリー
「ドン・ジョヴァンニ」から
「お手をどうぞ」の主題による変奏曲 変ロ長調
ポーランド民謡の主題による幻想曲 イ長調
アンダンテ・スピアナート ト長調と華麗なる大ポロネーズ 変ホ長調
装置・衣装:ジュリア・トレヴェリアン・オーマン
照明:ウィリアム・バンディ
初演:1976年 英国ロイヤル・バレエ団
ナターリヤ:シルヴィ・ギエム
ベリヤエフ(家庭教師):マッシモ・ムッル
ラキティン(イスライエフの友人):後藤晴雄
ヴェラ(養女):小出領子
コーリア(ナターリアの息子):松下裕次
イスライエフ(ナターリアの夫):アンソニー・ダウエル
カーチャ(メイド):奈良春夏
マトヴェイ(従僕):永田雄大
ドン・ジョバンニ「お手をどうぞ」のメロディに合わせて4人が並んで踊っているところを見たら、この時期日本全国を長期にわたって私たち日本人に夢と勇気と愛を届けてくれるギエム達への思いとかそれを受け取る側にいざるを得ないせつなさとかで涙が溢れてきて、こんな所で泣いている人は他にいないのではないかと気恥ずかしくなった。
ドン・ジョバンニとツェルリーナとのデュエットを17歳のショパンが変奏曲にしていたのを知らなかった。ランチベリーのアレンジが巧い。またロイヤル・オペラ・ハウスの音楽スタッフのケイト・シップウェイはバレエの流れに沿って情感たっぷりの演奏をして、少々音を外してもテンポが間延びしたり、流れを壊すことはなく、舞台に集中することができて良かった。(器楽ソロ演奏に踊りの勢いを殺がれるととてもがっかりする。)1幕40分程度の作品でこれほど満足感の高い作品に仕上げられているのは音楽の持つ力による所が大きいと思う。
舞台美術と衣装の色彩が全体的に寒色系のパステルトーンでまとめられていて美しい。
初演ベリヤエフ役のアンソニー・ダウエルが指導だけでなく出演してくれることで格調高い舞台が出来上がったのだろう。
ナターリアにぞっこんなラキティンをあしらう有閑マダムぶり、その後の揺れ動く女ごころの演技も良かったし、いつもの剛のイメージがすっかり柔のギエムになっていた。
しかしなんといってもムッルの魅力が遺憾なく発揮されていて、短髪と(長髪はまとめて襟足に隠していた。)衣装の色遣いが相まって若者らしい爽やかな色気があり、一瞬にして登場人物女性三人の心と同時に私たち観客の心も射抜いてしまった。長い脚や腕を柔らかく大きく使い、指先の表情もたおやかだった。ギエムがパートナーに選ぶダンサーの中では押しの弱い方だと思うけれど、その繊細な表現こそが一番の魅力なのだと思った。
松下裕次@コーリアのボールを使った踊りが新体操のように見えた。
物語としては悲劇なのだけれど、ほのぼのとした雰囲気が流れていて、振りものびのびとして音楽的な破綻がないので、見ていて気持ちがよくなり自然と微笑みがこぼれてきた。
指揮:アレクサンダー・イングラム
演奏:東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団
ピアノ:ケイト・シップウェイ
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