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2011年6月

Midori & Özgür Aydin Duo Recital 2011

五嶋みどり & オズガー・アイディン

2011.06.20 サントリーホール

モーツァルト   :ピアノとヴァイオリンのためのソナタト長調 K.301
ヤナーチェク  :ヴァイオリンとピアノのためのソナタ
ラヴェル         :ヴァイオリンとピアノのためのソナタト長調
サッリネン      :4つのエチュード Op.21
ベートーヴェン:ピアノとヴァイオリンのためのソナタ第9番イ長調
                      「クロイツェル」Op.47
アンコール 
ドビュッシー    :亜麻色の髪の乙女

濃紺地に金色の(刺繍か織かは不明)模様のドレスが似あう。
      
K.301はかなり音量を絞っていて、ヴァイオリンの音がかき消されて聴き取れない部分もあったが、私にとってのヒーリング・ミュージックの定番曲を薄水色のモスリンのような音色で演奏。この演奏会のテーマは「癒し」なのだと感じた。訳もなく涙が流れた。

ヤナーチェクのソナタは屈折した怒りや悲しみ、憎しみの心があちらこちらに噴出する曲なのだけれど、この演奏では激情は押さえられていた。どんな過酷な運命に翻弄されても、穏やかな心は必要なのだというメッセージともとれる。

ラヴェルのソナタは第1楽章でのピアノとヴァイオリンの掛け合いに官能性がなくてときどき意識が遠のいた。第2楽章ではフランス風のエスプリよりもジャズ風なリズム感(bluesだけど)が勝っていた。第3楽章ではヴァイオリンの超絶技巧は楽しめたものの、ピアノのグルーヴ感がヴァイオリンをリードするはずが足を引っ張ってしまい残念。

サッリネンのエチュードは・・・このホールで聴くにはインパクトが希薄だった。

「クロイツェル」さすがに演奏に力が入っていて、生き生きと躍動感に溢れる部分もあったのだけど、ピアノが変なリタルダントを入れるので、緊張感が壊れてしまうことが何度かあった。

ピアノがロバート・マクドナルドだったらこんな破綻はなかったのではないかと思う。midoriと相性がいいかどうかは分からないけれど、たとえばツィメルマンとかアンスネスとか女性のハートに火をつけるのが巧い人だったら、もっと官能的かどうかは分からないけれど、心の奥の激しい部分を引きだした上での優しさとか癒しを感じさせることが出来たのではないかと思い残念だった。

亜麻色の髪の乙女でなぜか再度の涙。柔らかく滑らかな肌触り。生成色のオーガニック・コットンの枕に頭を沈めて安らかな眠りにつくときの感覚。

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