ラ・フォル・ジュルネ 2009
今年のテーマは「バッハとヨーロッパ」
5/3 東京j国際フォーラムは朝から大勢の人と食べ物の匂いでむせ返るようだったが、コンサート自体は楽しく過ごすことができた。
No.132 ホールB5 ボリス・ベレゾフスキー
J.S.Bach ゴルトベルク変奏曲
ロシアの熊さん、小さな会場(256席)にあわせ、ペダルはあまり踏まず曲を優しくまとめあげ、聴くものをメルヘン世界へと誘ってくれた。壁のアクリル製の白い反射板が障子の様で、視覚的な落ち着きを与えていたことも相乗効果をあげていたと思う。
演奏が終わり、暖かい拍手に迎えられた熊さんと何度か目があった(気のせい?)。
No.153 ホールD7 シュ・シャオメイ
J.S.Bach 「平均律クラヴィーア曲集第1巻」より前奏曲とフーガ
以前から気になっていたシャオメイのピアノ、彼女はペダルを踏んでも音が濁らず飾らない透明で清らかな音が、時に優しく、時に厳しく、精神世界を描いていた。それは神のものではなく、神を求める人間のものであったと思う。アンコールにゴルトベルク変奏曲のアリアを演奏したが、先ほど熊さんの演奏を聴いたばかりだったので、彼女の持つ精神性がより強調された気がした。
このホールは開場時に係員さんがハンドベルの演奏で迎えてくれて楽しかった。
No.176 G409 イド・バル=シャイ
F.クープラン 「クラブサン曲集」より
鼻歌を歌いながら演奏するバル=シャイ。紡ぎだす響きは綺麗で、アットホームな雰囲気なのに、なぜか演奏者と聴衆に一体感が生まれない。演奏開始時刻が遅れたためか、終わりの時刻を気にしてそわそわする人がいたせいかな。気の毒。
ピアノではなく、チェンバロで聴いてみたかった。
No.157 ホールD7 タチアナ・ヴァシリエヴァ 勅使河原三郎
J.S.Bach 無伴奏チェロ組曲第2番、第5番
今回もっとも楽しみにしていた演目。
ヴァシリエヴァのチェロは安定した技巧でダンスの鼓動とチェロ奏者の空気を吸い込む音が一体化し、文字通り息のあったパフォーマンスだった。普通、バレエなど演奏者がオーケストラピットに入ってしまい見えないが、同じ舞台に立つことで能や歌舞伎などの日本の伝統芸能が思いおこされた。勅使河原のダンスは独特な動きで、バレエや日本舞踊とも異なり、どちらかというと太極拳のような中国拳法や空手の型に似ていると思った。呼吸の間合いを大事にしているところもそういった武道に通じる気がする。近くにいた人が、「ジョン・ノイマイヤーがマーラーやバッハの曲を使うけど、ノイマイヤーよりもむしろバッハはこのような抽象表現があっているように感じた。」と話していた。その意見に頷く気にはなれないが、バッハの音楽が描く精神世界は必ずしもキリスト教だけに通じるものではないのだということは感じられた。
開場時のハンドベルの演奏曲は先ほどとは異なり、係員さんの腕もいろいろでおもしろかった。
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