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2006年映画観賞記録から 2

『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』
 
  原題:Catch Me If You Can
製作国:アメリカ
製作年:2002
監督:スティーブン・スピルバーグ
脚本:ジェフ・ネイサンソン
撮影:ヤヌス・カミンスキー
音楽:ジョン・ウィリアムス

スピルバーグ監督の明るく軽妙な映画を久しぶりに観たように思います。
小品ながら、豪華なスタッフはさすがです。

最も驚くのはこれが実在の人物伝を基に作られていることです。アメリカという国の大きさを感じます。

ディカプリオはこういう小品のときにこそ、きらりと光っていいなと思わせます。トム・ハンクスも、クリストファー・ウォーケンもやりすぎないところが好印象です。

観終わって、スキッとした爽やかさとほのぼのとした優しさを感じるのは、音楽と美術の貢献も大きいです。

『エアフォース・ワン
 
 

原題:Air Force One
製作国:アメリカ
製作年:1997
監督:ヴォルフガング・ペーターゼン
脚本:アンドリュ・ダブル・マーロー
撮影:ミハエル・バルハオウス
SFX:リチャード・エドランド
音楽:ジェリー・ゴールドスミス

ハリソン・フォードは好きです。話している事は知的です。でも、こういう類型的ヒーロー、正義の味方の役はあまり好きではありません。本人もそうじゃないかなぁ。なんか情熱が感じられないのです。

それはさておき、良きにつけ悪しきにつけ、いかにもハリウッド映画で、悪くは無い出来だと思います。でも最後の墜落シーンはいただけません。50年前の映像かと思ってしまいます。

日本では総理大臣や天皇を主役に据えた映画は少ないですが(そういえばまだ『太陽』みてません)、ハリウッド映画には頻繁に映画やドラマに大統領が登場します。アメリカ人のアイデンティティの象徴なのでしょう。現在の日本における天皇よりもよほど強烈な象徴に思えます。

『トゥルー・カラーズ』
 
 

原題:True Colors
製作国:アメリカ
製作年:1991
監督:ハーバート・ロス
脚本:ケヴィン・ウェイド
撮影:ダンテ・スピノッティ
音楽:トレヴァー・ジョーンズ

ロバート・ゼメキスの『永遠に美しく』を思い出し、調べたら『トゥルー・カラーズ』のほうが前年に製作されたものだった。脚本がおもしろくない。深みが無い。『永遠に~』はブラックジョーク満載で、たとえ好き嫌いは分かれても、もっとはっきりとしたエンターテイメントがあったのだけれど・・・

しかし、ジェームズ・スペイダーが法律学校の生徒として寮に初めて車で来たときの表情が魅力的なのと、ジョン・キューザックの憎たらしさが度を過ぎないところは良かった。それと映像的には良いと思った。

『スパルタカス』
 
 

原題:Spartacus
製作国:アメリカ
製作年:1960
監督:スタンリー・キューブリック
製作:エドワード・ルイス
製作総指揮:カーク・ダグラス
原作:ハワード・ファスト
脚本:エリン・クレシダ・ウィルソン
撮影:ラッセル・メッティ
SFX:クリフォード・スタイン
音楽:アレックス・ノース

キューブリックは生涯この映画を自分の作品とは認めていなかったそうで、確かに前半これがキューブリック作品とは意外な気がしました。しかし、後半奴隷反乱軍が敗戦して、奴隷たちが沿道に次々磔にされていく様は、その後のキューブリックの冷めた眼を感じます。

歴史の授業が苦手だったのは、それが大半は戦いの歴史だったからでもあるのですが、その戦いの意味をもっと深く考えることができたら、苦手意識は違ってきていたかもしれません。高校生の頃この映画を観ていたらよかった。

単なる歴史大作&メロドラマでスターの競演だけに終わらない観て損のない映画だと思います。

『お熱いのがお好き』
 
 

原題:Some Like It Hot
製作国:アメリカ
製作年:1959
監督:ビリー・ワイルダー
原作:R・ソーレン、M・ローガン
脚本:ビリー・ワイルダー、Ⅰ・A ・L ・ダイアモンド
撮影:チャールズ・ラング
音楽:アドルフ・ドイッチェ

恋のドタバタ劇がテンポ良く進むのだけれど、それでも全体的に長閑な間が感じられてうれしくなってしまいます。ビリー・ワイルダーとジャック・レモンは本当に相性がいいです。
色が感じられるのは、おそらく陽気な登場人物を演じる役者のキャラクターのせいと、音楽のせいなのだろうと思います。有名なモンローの歌もとても魅力的です。

『悪魔の美しさ』
 
 

原題: La Beaute du Diable
製作国:フランス
製作年:1949
監督:ルネ・クレール
脚本:ルネ・クレール、アルマン・サラクルー
撮影:ミシェル・ケルベ
音楽:ロマン・ヴラド

メフィストフェレスがファウストの魂を手に入れようとして罠を仕掛けるのですが、マルグリッドの純愛が結局それを打ち砕くというお話。
ジェラール・フィリップは美男子の代表だけれども、私好みではないせいか、むしろその声音とか、表情の演技に感心します。ミシェル・シモンも間抜けなメフィストフェレスのいい味を出してます。
また、ファウスト教授(実はメフィストフェレス)に唆されてアンリ騎士が作り出す科学の産物が兵器として利用されるあたりは、ルネ・クレールの脚本・監督が単にゲーテの名作文学『ファウスト』を翻案したのではないことが窺えます。

『ブリジット・ジョーンズの日記』
 
  原題: BRIDGET JONES'S DIARY
製作国:アメリカ
製作年:2001
監督:シャロン・マグワイア
製作:ティム・ビーヴァン/ジョナサン・カヴェンディッシュ
原作:ヘレン・フィールディング
脚本:ヘレン・フィールディング、アンドリュー・デイヴィス、リチャード・カーティス
撮影:スチュアート・ドライバーグ
音楽:パトリック・ドイル

ロマコメとしてはそれなりに笑えるのですが、脚本&演出のせいで、ブリジットはかわいいおばかさんに特化されてしまったのが残念。どじなところだけでなくもっと知的な面も表現しないとマーク・ダシーのハートはゲットできないのでは?
レニー・ゼルウィガーは体重をかなり増量して、思い切りデブ庶民の哀愁をだしてます。あのスリムで筋肉質な『シカゴ』のロキシー・ハートと同じ女優には思えません。そこに一番感動しました。

『パイレーツ・オブ・カリビアン 呪われた海賊たち』
 
  監督 ゴア・ヴァービンスキー
脚本 テッド・エリオット、テリー・ロッシオ、ジェイ・ウォルパート
製作 ジェリー・ブラッカイマー
音楽 アラン・シルヴェストリ


デッドマンズ・チェストを観に行く前に復習しておこうと思いDVD観始めたら、睡魔が襲ってきて、結局2回とも寝てた。
ジョニー・デップの当たり役で、大ヒット作なのに、なぜかウトウト・・・
たぶんディズニーとの相性が悪いのだ。

ジャック・スパロー船長(ジョニー・デップ)の歩き方をウィル・ターナー(オーランド・ブルーム)が真似るシーンがあるのだけど、下手くそ。
オーランド・ブルームはやっぱり『ロード・オブ・ザ・リング』レゴラスが一番良かった。演技のうまさではサムに劣るし、カッコよさではアラゴルンに劣ったけど、雰囲気が好かったもの。

キーラ・ナイトレイのエリザベス・スワンはお転婆なお嬢様がよく似合ってた。しかし、少々色気が足りない、これもディズニーだから仕方ないか。
ジョニー・デップは何をやらせても面白いのだけれど、デッドマンズ・チェストでは呪われた海賊たちよりもさらに弾け飛んでほしいなぁ。渋い魅力なんていらないから、ハチャメチャやってくれ~。

ということで、『デッドマンズ・チェスト』観てきます。

『カッコーの巣の上で』
 
 

原題:ONE FLEW OVER THE CUCKOO'S NEST
製作国:アメリカ
製作年:1975
監督:ミロス・フォアマン
製作:ソウル・ゼインツ/マイケル・ダグラス
原作:ケン・キージー

脚本:ローレンス・ホーベン/ボー・ゴールドマン
撮影:ハスケル・ウェクスラー/ビル・バトラー
音楽:ジャック・ニッチェ

有名な映画であることは知っていましたが、なかなか見る気がしませんでした。
でも実際観てみると、確かにテーマは人間の尊厳という重いものではありますが、実に正面から取り組んでいて爽快ささえ感じます。
そしてアカデミー作品賞、主演男優賞、主演女優賞、監督賞、脚色賞、各賞受賞はうなずけます。

ジャック・ニコルソンルイーズ・フレッチャーはもちろん熱演だけれども、助演男優賞にノミネートされたビリー役のブラッド・ダーリフがとてもチャーミング。この役が映画製作者側に刷り込まれてしまったのか、どうも好青年の役がその後つかなくなってしまったようで、なんとも惜しい。

子供の頃、水上勉の著作だったか自信がないが、精神病院内における患者の人権蹂躙と病院の横暴についての小説を読んでとても恐ろしく感じたことを思い出した。10歳の少女には教育上よくないと判断されたのか、その後いつのまにかその本は親に隠されてしまった。
精神病院の救急車が来るというと、当時近所の子供たちは皆、怖いものみたさの興味と恐れとが交錯していた記憶がある。
本能的に恐れていた。
警察(警官)が来ると言われるよりも怖かった。

ビリーの演技に惹かれるのは、若くして心の病から自らの命を絶っていった友人たちへの鎮魂の思いがあるからかもしれない。

『シザー・ハンズ』
 
  原題:EDWARD SCISSORHANDS
製作国:アメリカ
製作年:1990
監督:ティム・バートン
製作:デニーズ・ディ・ノヴィ/ティム・バートン
撮影:ステファン・チャプスキー
原案:ティム・バートン/キャロライン・トンプソン
脚本:キャロライン・トンプソン
音楽:ダニー・エルフマン

ティム・バートン作品の中で最も好きな映画です。
映像も物語もキッチュで残酷で切なくて。
特に女性の描き方は徹底してますね。
俗っぽくて、新しいものに飛びつき、すぐ飽きる。
噂好きで、おしゃべり、軽薄。
群れたがるけど、皆のことを本当に大事に思ってるわけではない。
それは近所のおばさん連中だけでなく、キム(ウィノナ・ライダー)もペグ(ダイアン・ウーィースト)についても大差はない。
これだけ女の悪口を並べ立てているのに、この映画が女性に好まれるのは、無垢なエドワード(ジョニー・デップ)に対する同情の念と、映像の美しさによるのだろう。
それと、悪口の言い方が綾小路きみまろ的なのかな。

『愛と喝采の日々』
 
 

原題:THE TURNING POINT
製作国:アメリカ
製作年:1978
監督:ハーバート・ロス
製作:ハーバート・ロス/アーサー・ローレンツ
撮影:ロバート・L・サーティス
脚本:アーサー・ローレンツ

バレエ好きにとっては観て損のない作品です。
バリシニコフとレスリー・ブラウンの踊りは迫力あります。特にエミリア(レスリー・ブラウン)新作の踊りは見事です。
これは監督がバレエを知り尽くしているから。
照明を真正面にしたグラン・パ・ド・ドゥは二人の踊りだけしか見えなくて、実際にこんなところを間近に見られたらいいなぁ、と思います。
撮影のロバート・L・サーティスは『華麗なるヒコーキ野郎』『スティング』『卒業』『逃亡地帯』等などスリリングで素敵な映像をたくさん撮っています。

バリシニコフのにやけた表情はこの女たらしのユーリ役にぴったりでした。
体つきや顔つきなどは私好みではないけれども、やはり、踊ればその技術は確かで、『海賊』のシーンはまるでコンクールを観ているようでした。

物語自体はやや安易だけれども、アン・バンクロフトとシャーリー・マクレーンの演技は安心してみていられます。


何年ぶりかで古いビデオを引っ張り出して観ました。
TVで放映されたものをD-VHSに録画したものですが、そういえば最近D-VHSテープはあまり売っていません。
今のうちに、たくさん買っておこうかなぁ。

『キリング・ミー・ソフトリー』
 
  一般的には評価の低い話だと知った上で観ました。
確かに話は荒唐無稽なうえに、無理やり押し込んだようなエンディングもどうかと思います。でも、嫌いではありません。
チェン・カイコーは映像の美しさを第一に考えているのだと思います。ヘザー・グラハムも
ジョセフ・ファインズも最も官能的で美しい絵を作るのに十分貢献してます。

原題:Killing Me Softly
製作年:2001
製作国:アメリカ
監督:チェン・カイコー
原作:ニッキ・フレンチ
脚本:カーラ・リンドストローム
撮影:マイケル・コールター

『エリザベス』
 
 

UKは懐が深いのか、この映画に関して王室がクレームをつけたという話を聞かない。あくまで娯楽映画で、目くじら立てる必要はないということなのだろう。
ケイト・ブランシェット演じるエリザベスは実に人間味溢れ、現在のゴシップ満載の王室の気風は十分盛り込まれている。
他の俳優陣も豪華でそれぞれが個性豊かで面白いし、衣装は目の保養になる。衣装のアレクサンドラ・ビルヌは『ネバーランド』も手がけていて、時代物の衣装を当時そのままに再現するというよりも時代考証はもちろんするのだろうが、そこに現代的なエッセンスを加えることに長けているようだ。

原題:Elizabeth
製作年:1998
製作国:イギリス
監督:シェーカル・カプール
原作:ウィリアム・クレイグ
脚本:マイケル・ハースト

『恋におちたシェークスピア』
 
  『エリザベス』で初めて見たジョセフ・ファインズの目と手に一目惚れした私は、この喜劇版『ロミオとジュリエット』も観ることができて幸せ気分いっぱいでした。
シェークスピアと戯曲『ロミオとジュリエット』にまつわるエピソードは当然フィクションなのに、シェークスピア自身が『ロミオとジュリエット』のお話の主人公となり、さらには劇中劇を演ずるというシナリオが理屈抜きに楽しめました。
ほぼ同時期公開の『エリザベス』と同時代の設定で、しかもジョセフ・ファインズの出演では、皆が二つを比較してまうのは致し方ないことかもしれません。

原題:Shakespeare in Love

製作年:1998
製作国:アメリカ
監督:ジョン・マッデン
脚本:マーク・ノーマン
   トム・ストッパード
撮影:リチャード・グレイトレックス

『スターリングラード』
 
 

原題:Enemy at the Gates
製作年:2001
製作国:アメリカ・ドイツ・イギリス・アイルランド
監督:ジャン・ジャック・アノー
原作:ウィリアム・クレイグ
脚本:ジャン・ジャック・アノー
   アラン・ゴダール
撮影:ロベール・フレス
音楽:ジェームズ・ホーナー

お話は実に悲惨。
第二次大戦中ナチスの猛攻に陥落寸前のスターリングラードでのジュード・ロウ演ずるソ連のスナイパー:ヴァシリとエド・ハリス演ずる狙撃の名手ドイツ軍将校:ケーニッヒとの死闘を中心に人間模様を描いたもの。
最後まで生き残るヴァシリとその恋人ターニャを演ずるレイチェル・ワイズよりも、生き残れない人たち(ターニャへの叶わない恋に苦しむ青年将校ダニロフ演ずるジョセフ・ファインズとドイツ将校演ずるエド・ハリス)の演技がすばらしい。
ジョセフ・ファインズの
濃い演技がこの物語のスパイスとして効いているし、エド・ハリスは非人間的なナチスの将校をほとんど無表情な中、滲み出る感情を完璧にコントロールしていたと思う。

戦争映画なので全編どこをとっても美しい画はないにも係わらず、映画全体としては美しい出来上がりなのは、人間どうしの関係に比重をおいた監督の手腕なのだろうと思う。

『セブン・イヤーズ・イン・チベット』
 
 

原題:Seven Years in Tibet
製作年:1996
製作国:アメリカ
監督:ジャン・ジャック・アノー
原作:ハインリヒ・ハラー
脚本:ベッキー・ジョンストン
撮影:ロベール・フレス
音楽:ジョン・ウィリアムス

基本的にブラッド・ピットは脇役のほうが合っていると思うのです。
けれどもブラッド・ピット主演の映画の中では私はこれが一番好きです。
『デビル』は主役が誰か分かりにくいくらいハリソン・フォードが目立ってしまっているし・・・

またお話自体は少々中だるみしていますが、西洋人が描いたアジアとしてはよく出来ていると思います。
映像はグァッシュで描いたような抑えた色使いでありながら、潔い構図を切り取っていて、撮影はロベール・フレス。
『O
 嬢の物語』、『続エマニエル夫人』、『チャタレイ夫人の恋人』、『きみに読む物語』などがありますが、ジャン・ジャック・アノー監督作品では本作の他に『ラマン』『スターリングラード』があります。

現代史の説明にあまり時間を割かずに、自然な流れで物語りは進んでいきます。
登山家として有名だったために、自己中心的で自分に甘く軟弱だった主人公が、捕虜収容所を脱走して逃避行の果てに、偶然にもダライ・ラマとめぐり合うことで、チベットの人たちの思想・哲学の深さに感化され人間的成長を遂げるのです。
ブラッド・ピットの無表情というかナイーブな演技がこの主人公にピタリとはまっていました。
それはやはり彼のイメージが油彩画でもフレスコ画でもなく、さりとて透明水彩ではないグァッシュ画の感じだからでしょうか。

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